4 オイラー方程式の解
本節では、3 節で得られたオイラー方程式を
満たす関数を求める。
が陽に に依存しない場合、
オイラー方程式 (16) は
容易に 1 回積分できることが知られている。
まず、それを紹介する。
(16) は、
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(17) |
という の 2 階の微分方程式に変形できるが、
なので、(17) より
となり、よって
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(18) |
となる。これは、 の 1 階の微分方程式となる。
さて、最速降下線の問題の場合、
となるので、
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(19) |
となり、 とすると、 (), , で、 より、
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(20) |
となる。これは、変数分離形の微分方程式であり、
より、
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(21) |
となり、 より であるから、
少なくとも の付近では、符号は正で、
これを から まで積分すれば、
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(22) |
が得られる。
(20) より、
でなければいけないことになるが、
(22) で とすると、
で、
となる。よって、
と置換すると、
となる。ここで、この は
を満たすものなので、
結局 と は、
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(23) |
によって結びつくことになる。
これは、良く知られているように「サイクロイド曲線」を
全体的に拡大 (または縮小) したグラフの
パラメータ表示になっていて、
直径 の車輪で作られるサイクロイドになる。
よって、 は、これを上下逆にした「逆さサイクロイド」
として によって作られることになる。
次節で、この「サイクロイド曲線」について詳しく見ることにする。
竹野茂治@新潟工科大学
2016年1月8日