( 次元の立方体) に対して、 が 連続写像であるとき、 は 内に不動点を持つ。すなわち、 となる が存在する。
実はこの定理は、1 次元 () では中間値の定理と同等である。 まず、それを紹介する。
の場合は、ブラウアーの定理の は の連続関数なので、 中間値の定理からブラウアーの不動点定理を示すのは易しい。 すなわち、この に対して、 とすれば、
問題はこの逆であるが、 を 上の連続関数とし、 であるとする。 中間値として、 となる を任意に取り、 となる () が存在するかどうかを考える。
まず、 を と、および を 0 としてよいことは容易にわかる。 それは、必要ならば の代わりに を 考えればいいからである。 よって、 は 上の連続関数で、 であるとする。
次に、
(3)
もしそうでなければ、どんな に対しても が に収まることはないので、
もし、
(4)
(5)
よって、 を十分小さくとれば、 すべての に対して となることがわかり、 これにより は から への連続関数となるから、 ブラウアーの不動点定理を に適用すれば、 となる が存在することが言えることになり、
なお、 の場合も同様であり、 を に変えて同じ議論をすればよい。
竹野茂治@新潟工科大学