1 はじめに

正規母集団の母平均の検定、推定をするのに、$t$ 分布が使われるが、 その根拠となるのが、
  $\displaystyle
t = \frac{\bar{x}-\mu}{\displaystyle \sqrt{\frac{s^2}{n}}} \sim t(n-1)
\hspace{1zw}\mbox{ (= 自由度 $(n-1)$\ の $t$\ 分布)}$ (1)
という事実である。そしてこれは、
  $\displaystyle
u = \frac{\bar{x}-\mu}{\displaystyle \sqrt{\frac{\sigma^2}{n}}} \sim N(0,1),
\hspace{1zw}v=\frac{S}{\sigma^2}\sim\chi^2(n-1)$ (2)
から、
  $\displaystyle
t = \frac{u}{\displaystyle \sqrt{\frac{v}{n-1}}}$ (3)
となることから来ているが、$t$ 分布の定義 ([3]) からすると、 (2) の $u$$v$ が「独立である」ということも必要になる。 そこは、講義では示していなかったので、 本稿で [2],[4] に基いて示す。

竹野茂治@新潟工科大学
2022-08-25