添字の部分列を
の 行目、 列目の要素を順に 並べた の小行列を
また、 で、 から を取り除いた 昇順な添字列を表し、 から 行目、 列目 を取り除いた の小行列を
(40) より、余因子行列 の成分、 すなわち 1 次の小行列式は、 の 次の小行列式に符号をつけたもの
となっているが、それを拡張した次の命題が成り立つことが知られている ([3], [4])。で、 のとき、長さ () の 昇順な添字列 , に対して次が成り立つ。
(42) は、(43) の の場合になっていて、
よって命題 2 は (42) の
拡張になっている。
この命題 2 の証明の前に、次の補題を紹介する。
を 行列、 を 1 から の範囲の長さ の 昇順の添字列、 を 次正方行列とするとき、
となる。ここで、, は
証明
命題 2 の証明
命題 2 と同じ仮定の元、 とすると、
証明
の仮定を外しても命題 2 は成立する。
証明
のときにも (43) が 成り立つことを示せばよい。
今、 とすると、
「 では と なる は のみ」となるような を取ることができる。 よって、 では だから に対して命題 2 が成立し、 が成り立つ。ここにでてくる行列式はいずれも の多項式、 よって の連続関数で、 のときに 明らかに
の場合は、実際には (43) は、
ならば (42) であるから証明は不要で、
よって の場合に
と
なることだけ示せばいいので、このような解析的な証明ではなく、
代数的なより易しい証明があるかもしれない。
なお、この後の議論では、 が保証されていない状態で (43) を使う場面がでてくるので、 この系 5 の形に命題 2 を 拡張しておく必要があるのである。
、および 行列 に対し、 が線形独立であることと、 であることは同値。
証明
行列式の展開定理により、
よって、 であることはすべての に 対して であることと同値で、 これは を意味し、そしてこれは の列ベクトルが 線形従属であることと同値。
竹野茂治@新潟工科大学