3 ガンマ関数
次は、前節の半径 1 の 次元球の体積 (9) を
ガンマ関数
で表すことを考える。
ガンマ関数 (2) は以下のような性質を持つことを
講義で紹介した。
(11)
これらについても説明する。
まず、(2) は
に関して
広義積分であるが、 の に対しては、 より
の方も広義積分になっていることに注意する。
しかし、
では、 は有界 () で は可積分 (広義積分は収束) なので、
での
広義積分は収束する。
また、
では、
は有界で は可積分なので、
の広義積分も収束する。
なお、 の有界性は、
より では減少することからわかる。
よって (2) は に対して収束する。
に対し、部分積分により、
となるが、 の極限は、
が有界で、
となるから 0 に収束し、
これで (11) の最初のものが得られる。
残りのものは、直接計算して、
となる (最後の積分については、例えば [2] 参照)。
これらを用いると、自然数 に対し、
となるので、(9) にこれらを用いると、 のときは、
となり、 のときは、
となるので、結局 はすべての自然数 に対して
(12)
と書けることになる。
よって、(8) より は
となるので、結局 (7) の は
(13)
と書けることになる。
が で可積分ならば、
(13) で
とすれば、
(14)
も得られる。
竹野茂治@新潟工科大学
2022-08-02