しかし、通常「ド・モアブル=ラプラスの定理」は、各点収束性よりもむしろ その分布関数の収束性を指すことも多いようで、 ネットの情報や、数学辞典 [2] などにも見受けられる。 一方で、その分布関数の収束性の証明もネットなどにいくつかあるが、 残念ながらあまり厳密な証明 (と思えるもの) はないようで、 各点収束の結果をそのまま積分したものや、 有限区間での積分に関して証明して、それで終わりとするものなどが 多いようだが、 それらは極限の順序交換が行えることの保証を与えておらず、 厳密な証明にはなっていないように思われる。
本稿では、その分布関数の収束性としての ド・モアブル=ラプラスの中心極限定理の厳密な証明を紹介するとともに、 [1] でのややあいまいな点の修正も行う。
竹野茂治@新潟工科大学