期末テストのアンケートの意見に対する回答 (2003 年 前期)


はじめに

アンケートの意見に対する回答をこちらにまとめておきます。 なお、好意的な意見に対する回答、および回答が不要と思われるその他の意見、 および小テスト時の回答該当するものに関する回答は省略します。

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(Iic: 基礎数理 I (情報・物質)、 Ima: 基礎数理 I (機械・建築)、 III: 基礎数理 III (情報・物質))

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不満、要望


黒板が見づらいことがある

(基礎数理 I (情報・物質))

いくつかの意見がありました。

小さい字はなるべく書かないようにしたいと思いますが、 数式は添字や累乗など字が小さくなることがあります。 見えにくい場合はその場で指摘してください。 多分あなたの周囲の他の人もそうだと思いますので。

下や横、というのは、上から書いて行って下に書けなくなった場合 次に続けて書く場合のことを言っているのだと思いますが、 これは黒板を縦に伸ばすわけにはいかないので、 多少は慣れてもらうしか仕方ありませんが、 見えにくい場所に書くのは気をつけたいと思います。 特に S2-11 は黒板の構造がおかしいのでそういう死角がありますね。 しかし、何であんな形なんでしょうねぇ。使う方も使いにくくて仕方ありません。

反射の問題も S2-11 特有の問題ですね。 黒板を使わないわけにはいかないので、 前の方のブラインドを降ろすようにしてみましょうか。 それでも見にくい場合はその場で指摘してください。
(08/07 2003)

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全然分からないので出る気がしない/難しすぎた

(基礎数理 I (情報・物質)、基礎数理 I (機械・建築))

基礎数理 I はあらかじめ試験を行ってクラス分けをしています。 そのテストの結果と講義内容、例年の様子からして 「全然分からない」ということはなくて、 むしろ分かるための努力を欠いた結果だろうと思います。

実際に C クラスの学生に限ってクラス分けのデータと比較してみると このように答えた学生とクラス分けテストで同じくらいの点数、 あるいは、下回る点数を取った学生で、 基礎数理 I では好成績だった学生がたくさんいますし、 C クラスの学生全員のデータを統計的に比較しても あまり相関がないことがわかります (相関係数の値は 0.5 以下)。 そしてこれは、クラス分け試験の結果が良かった学生が 基礎数理 I の成績が良くなるとは言えず、 クラス分け試験の結果が悪かった学生が 基礎数理 I の成績が悪くなるとは言えない、ということを意味しています。

すなわち、たとえ C クラスの学生でも 大学に入って分かる努力をしなかった学生は分からなくなるし、 クラス分けの成績が低くても分かる努力をすれば分かるようになる、 という当り前のことを意味しています。 よって「全然分からない」「難しすぎた」のは、 分かるための努力をしなかった結果によるものだと判断できます。

では「分かる」ためにはどうしたら良いか、ということですが、 それも講義の一番最初の時間に既に回答を与えてありますよね。
(08/07 2003)

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計算はできるが、高校と違って理屈が分からない

(基礎数理 I (機械・建築))

私はあまり理屈の話をしていませんから、まあそんなもんかもしれません。 ただ、決して良いことではないように思います。 省いている理屈が知りたいようならば、教科書で飛ばした説明を読む、 または別な本を読む、ということをお勧めします。

私の WWW ページ (講義のページ) でも、 省いた説明を紹介しているものもあります。
(08/07 2003)

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ある部分が/今回のテスト範囲が理解できなかった

(基礎数理 III (情報・物質))

「大学の講義について」 でも述べていますが、 講義中に全てを理解しようというのは正しい姿勢ではありませんし、 私も全ての学生に講義中に全てを理解させようと思って講義していません (理由は上の WWW ページを参照してください)。

理解できない部分が出たらどうしたら良いか、 それも上の WWW ページに書いてあります。それを実践していますか ? 実践していない ? なら理解できなくても仕方ないですね。
(08/08 2003)

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基礎ができていないのでほとんど分からなかった

(基礎数理 III (情報・物質))

基礎数理 III は、基礎数理 I の C クラスの続きとして講義していますので、 そういう人は多かったのではなかったかと思います。

しかし、基礎ができている人でも通常は私の講義だけでは理解はできず、 自分で講義以外の時間に宿題をやる、等のことをして初めて理解できるのです。

今回単位を落したけれどもこの講義の単位が欲しい、という人は 今回の講義を振り返って何が足りないのかを把握し、 まずはその勉強をやってからまた来年度に履修してみてください。

ちなみに、分からないところを戻って戻って勉強するのは、 我々研究者も全く同じです。 論文や学術書などを読んで分からないところが出ると、 それをどんどんさかのぼって調べていきますが、 そうこうしているうちに大学 1 年生のときの教科書に戻る、 あるいは高校の物理の教科書/参考書に戻る、なんてことがよくあります。 戻ることを恐れずに、自分の分かるところまで戻って勉強すれば いつか光が見えて来ると思います (と、学部生時代恩師に言われましたし、私もそう思います)。
(08/08 2003)

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もっとテストの回数を増やして試験範囲を狭くして欲しい

(基礎数理 I (機械・建築))

試験範囲を狭くするために小テストをしているわけではありませんし、 試験範囲は小テストに関わらず広くしたり狭くしたりすることも可能です。 つまり、元々試験範囲と小テストのあるなしは関係ありません。

試験範囲が広いとテスト勉強がしづらい、と思っているかも知れませんが、 それは試験前に一夜漬けしているから、ということをはっきり認識してください。 普段から勉強をして講義を理解し、私が出している例題や宿題をこなしていれば 範囲が広くてもそう問題にはならないはずです。

それに、試験範囲を狭くしてしまうと、狭い範囲内で問題を作るために 難しい問題やひねった問題も出さざるを得ないことになりますが それでも良いのでしょうか。

基本的に、試験をやるとその分講義がつぶれますので、 あまり試験を多くするつもりはありませんし、 上に書いた理由で試験を多くしたいとは思いません。 ただ、話がまるで変わってしまう場合はそこで試験をしたいと思いますし、 覚えないといけない公式が多い場合は範囲を狭くしたいとは考えています。
(08/07 2003)

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出欠の不正に対して全員欠席にするのはやめて欲しい

(基礎数理 I (機械・建築))

それは難しいですね。

ということで厳密な出席を取るのは難しいのです。 今の方法で、出席の不正が見つかった場合それを正すには、 一人一人読み上げて確認するという方法がありますが、 実はそれも確実ではありませんし、大きな手間がかかります。 結局は今のところ信用できない出席表は破棄するしかないと考えています。

学生に、これに関する不満を持ってもらわないようにするのは 実は非常に簡単で、 破棄することを学生に言わなければ良いだけです。 そうはせずに、学生からの不満が出ることを承知で学生にそれを伝えているのは、 不正を行っている学生にそれを大きな問題なんだと感じてもらって、 休んだ場合は自己責任を取る、 という大人として当り前のことをわかってもらいたいためです。

なお、不正行為を行っている人は出席の不正くらい小さい罪だ、 と感じているのかも知れませんが、 出席を点数に組み入れている場合は大変大きな問題だと思います。 結果的に点数をごまかしていることに相当しますから、 試験中の不正行為 (カンニング) と同等の行為と考えることができます。 試験の不正行為は、当該学年の全単位没収や留年などが直接決まるような 大きな問題行為です。 それと同等のことをしているのだと、はっきり認識すべきだと思いますが、 そういうことも良く分かっていないのだろうと思います。
(08/07 2003)

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教科書にもう少し説明が書いてある方が良かった

(基礎数理 I (機械・建築)、基礎数理 III (情報・物質))

この教科書の説明で分からない部分は、 図書館の別な本で調べてみたらどうでしょうか。 多分別な本には別な説明が書いてあると思います。

なお、レベル、例題や演習題の数、講義との整合性等からして、 今の教科書は割りと適切なものだと思います。 これ以上説明のあるものだと別な部分がカットされてしまいます。
(08/08 2003)

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計算問題を解くコツのようなものを教えて欲しい

(基礎数理 III (情報・物質))

それらしいものは例題を通して教えているつもりですが、 そもそも「計算問題を解くコツ」って何でしょう。 「要するにこうすればいい」っていうようなことでしょうか。

それだったら、学生同士で勉強しあうと、良くそういう会話になると思いますので、 友達と勉強するのが一番でしょう。

我々教員は、理論の理解をおさえた上で物事を考えますから、 中途半端な理解で適当に計算することをあまり好まず、 「要するにこうすればいい」とはなかなか言えない人種なのです (雰囲気を伝えることがうまい人もいますが)。
(08/08 2003)

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その他の意見


テイラー展開が使えそうで楽しい

(基礎数理 I (情報・物質))

そうですか。もしそうならば更に進んだ本を読んでみたらどうでしょうか。 実はテイラー展開に関してはほんのさわりしか話をしていません。 もっと面白い話がたくさんあります。 例えば、といってあまり具体的な本の紹介はできませんが、 級数、特にベキ級数 (巾級数とか冪級数と書く) をキーワードに探すといいでしょう。

などを参考までに上げておきます。
(08/07 2003)

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もっと問題を解きたいので問題集を紹介して欲しい

(基礎数理 I (情報・物質))

適当に図書館で探してみてはどうでしょうか。 昔は微積分専門の問題集 (演習書) というのはたくさんあったのですが、 最近はそういった定番のものが減っているのではないかと思いますので、 別な教科書を見ると良いでしょう。 別な教科書には別な問題が載っていると思います。 例えば今の教科書の前に使っていたものは同じ著者、同じ出版社ですが、 今の教科書よりは少し問題が多く載っています (巻末に追加の問題もあります)。

ただ、あまり問題ばかりやってそのパターンを身につけるよりも、 理論を理解してあまり問題をやらなくても本質をつかむ、 ということの方が大事だとも思います。
(08/07 2003)

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今回のテスト範囲は広く感じた

(基礎数理 III (情報・物質))

広義積分、積分の応用 (面積、体積、曲線の長さ) と偏微分全般でしたから、 確かに一通りやると広い範囲かも知れませんが、 実際には上っ面だけしかやっていないのでそんなに分量はなかったと思います。

偏微分は計算のやり方が分かれば新しい公式と言えるものは 「合成関数の微分法」「接平面の公式」「極大極小の求め方」 位ですし、広義積分も計算方法のみで公式はなく、 積分の応用も「体積の公式」「曲線の長さ」位しか新たな公式は なかったと思いますので、 覚えることはそんなになく、 普段から問題をこなしていればそんなに苦にならなかったのではなかったか と思います。
(08/08 2003)

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質問


後期のクラスはどうなるか

(基礎数理 I (情報・物質)、基礎数理 I (機械・建築))

基礎数理 II もクラス分けが行われますが、 基礎数理 I とは無関係に 2 クラスに分けられます。 ただし、改めて試験をすることはせずに、 最初のクラス分け試験の内容で判断します。
(08/07 2003)

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小テストではなぜ点数をつけないか

(基礎数理 I (情報・物質))

何か勘違いしているのだろうと思いますが、 もちろん小テストも成績に反映させています。 つまり小テストの点数は私の元にはちゃんとあります。

小テストが何点であったか書かれていなかったことを問題にしているのでしょうか。 だとすれば、良く考えてみてもらいたいのですが、 大事なのはどこができてどこが間違えたか、ということで 小テストが何点であったかということではないのではないでしょうか。 出席や期末テスト、小テストをどのように集計しているか公表しない限り、 小テストが何点であったかということの意味は小さいと思います。
(08/07 2003)

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来年は何をやるのか

(基礎数理 III (情報・物質))

この質問は「今年の基礎数理 III では微分積分をやりましたが」 と書いてあったので、多分「来年」というのは「後期」の勘違いで、 基礎数理 IV のことを指しているのではないかと思います。

基礎数理 III の最後の講義でも話しましたが、 後期の基礎数理 IV は基礎数理 III の続きを、 今回の教科書に沿って行います。 予定では

を行う予定です。
(08/08 2003)

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作成日: 06/28 2011
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)