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平成 13 年 6 月 6 日
リーマン和 (区分求積法) の誤差について
新潟工科大学 情報電子工学科 竹野茂治
リーマン和の極限が面積となる、という区分求積法は、厳密にはその誤差が
0 に収束するということを証明する必要があるが、それは教科書には書かれていない。
ここでは、
が微分可能で、その導関数
が連続であるような
場合に限ってその説明を行う。
分割
に対して、リーマン和
は
で定義される。
ここで、
は
となる点 (分点間の任意の点)、
(分割幅) である (教科書 §12)。
また、最大の分割幅を
とする。
の取り方によってリーマン和の値はもちろん変化する。
そのリーマン和が一番大きくなるのは、各小区間
で
が最大値となるように取った場合である。そのような
を
と書くことにする。
また、リーマン和が一番小さくなるのは、各小区間
で
が最小値となるように取った場合である。そのような
を
とする。
よって、それぞれのリーマン和を
とすると、もちろん
 |
(1) |
となる。そして、
は面積なのでもちろん
 |
(2) |
でもある。よって、(1),(2) により
となる (
かつ
ならば
は
容易に示される)。
よって、もし
が、
,
のときに 0 に収束することが
示されれば、はさみうちの原理によって、リーマン和と面積との誤差
も 0 に収束することとなる。よって、
 |
(3) |
を証明する。
 |
(4) |
であることにまず注意する。
今、
が連続であるという仮定により、
となる正の定数
が取れる。このとき、
の傾きは
から
の
範囲に入るので、幅
の区間内ではどう変化しても、その最大値と
最小値の差は
以下となる (もし、それより大きいとすると、
その最大値を取る点と最小値を取る点を結ぶとその傾きの絶対値は
を超えて
しまう)。
よって、
がいえることになる。これを使うと、(4) は
となる。最後の式
はもちろん
,
のとき 0 に収束する。故に (3) が
成り立つことになり、結局誤差が 0 に収束することが示された。
なお、誤差の絶対値は
以下であることもついでにわかった
ことになる。
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Shigeharu TAKENO
2001年 8月 9日