通常、整式の商の部分分数分解は、 「部分分数分解の原理」([2]) に基づいて、 最終的な形の分子を未定係数で表現して、 それが恒等式として満たされるようにその未定係数を決定する、 という方法を取る。
本稿では、未定係数によらない方法での部分分数分解について考察する。 なお、本稿を通して、部分分数分解の対象となる整式の商は、 分子の次数が分母の次数より小さいとする。