6 最後に

今回、複素対数を用いた 2 つの不定積分を紹介した。

工学部などでは複素数を用いた簡易計算が行われることがあるが、 複素対数まで持ち出すと、実は多少面倒になるということが 本稿によって少しは感じてもらえるだろうか。

途中でいくつか紹介したように、細かい議論を避ける方法はあるので、 慣れてしまえばそれほど難しくはないのかもしれないが、 それでも正しく計算するには正しい理屈、特に複素関数論の初歩は ある程度把握している必要はあり、 簡易計算では複素対数はやはり避けられるなら避ける方が無難なような気がする。

竹野茂治@新潟工科大学
2016年12月22日