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(PDF ファイル: quotef4.pdf)
A. 複素数の微分の公式
ここでは、5 節で使用した公式 (15)
を証明する。もちろん、これは次の微分の公式が成立すればよい。
|
(16) |
まず、複素数が含まれている実数変数の関数の微分と積分の意味について
定義しておく。
定義 3
複素数値関数
( は実数、, は実数値関数)
に対して、その微分と積分を次のように定義する。
- 微分:
- 積分:
は定数 () であることを考えれば、これは自然な定義である。
これに対し、次が成り立つ。
命題 4
複素数値関数 , に対し、次が成り立つ。
-
-
( は複素定数)
-
-
-
( は自然数)
証明
以下、, を実数部分、虚数部分に分けて、
, とする。
1.
2.
( は実数) とすると、
なので、
一方、
なので確かに成り立つ。
3.
より、
一方、
なので確かに成り立つ。
4.
まず、
を示す。これが言えれば、3 より、
となって 4. が得られる。
より、
となるが、
なので、式 (17) の分子は、
となるので、よって、
となって成立する。
5.
これは、積の微分 3. を繰り返し用いれば
(または、厳密に示すならば帰納法で) 得られる。
(16) の証明
命題 4 の 1., 2.,
4. より、
なので、命題 4 の 5. より、
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竹野茂治@新潟工科大学
2006年6月2日