2 定義
双曲線関数とは、次のように定義されるものである。
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(1) |
は「ハイパボリックサイン」、
は「ハイパボリックコサイン」と読む 4 文字の関数名である。
ハイパボリック (hyperbolic) とは、
「ハイパーボラ (hyperbola) 双曲線」という言葉の形容詞形で、
「双曲的な」という言葉を指している。
そのため、双曲線関数と呼ばれるのであるが、
この「双曲的」という言葉がなぜついているのかについては、
3 節で紹介する。
は
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(2) |
より偶関数、 は、
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(3) |
より奇関数である。
, のグラフは、
, のグラフから容易にわかるが、
図 1 のようになる。
図 1:
,
のグラフ
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, 以外の三角関数が、
と定義されるのと同様に、, 以外の双曲線関数は、
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(4) |
と定義される。
, 以外でよく用いられるのは 程度であり、
, のグラフは図 2 のようになる。
図 2:
,
のグラフ
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なお、 (タンジェント)、 (コタンジェント) は、
特に東欧では tg, ctg のように書かれることも多い。
その流儀では、, , , なども、
sh, ch, th, cth のように書かれるようである (例えば [2] 参照)。
次の式は、双曲線関数の最も基本的な性質である。
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(5) |
なお三角関数と同様に、自然数 に対し、
のように書くことになっている。
(5) の最初の式は、
定義の式 (1) を代入して展開すれば容易に得られるし、
2 本目の式は最初の式の両辺を で割れば得られる。
この性質 (5) は、三角関数の性質
に対応している。
竹野茂治@新潟工科大学
2010年3月19日