(1)
(2)
(3)
まず本節では、その積分を変形することでより容易な形に帰着させ、 置換積分で簡単にできる場合について具体的例を混じえて紹介する。 以下、
を用いれば は
(4)
(4) の 4 通りの積分のうち、 , 、および が奇数の場合の , は、 いずれも置換積分によりそれほど難しくなく求めることができる。 そして の か の少なくとも一方が奇数の場合は、 それをすべてこれらの形に帰着することができるので 置換積分で積分できることになる。
一般に、
(5)
(6)
よって、, の一方が奇数の場合は、 そちらの三角関数を一つだけ残せば後はその三角関数の偶数乗が残るが、 それは を用いて他方の三角関数に変換できるから、 結局上の か のいずれかの形に書き換えことができる。
例えば、 の場合は、
よって残るのは、 の と の両方が偶数の場合であるが、 これは本節のような置換積分では計算ができず容易ではない。 次節以降でそのような積分を考えていくことにする。
なお、, の両方が偶数の場合は (4) の形に帰着させると が偶数の場合の の形の和か、 の形の和になるので、 後はこの形のみを考えればよいことになるが、 さらに は以下のようにして に帰着できることがわかるので、 これらはすべて が偶数の場合の を求めることに帰着することになる。
今、 に対して、 と置換すれば であり、
(7)
よって、以後は を と書くことにして、 主に が偶数の場合の だけを考えることにするが、 場合によっては (4) に帰着させる前の , が偶数の についても言及することにする。
竹野茂治@新潟工科大学