式 (5) の方で見た場合、 (1) の和 に現れる各項は、 次の順列に対応していることがわかる:
(1,2,3,4), (2,3,4,1), (3,4,1,2), (4,1,2,3) (左上から右下の方向の積),例えば 6 項目の は、
(4,3,2,1), (1,4,3,2), (2,1,4,3), (3,2,1,4) (右上から左下の方向の積)
さて上の 8 つの順列は、(1,2,3,4) の巡回順列とその反転からできている ことが容易にわかる:
(15)
は、 の行を入れかえているが、それは順列 に従って、 の 行目を 行目にした、と見ることができる。 よって、今 とすると、
(16)
同様に、 は によって行を並べ変えたものであるから、 の項は、(5) の和の
(17)
この (15), (16), (17) の 24 個の順列がちゃんと を構成していることを確認してみる。
これと同様に考て一般の に拡張できる。 まず、4 次と同様の斜めの積によって、 巡回順列とその反転
そして、行の入れ替えは、
(18)
この それぞれに対して斜めの積を作れば、それにより順列
つまり、行の入れ換えは (要素数 個) の順列に従って 行えば良いことがわかるが、 この は巡回による構成的な表現で与えられているので、 行の入れ替えの作業には便利な形にもなっている。
例えば、 の場合、
同様に の場合は、下 3 行の巡回 (3 通り)、 それに続く下 4 行の巡回 (4 通り)、そしてそれに続く下 5 行の巡回 (5 通り) による 面を作り、 そのそれぞれで斜めの積による 12 項を作ればすべての順列に対応する項 項ができ上がる。
実際にこれを実行するのはかなり大変であるが、 原理的にはこれですべての順列に対応する項を生成できることになる。
竹野茂治@新潟工科大学