6 例
最後に、交代行列の標準形への変形の例を示す。
の交代行列は そのものなので、 の交代行列の一般形
から考える。
となるので、固有値は
となる。 なら な
ので とする。
さらに、
ならば、 なので、 は
の標準形そのものの形なので、 の場合を考える。
に対する単位固有ベクトルが、
であることは容易に確認できる。
また、
の固有ベクトル
は
少し面倒だが、
となり、
と
分けると、
となるので、
となる。この
,
,
が
互いに垂直な単位ベクトルとなり、
となるので、
に
より、
となる。
の場合も少し見ておく。交代行列の一般形は
で、 は
となる。
とすると、
で、 の判別式は、
であり、
シュワルツの不等式
より
となり、 となるのは
かつ
のとき、すなわち
のとき。
また、放物線 の軸は負で なので、 の解は
2 つとも 0 以下となる。よって場合分けすれば以下のようになる。
-
かつ
ならば
の解は () となり、
固有値は
となる。
よって標準形は , で表される。
-
かつ
ならば は重解 () を持つので、
固有値は
(重解) となる。
標準形は が 2 つ並ぶ形となる。
この場合、
に対する固有空間の次元は
それぞれ 2 となり、垂直な固有ベクトルが 2 つずつ取れることになる。
-
かつ
ならば、
固有値は (重解),
と
なる。標準形は
と 0, 0 が
並ぶものとなる。
-
ならば、
で、
この場合は となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2024-03-28