4 おわりに

「水平線」を、海と空との境目、と考えている人も中には いるようであるが、 本来は「水平線」とは、地球が丸いために、あるところの水面より向こうの物体が その水面より下に隠れてしまって、よってその水面が他の物体に邪魔されずに 横に真っすぐのびた線として見える状態、を指している言葉だろうと思う。 よって、佐渡島や琵琶湖のように、水平線の上に陸が見えてもおかしくはない 景色はあちこちにある3

我々は、70 m 程の高さからでないと佐渡の海岸が見えない、 ということがわかったことになるが、これは逆に考えれば、 我々が新潟の海岸から見ている佐渡は、佐渡の 70 m 以上の高さの景色である、 ということも意味している。

しかし、冬場などには、ごくわずかであるが蜃気楼が起きて、 佐渡島の端が水平線よりも上に (空中に) 浮いて見えることもあるので、 そのような場合は、もしかしたら佐渡の海岸近くも見えているのかもしれない。

竹野茂治@新潟工科大学
2006年12月25日