2 指数関数
まずは、指数関数の導関数の公式
から考える。
(, ) とすると、
のグラフの での傾きは である。
今
とすると、
のグラフは のグラフを 方向に 倍したものだから の での傾き は
|
(4) |
となる。一方、指数関数の性質により、
|
(5) |
であるから、
は を 方向に だけ平行移動したものとなり、
の でのグラフの傾き は、
の でのグラフの傾き に等しいことになる (図 1)。
図 1:
のグラフと傾き
|
よって、(4) と により
がわかり、 は任意なので、
|
(6) |
が得られる。あとは の値を決定すればよい。
この の値は によって変わるが、
|
(7) |
という形で を定義すれば、
(6) から (2) が得られることになる。
この (7) は、高校の教科書での通常の の定義
|
(8) |
とは異なるが、(7) は極限で書けば
|
(9) |
となり、これは のみが持つ性質であるから、
(7) による定義でも (8) と
同じものが得られることが保証される。
ちなみに、(7) のような の定義の仕方は、
現在私が使用している教科書 [1] でも採用している方法である。
一般の の場合は、 とすると、
より も指数関数であり、そのグラフは のグラフを 方向に 倍したものなので、
での傾きは になり、
よって (7) により であることがわかる。
よって、 より
となるので、
これを (6) に代入すれば (3) が
得られる。
竹野茂治@新潟工科大学
2017年4月11日