8 未定係数法
最後に、未定係数法を用いた計算を紹介する。
これまでの計算からもわかるように、
fk
, gk
は cos t
, sin t
の tj
倍の和の形で表される。
より詳しくは、[2] で紹介したように、
[tkcos t] = , [tksin t] =
|
(22) |
であり、これらの分子はそれぞれ (k + 1)
次式、k
次式で、
ひとつおきの次数の項しか現れない。よって特に
- 奇関数
t2msin t
,
t2m-1cos t
のラプラス変換は偶関数
- 偶関数
t2mcos t
,
t2m-1sin t
のラプラス変換は奇関数
となる。よって、fk
, gk
は以下のような形に表されることがわかる:
|
= |
[a2mt2msin t + a2m-1t2m-1cos t + ... + a0sin t], |
|
|
= |
[b2m-1t2m-1cos t + b2m-2t2m-2sin t + ... + b0sin t], |
|
|
= |
[c2mt2mcos t + c2m-1t2m-1sin t + ... + c0cos t], |
|
|
= |
[d2m-1t2m-1sin t + d2m-2t2m-2cos t + ... + d0cos t] |
|
未定係数法は、これを利用して aj
, bj
等を未定係数として
代入と比較によりその係数を求める、という方法である。
これなら漸化式のように順に求める必要はなく、fk
, gk
を直接求められる。
例として f4
を考えてみる。
[f4] |
= |
= [a4t4sin t + a3t3cos t + a2t2sin t + a1t cos t + a0sin t] |
|
|
= |
a4 + a3 + a2 + a1 |
|
|
|
+ a0 |
|
|
= |
+ + |
|
|
|
+ + |
|
ここで、Y = s2 + 1
とすると、
|
= |
+ |
|
|
|
+ + + |
|
|
= |
24a4 - + +6a3 - + +2a2 - |
|
|
|
+ a1 - + |
|
|
= |
+ + + |
|
|
|
+ |
|
となるので、この両辺の係数を比較して、
|
(23) |
が得られ、この連立方程式を解けば、
a4 |
= |
, |
|
a3 |
= |
10a4 = , |
|
a2 |
= |
15a4 -6a3 = - = - , |
|
a1 |
= |
3a3 +3a2 = - = - , |
|
a0 |
= |
- a1 = |
|
となるので、よって、
f4 |
= |
sin t + cos t - sin t - cos t + sin t |
|
|
= |
(t4sin t + 10t3cos t - 45t2sin t - 105t cos t + 105 sin t) |
|
となる。
最後の連立方程式 (23) は、
5 本の方程式なので大変そうに見えるが、
実際には上から順に一つずつ未知数が求まっていくし、
下に行っても未知数の数がそれほど増えないので、
それほど大変ではない。
しかし、そこに至るまでの計算量が多少あるので、
7 節の (13) の計算に比べると、
やや計算量が多いように思う。
竹野茂治@新潟工科大学
2008年3月26日