k 1 に対して
であるので、これをラプラス変換すると
(tksin t)' = ktk-1sin t + tkcos t
となる。この左辺は、(10) により、
[(tksin t)'] = k[tk-1sin t] + [tkcos t]
となるので、よって
[(tksin t)'] = s[tksin t] - 0 = sFk
が成り立つ。同様に、
sFk = kFk-1 + Gk (k 1) (10)
より、
(tkcos t)' = ktk-1cos t - tksin t
が成り立つので、(11), (12) より
sGk = kGk-1 - Fk (k 1) (11)
となり、よって
= k
が得られる。今、 Uk = t(Fk, Gk) とし、右辺の行列を A とすると この行列は k にはよらず、
=
となるので、
Uk = AUk-1 (12)
となる。ここで、U0 は
Uk = AUk-1 = A2Uk-2 = ... = AkU0
なので、よって
U0 =
となり、この行列のベキを計算すれば Fk , Gk が求まることになる。 ただし、これもやはり順番に計算しないといけないので、 それほど楽ではない。
= (13)
とすれば、係数に k の含まれない漸化式
= = Uk
が得られる。ここで、いわゆるケーリー・ハミルントンの関係式より
= A (k 1)
が成り立つので、k 2 に対し、
A2 = (a + d )A - (ad - bc)E = 2sA - (s2 + 1)E
が得られる。 この最後の式は、行列計算を必要としない 3 項漸化式となっていて、
= A2 = 2sA - (s2 +1)E = 2s - (s2 +1)
を意味する。この式と初期値
= 2s - (s2 +1), = 2s - (s2 +1) (14)
から順に , を求めることができる。 例えば F5 を計算してみると、
(,) = (1, s), (,) = (2s, s2 - 1) (15)
= | 2s - (s2 +1) = 4s2 - (s2 +1) = 3s2 - 1, | ||
= | 2s - (s2 +1) = 2s(3s2 -1) - 2s(s2 +1) = 2s(2s2 - 2), | ||
= | 2s - (s2 +1) = 8s2(s2 -1) - (s2 +1)(3s2 -1) = 5s4 -10s2 + 1, | ||
= | 2s - (s2 +1) = 2s(5s4 -10s2 +1) - 4s(s2 +1)(s2 - 1) | ||
= | 2s(3s4 -10s2 + 3) |
となることになる。 ただし、(14) の行列計算と比べて、 それほど簡単であるともいい難い。
F5 = =
竹野茂治@新潟工科大学