の台, すなわち が 0 でない集合の閉包 ( ) を含む, 最小の三角領域を とすると, その台は点 を含む.であるが, ここは標準的な方法でよいので本稿では省略する. なお, その部分は, DiPerna[3] の漸近エントロピー対を 使用する方法よりも, Lions-Perthame-Souganidis[4] による 核エントロピー対を利用する方法の方がスマートである. 詳しくは参考文献[9] を参照.
また, 本節では断わらない限り は固定して考えるので, は とも略記する ( は 毎に 決まる値). そして での積分において, 本節では被積分関数は, , ではなく , を変数とする関数と見て考える.
本稿では, 後半部分, すなわち の台が のみである, ということを示す部分についての改良を行う. この後半部分では, 3 節で紹介した Darboux エントロピー対, 核エントロピー対から, (1) の左辺に表われる以下のような の式を主に考える.
また, () の を に変えたものを とする.DiPerna[3], Ding-Chen-Luo[2] は, , を から取り, 強い制限を与えることで, , , が有界で, を示すことで を示すのであるが, むしろ次の関係式を用いることでその議論を易しくし, , の制限を緩くすることができる.
また, は, または では 0 であり, の台は に含まれるので, か ならば の台と の台は 交わらないので となる.
そして, の台は点 を含み, の場合は では なので となる こともわかる.
最後に の連続性であるが, は で有界で に関して連続なので, Lebesgue 収束定理により の 連続性も成り立つ.
竹野茂治@新潟工科大学