100.6 範囲 (ranges)

このセクションでは、コマンド plot, splot の一番最初の項目として書 く、軸の範囲のオプションについてのみ説明します。これを指定すると、その 範囲は、それ以前のどの set range による範囲の制限よりも優先して扱わ れます。コマンド plot の別な場所に指定する、個々の描画要素の範囲の制 限ためのオプションについては以下参照: sampling (100.7)

書式:


     [{<dummy-var>=}{{<min>}:{<max>}}]
     [{{<min>}:{<max>}}]

1 つ目の形式の範囲指定は独立変数の範囲 (xrange、または媒介変数モード での trange) 用で、2 つ目の形式は従属変数の範囲用です。オプションの <dummy-var> で独立変数の新しい名前を利用できます (デフォルトの変数名は set dummy で変更できます)。

媒介変数モード (parametric) でなければ、範囲指定は以下の順に与えなけれ ばいけません:


     plot [<xrange>][<yrange>][<x2range>][<y2range>] ...

媒介変数モード (parametric) では、範囲指定は以下の順に与えなければいけ ません:


     plot [<trange>][<xrange>][<yrange>][<x2range>][<y2range>] ...

以下の plot コマンドは、trange を [-pi:pi], xrange を [-1.3:1.3], yrange を [-1:1] に設定する例です:


     plot [-pi:pi] [-1.3:1.3] [-1:1] sin(t),t**2

* は、min (最小値) や max (最大値) に自動範囲指定 (autoscale) の機能 を使うことを可能にします。指定順番のためだけに必要な範囲指定には、空の 範囲 [] を使ってください。

plotsplot のコマンド行で指定された範囲はそのグラフ一つにのみ影 響を及ぼします。よって、その後のグラフのデフォルトの範囲を変更するには set xrangeset yrange を使用してください。

リンクされた軸に対しては、plot コマンドでの一時的な範囲指定の使用は、 期待する結果を生まないかもしれません (以下参照: set link (113.42))。

時間データに対しては、範囲は、データファイルから読み込むのに使用するの と同じ書式で、引用符で囲んで指定する必要があります。以下参照: set timefmt (113.96)

例:

以下は現在の範囲を使用します:


     plot cos(x)

以下は x の範囲のみの指定です:


     plot [-10:30] sin(pi*x)/(pi*x)

以下は上と同じですが、仮変数として t を使います:


     plot [t = -10 :30]  sin(pi*t)/(pi*t)

以下は x と y の両方の範囲の指定です:


     plot [-pi:pi] [-3:3]  tan(x), 1/x

以下は、y の範囲のみの指定です:


     plot [ ] [-2:sin(5)*-8] sin(x)**besj0(x)

以下は x の最大値と y の最小値のみの指定です。


     plot [:200] [-pi:]  $mydata using 1:2

以下は x の範囲を時系列データとして指定しています:


     set timefmt "%d/%m/%y %H:%M"
     plot ["1/6/93 12:00":"5/6/93 12:00"] 'timedata.dat'

竹野茂治@新潟工科大学
2024-12-02