Gnuplot FAQ この文書では、2007 年 3 月にリリースされた gnuplot の正式最新版である version 4.2 を取り扱っています。 この文書のバージョンは $Revision: 1.33 $, $Date: 2007/04/09 15:58:09 $ です。 目次 ・ 0 メタな質問 □ 0.1 このドキュメントはどこで手に入れられますか □ 0.2 このドキュメントに関するコメントはどこに送れば良いですか ・ 1 一般的な質問 □ 1.1 gnuplot とは何ですか □ 1.2 それはどこから来て、そしてなぜ gnuplot と呼ばれているのですか □ 1.3 gnuplot は何を提供してくれますか □ 1.4 gnuplot はスクリプトに適していますか □ 1.5 gnuplot は私のコンピュータで動かすことができますか □ 1.6 ライセンスについて □ 1.7 gnuplot は FSF や GNU プロジェクトと何か関係があるのですか □ 1.8 更なる情報はどこで手に入りますか ・ 2 インストール □ 2.1 gnuplot の最新バージョンは ? □ 2.2 gnuplot はどこで手に入れられますか □ 2.3 gnuplot の最新の開発版はどこで手に入れられますか □ 2.4 gnuplot は私のシステムではどうコンパイルすれば良いですか □ 2.5 ドキュメントはどこですか、そしてそれをどう手に入れられますか □ 2.6 動作するサンプル □ 2.7 どうしたら gnuplot を修正、またはパッチを当てられますか ・ 3 動作 (Working with it) □ 3.1 ヘルプはどうやって手に入れられますか □ 3.2 どうやったらグラフをプリントアウトできますか □ 3.3 どうやったらグラフをワープロソフトに取り込めますか □ 3.4 どうやったら gnuplot のグラフを編集や後処理できますか □ 3.5 どうやったら記号の大きさや線の太さなどを変更できますか □ 3.6 どうやったら GIF フォーマットの画像を作れますか □ 3.7 グラフをアニメーション化できますか □ 3.8 どうやったら陰関数のグラフが書けますか □ 3.9 2 つの曲線間の領域を塗りつぶすには □ 3.10 pm3d によるデータファイルの splot で何も表示されません □ 3.11 (色) 地図グラフ、すなわち 3 次元データの 2 次元射影を描画するには □ 3.12 pm3d 色地図/曲面上に dots/points の散布図を重ねるには □ 3.13 黒の等高線描画、またはラベルつきの等高線を描画するには □ 3.14 pm3d 色地図/曲面グラフに等高線を重ねるには □ 3.15 pm3d による色つきの多面体描画は □ 3.16 色地図をモノクロのプリンタでもちゃんと印字するようなパレットは ・ 4 欲しい機能 (Wanted features) □ 4.1 gnuplot 3.7, 4.0, 4.2 等で新しくなったことは □ 4.2 gnuplot は画像フォーマット用のドライバをサポートしていますか □ 4.3 gnuplot は隠線処理できますか □ 4.4 gnuplot は棒グラフ/ヒストグラム/箱型グラフが書けますか □ 4.5 gnuplot は円グラフが書けますか □ 4.6 gnuplot は四半期チャートが書けますか □ 4.7 一つのページに複数のグラフが書けますか □ 4.8 gnuplot は一つのグラフで複数の y 軸を使えますか □ 4.9 一つのファイルに gnuplot のコマンドとデータの両方を書けますか □ 4.10 ラベルにギリシャ文字や上/下付きの文字を使えますか □ 4.11 どうしたらアクセント付きの文字を出力できますか □ 4.12 縦と横の軸を 1:1 にできますか □ 4.13 異なるサイズのテキストを一つのグラフで出力できますか □ 4.14 どうしたらデータ点をスキップできますか □ 4.15 どうしたら n 点毎にデータを扱えますか □ 4.16 どうしたら鉛直線を書けますか □ 4.17 どうしたらデータファイルを描画できますか □ 4.18 どうしたら multiplot の描画を replot できますか ・ 5 その他 □ 5.1 バグを見つけたのですがどうしたら良いですか □ 5.2 私のプログラムで gnuplot のルーチンを利用できますか □ 5.3 どう追加や拡張がなされていますか、それはどう手に入れられますか □ 5.4 積分や FFT や IIR フィルタなどが欲しいのですが □ 5.5 "heavy-duty" データを gnuplot で使えますか、または gnuplot に変わる ものはないですか □ 5.6 私の対話型ターミナルではマウスが効きません □ 5.7 私の対話型ターミナルでどのようにホットキーを使えばいいですか □ 5.8 gnuplot を他のシステムに移植、またはパッチを作りました。どうしたら いいですか □ 5.9 gnuplot の次期バージョンの開発について知りたいのですがどうしたらい いですか □ 5.10 FAQ に含まれるような未解決の質問は ? ・ 6 うまく扱うには (Making life easier) □ 6.1 どうしたら 2 つの関数を重ならないように書けますか □ 6.2 どうしたら描画前にデータにフィルタをかけられますか □ 6.3 どうしたら gnuplot の画像を楽に L^ATEX で扱えますか □ 6.4 どうしたら設定を保存/再利用できますか □ 6.5 どうしたら splot で曲線 (格子でない) を書けますか □ 6.6 どうしたら x-y 平面上で他の関数に制限されている f(x,y) のグラフを書 けますか □ 6.7 どうしたら描画の設定を無効にできますか □ 6.8 どうしたらプログラムから gnuplot を呼び出せますか □ 6.9 Planck 定数 (h に横線) が必要なときはどうしたらいいですか □ 6.10 太陽のような数学記号 (丸に点) が必要なときはどうしたらいいですか □ 6.11 全く何もないページを出力するには ・ 7 共通の問題 □ 7.1 助けて! 私のフォントが使えない。 □ 7.2 X11 で gnuplot がどんな点も描画しません。どうしたらいいですか □ 7.3 なぜ gnuplot はとても小さい数字のデータを無視するのですか □ 7.4 コマンドラインから 'gnuplot filename.gp' としても何も表示してくれま せん □ 7.5 書いた式 (1/3 など) が意味のない結果を出力してしまいます □ 7.6 set output 'ファイル名' が何も出力してくれません □ 7.7 L^ATEX-terminal の出力は L^ATEX の実行でエラーが出ます □ 7.8 ドキュメントにある URL にはデモやサンプルが見つかりません □ 7.9 パイプで gnuplot を呼び出したり gnuplot スクリプトを使ってグラフが 書けません ・ 8 帰属 0 メタな質問 0.1 このドキュメントはどこで手に入れられますか このドキュメントの最新版は http://www.gnuplot.info/faq/ の Web 上にあります。 この文書は、ニュースグループ ~comp.graphics.apps.gnuplot にも時々投稿されてい ました/います。 0.2 このドキュメントに関するコメントはどこに送れば良いですか コメント、提案等は電子メールで開発者向けメーリングリスト gnuplot-beta@lists.sourceforge.net に送ってください。 faq.tex に関する提案をお 寄せください。このファイルは http://cvs.sourceforge.net/viewcvs.py/gnuplot/faq/ にあります。 1 一般的な質問 1.1 gnuplot とは何ですか gnuplot はコマンド駆動型の対話型関数描画プログラムです。関数の描画、およびデー タ点の描画を 2 次元、3 次元の両方で、様々な異なる書式で行うことができます。これ は主に科学的なデータを画面表示するものとして設計されています。 gnuplot の著作権 は保護されていますが、自由に配布でき、代金を払う必要はありません。 1.2 それはどこから来て、そしてなぜ gnuplot と呼ばれているのですか gnuplot の作者は Thomas Williams, Colin Kelley, Russell Lang, Dave Kotz, John Campbell, Gershon Elber, Alexander Woo、そして多くの協力者です。 以下は Thomas Williams によります: 私は微分方程式の講義を、そして Colin は電磁気学の講義を取っていて、 2 人と もそれらに関する数学が視覚化できればなあと考えていました。私達はある EE (Engineering Electronics) VLSI 研のシステム管理者として働いていて、そして、 グラフィック端末とコーディングを行なう時間がありました。その投稿は我々の期 待以上に良く受け入れられ、そして、不完全でしたが、ファイルデータに関するい くつかのサポートに我々を駆り立てました。 GNUplot という紹介はどんなものも正しくはありません。このプログラムの本当の 名前は "gnuplot" です。ずいぶんと "Gnuplot" と書かれているのを見るでしょう が、それは我々の大半が、固有名詞やタイトルであっても、文章を小文字で開始す ることに嫌悪を持っているからです。 gnuplot は GNU プロジェクトや FSF とは、 極わずかの意味を除けば少しも関係ありません。我々のソフトウェアは完全に独立 にデザインされたもので、そして "gnuplot" という名前は実は妥協によるものです 。私は "llamaplot" と呼びたかったし、 Colin は "nplot" と呼びたかったのです 。そして、我々は "newplot" がいいだろうということで合意しましたが、しかしそ のときその名前を持つ、絶対的におぞましい Pascal のプログラムを計算機科学部 でたまに使っていることを知りました。それで私は "gnuplot" がいいごろ合わせに なるとして、後で Colin もそれに同意したのです。 1.3 gnuplot は何を提供してくれますか ・ 2 次元での関数やデータの、たくさんのスタイル (点、折れ線、誤差表示) による 描画 ・ 3 次元でのデータや曲面のたくさんのスタイル (等高線描画、網かけ) による描画 ・ 整数、実数、複素数での代数演算 ・ 関数定義、ホットキー定義が可能 ・ 多くのオペレーティングシステム、多くのグラフィックファイル形式出力、そして 多くの出力装置のサポート ・ 広範囲にわたるオンラインヘルプ ・ ラベル、タイトル、軸、データ点への TEX ライクな書式による見出し付け ・ 対話型入力形式のエディット機能とヒストリ (履歴) 機能のサポート (多くのプラ ットホーム上で) 1.4 gnuplot はスクリプトに適していますか ええ。gnuplot は対話型実行中に追加コマンドを含むファイルを読み込むことができま すし、既に存在するファイルや標準入力からのコマンド列をパイプを使ってバッチモー ドでそれを処理することもできます。 gnuplot は、Octave のような高水準な数学パッ ケージの背後で実行するグラフィックドライバとして使われていますし、 cgi スクリプ トでラップすることで容易に Web 起動型の描画生成ツールとして使うこともできます。 1.5 gnuplot は私のコンピュータで動かすことができますか gnuplot は多くのプラットホーム上で利用可能です。現在は UNIX (X11 および NeXTSTEP)、VAX/VMS, OS/2, MS-DOS, Amiga, MS-Windows, OS-9/68k, Atari ST, BeOS, Macintosh で動作します。 他のプラットホームでも動くことを知っていたら、 FAQ のメンテナに教えてください。 gnuplot のソースは、標準的 (ANSI/ISO C, POSIX 等) な環境から多少外れたものの上 でもコンパイルできるでしょう。 1.6 ライセンスについて gnuplot はボランティアの集団によって作られたフリーウェアです。彼らは gnuplot、 およびその使用の許可、不許可に関する法的な文書を作成できません。また何の保証も ありません。自分自身の責任で使用してください。 以下は、R. Freund による数学関数のサブルーチンパッケージの README からの引用で す: 全ての意図、目的に関して、そのコードがやることに対する任意の記述はそのコー ドが我々のマシンの上で昨年のある火曜日にたまたま行なったことに対して我々が 考えたこと、と解釈されるべきです。もしついていればそのコードは貴方に対して もある日同じことをするでしょう。繰り返しますが「それ」をついているだけだと 本当に思えますか ? 1.7 gnuplot は FSF や GNU プロジェクトと何か関係があるのですか gnuplot は FSF が作ったのでも FSF がメンテナンスしているのでもありません。そし て GNU GPL (General Public License) に保護されてもいません。今では FSF から配布 されてもいますが、しかし、それは版権のためではありません。 gnuplot は、無償であると言う意味でフリーウェアです。しかし、あなたが改変したも のを自由に配布することが認められるか、ということに関してはフリーウェアではあり ません。配布物に含まれる Copyright というファイルを読んでそれを承認してください 。 1.8 更なる情報はどこで手に入りますか gnuplot Web ページ http://www.gnuplot.info と、その中で参照されているもの、特に gnuplot リンク http://gnuplot.sourceforge.net/links.html を見てください。 英語以外の他の言語での文書や入門書もあります。最新のリストについては、http:// gnuplot.sourceforge.net/help.html の "Localized learning pages about gnuplot" の節をご覧ください。 2 インストール 2.1 gnuplot の最新バージョンは ? gnuplot の最新の正式リリース版は 4.2 です。 2.2 gnuplot はどこで手に入れられますか 最も適する場所は http://www.gnuplot.info です。ここから他のサイトへの色んな助言 を見つけられるでしょう。 ソース配布物 ("gnuplot-4.2.0.tar.gz" または同様の名前) は公式の配布サイトやその ミラーサイトにあります。 大本のサーバサイトは ftp.gnuplot.info の /pub/gnuplot/ です。このサーバは他のサ イトでミラーされていて例えば以下がそうです: ・ mirror.aarnet.edu.au の /pub/gnuplot/ ・ ftp.dartmouth.edu の /pub/gnuplot/ ・ ftp.irisa.fr の /pub/gnuplot/ ・ ftp.gnuplot.vt.edu の /pub/gnuplot/ 1999 年 6 月現在、gnuplot の配布物は CTAN (the Comprehensive TeX Archive Network) の graphics/gnuplot ディレクトリでもミラーリングされています。以下を参照してくださ い。 ・ http://www.ctan.org/ 以下のプラットフォーム別のサイトは今も一応はありますが、 gnuplot の実行ファイル は今も持っているかどうかは分かりません。 ・ Amiga 用のソース、およびバイナリ配布物は Aminet ftp.wustl.edu の aminet/ およびそのミラーサイト、例えば ftp.uni-kl.de, oes.orst.edu, ftp.luth.se な どにあります。 ・ MS-DOS と MS-Windows 用のバイナリは上記のサーバにある gp37dos.zip, gp37dj.zip, gp37w16.zip, gp37mgw.zip, gnuplot3.7cyg.zip がそうです。OS/2 の バイナリは gp37os2.zip です。 ・ NeXTSTEP のフロントエンドは next-ftp.peak.org の /pub/next/binaries/ plotting/Gnuplot1.2_bin.tar.Z がそれです (訳注: 現在 (03/14 2005) は next-ftp.peak.org の /next/apps/graphics/plotting/Gnuplot1.2.bin.tar.gz の よう)。 ・ OS-9/68K 用は cabrales.cs.wisc.edu の /pub/OSK/GRAPHICS/gnuplot32x.tar.Z で す (訳注: 現在 (03/14 2005) はこのサイトはないようです)。それは X-Windows Systems 用のものとそうでないものの両方を含んでいます。 ・ Atari ST, TT 用の、多少 GEM ウィンドウをサポートしている版は ftp.uni-kl.de の /pub/atari/graphics/ に gplt35st.zip, gplt35tt.zip としてあります (訳注: 現在 (03/14 2005) ここにはないようです)。これらは MiNT 上でちゃんと動きます 。 X680x0 用の実行ファイルと日本語のドキュメントが ftp.csis.oita-u.ac.jp の / pub/x68k/fj.binaries.x68000/vol2 に存在します (訳注: 現在 (03/14 2005) はな いようです)。 2.3 gnuplot の最新の開発版はどこで手に入れられますか gnuplot の開発版は、cvs ソースツリーの形で、オンラインで直接 http:// www.sourceforge.net/projects/gnuplot/ の "CVS" セクションから参照できます。そこ に含まれているドキュメントに従って、例えば、以下のようなコマンド列によって最新 のソースをすべてダウンロードすることもできます。 cvs -d:pserver:anonymous@cvs.sourceforge.net:/cvsroot/gnuplot login cvs -z3 -d:pserver:anonymous@cvs.sourceforge.net:/cvsroot/gnuplot co -P gnuplot または (bash では) export CVSROOT=:pserver:anonymous@cvs.sourceforge.net:/cvsroot/gnuplot cvs login cvs -z3 checkout gnuplot その後、gnuplot のコンパイルの段階の ./configure の前に、 ./prepare を実行して 最新の configure 用のファイルを作成する必要があります。 公式の gnuplot の開発版の暫定的なバイナリリリースはありませんので、自分自身でコ ンパイルする必要があります。しかし、OS/2, Windows, Macintosh などのいくつかのプ ラットフォーム用の非公式なバイナリ版はどこかに見つかるかも知れません。 重要な注意: 開発版に対する質問は必ず gnuplot-beta@lists.sourceforge.net に送っ てください。 2.4 gnuplot は私のシステムではどうコンパイルすれば良いですか 他のソフトのインストールと同様です。README.1ST と README ファイルを読んでくださ い。 ・ Unix では、./configure (単一ユーザのインストールならば ./configure -prefix=$HOME/usr) を使い、make を実行し、最後に make install または make install-strip とします。後者はデバッグ情報を除いた、より小さな 実行ファイルをインストールします。 RPM パッケージを作りたいなら、最後のステ ップを checkinstall かまたは checkinstall make install-strip で置き換えます が、あなたのマシンで checkinstall パッケージをサポートしている必要がありま す。 ・ DOS では、bash か DJGPP を使っているなら djconfig.sh を実行するだけです。 ・ 他のプラットフォームでは、適切な makefile (例えば OS/2 なら makefile.os2, Windows なら makefile.mgw か makefile.cyg 等) を config/ ディレクトリから src/ にコピーして、 make を実行してください。 2.5 ドキュメントはどこですか、そしてそれをどう手に入れられますか ドキュメントはソース配布物に含まれています。サブディレクトリ docs を見てくださ い。そこには ・ Unix man ページ (gnuplot をどう動かすか書いてある) ・ ヘルプファイル (マニュアルとしても印刷可能) ・ gnuplot の使い方チュートリアル (L^ATEX で記述) ・ gnuplot の使い方の早見表 (クイックリファレンス; TEX で記述) もしあなたのシステムに L^ATEX がインストールされていれば、ドキュメントはインス トール時に自動的に生成されます。 docs と tutorial ディレクトリの中を見てくださ い。サブディレクトリ docs の中で make pdf とすることで、見る/印刷するためのハイ パーテキストファイル gnuplot.pdf が用意されます。 http://gnuplot.sourceforge.net/documentation.html に、 gnuplot のオンラインドキ ュメントがあります。 (古い ?) ドキュメントの PostScript 版は ftp.gnuplot.info の /pub/gnuplot から ftp で入手できます。 manual.ps.Z, tutorial.ps.Z がそれです。 gnuplot に関するド キュメントは、gnuplot の配布サイトの gpdoc.zip, gpdoc2.zip というファイルの中に あります。 2.6 動作するサンプル ソース配布物には動作するサンプルのディレクトリが含まれています。これらサンプル 、およびその結果の描画グラフは http://gnuplot.sourceforge.net/demo/ でも見るこ とができます。 2.7 どうしたら gnuplot を修正、またはパッチを当てられますか このためには gnuplot をコンパイルし直す必要があります。 様々な人々が作った修正は、出力ドライバのようなファイルを置き換えることで行なう か、または 'パッチ当て' で行ないます。ファイルの置き換えの場合、それ用の README ファイル、またはそのファイルの最初の行に何か情報があるかも知れません。 パッチを当てる場合は、patch ユーティリティが必要で、もしかしたら automake, autoconf も必要かもしれません。多くの UNIX システムではこれらは既にインストール されているでしょう。もしそうでなければ、それらは GNU のソフトウェアが置かれてい る場所ならどこでも見つかるでしょう。パッチを適用する場合の典型的なやり方は patch -p0 plot [-6:6] sin(x) gnuplot> set terminal postscript Terminal type set to 'postscript' Options are 'landscape monochrome "Courier" 14' gnuplot> set output "sin.ps" gnuplot> replot gnuplot> set output # 出力先をデフォルトに戻す gnuplot> set terminal x11 # 出力形式をデフォルトに戻す gnuplot> ! lp -ops sin.ps # PS ファイルをプリントアウト (環境依存) request id is lprint-3433 (standard input) lp: printed file sin.ps on fg20.rz.uni-karlsruhe.de (5068 Byte) ! gnuplot> プラットフォームに依存しない出力形式の復帰は、コマンド set term push/pop によっ て以下のように行なえます。 gnuplot> set terminal postscript eps color lw 15 "Helvetica" 20 gnuplot> set out 'a.eps' gnuplot> replot gnuplot> set term pop set term pop コマンドは、その前に対応する set term push を実行していない場合は 、起動時の出力形式、例えば x11, pm, win 等に復帰します。 Microschrott Windows ではグラフウィンドウの左上隅をクリックするとそれを直接プリ ントアウトします。 3.3 どうやったらグラフをワープロソフトに取り込めますか 基本的に、グラフをそのワープロソフトが理解できる形式のファイルに保存すれば (set term と set output を使います。上を見てください) そのワープロソフトで読み込むこ とができるでしょう。後で正しいサイズに変換もできるという点でベクトル形式のフォ ーマット (PostScript, emf, svg, pdf, TEX, L^ATEX など) の方がいいでしょう。 細かいことはそのワープロソフトに依存します。 set term として使用できるファイル 形式のリストを見てください。 多くのワープロソフトは Encapsulated PostScript (EPS) のグラフを取り込めます。こ れは set terminal postscript eps [color] というコマンドで生成できます。注意しておき ますが、EPS ファイルのグラフの bounding box を調べ、修正するといいでしょう (手 動、あるいは gnuplot Web ページにある fixbb スクリプトによって)。いくつかの (大 抵の ?) ワープロソフトは、 EPS ファイルに含まれる実際の画像を表示しませんので、 表示イメージをあなた自身で追加する必要があります。その目的のためには、GSView ビ ューワ (OS/2, Windows, X11 用があります)、あるいはいくつかの Unix 上の ps ツー ルが使えます。注意しておきますが、表示用の画像は EPS ファイルのサイズを増大させ ます。 Tiff 6 パックビットを選択すれば最もその増加を押えることができます。 オフィス Windows アプリケーションには、 emf 出力形式で生成されるベクトル画像を 使用することができるものがあります (OpenOffice.org もそうです)。 OpenOffice.org は AutoCAD の dxf 形式も読みこむこともでき、 SVG 読み込みフィルタ http:// www.ipd.uni-karlsruhe.de/ hauma/svg-import/ によって SVG 形式も読み込むことがで きます。 TEX では、あなたがどのように dvi ファイルを印刷するかに依存します。もし dvips や dvi2ps を使うのであれば EPS が使えます。 emTeX (OS/2 や MS-DOS では普及して います) ならば emTeX 出力形式が、そうでなければ L^ATEX 出力形式が使え、それは picture 環境の図を生成します。 epslatex 出力形式も使えますが、これは画像部分と 文字部分を分離します。他にも、pslatex や pstex 出力形式、 metafont や metapost 出力形式などもあります。 pdftex や pdflatex で TEX の処理を行なう場合は、 png, jpeg, pdf 出力形式が使え ます。 postscript eps 出力形式を使ってそれを epstopdf で外部で pdf に変換するこ ともできます。他にも、epslatex 出力形式を使って、その後で上と同様に EPS 部分を pdf に変換する (TEX 部分は変換せずにおけます) という手もあります。 大抵のワープロソフトはビットマップ画像 (png, pbm 等) を取り込むことができますが 、この方法の短所は、そのグラフが gnuplot によって生成されたときのサイズによって その解像度が制限されてしまうことです。一般に、文書が最終的にプリントアウトされ る解像度よりもその解像度はかなり低くなります。 IBM OS/2, MacOS, Micro$oft Windows では、クリップボードを使えばその上でグラフを コピー、ペーストしてワープロソフトに取り込むことができるでしょう。 mif 出力形式は FrameMaker 用の出力を生成します。 3.4 どうやったら gnuplot のグラフを編集や後処理できますか これはあなたが使う出力形式に依存します。 ・ X11 ツールキット: fig 出力形式を使って、その後でその描画を編集するために描 画プログラム xfig を使えばいいでしょう。 xfig プログラムはその Web サイト http://www.xfig.org から入手できます。 fig に使われるテキストフォーマットに 関する、より詳しい情報についてはその fig パッケージに含まれています。 tgif 出力形式を使うこともできます。これは X11 で動く対話型 2 次元描画ツール tgif (http://bourbon.cs.umd.edu:8001/tgif/) に読ませるのに適した出力を生成 します。 ・ svg 出力形式 (scalable vector graphics) を使うこともできます。これは Inkscape (http://www.inkscape.org), Sodipodi (http:// sodipodi.sourceforge.net), Sketch (http://sketch.sourceforge.net), Dia ( http://www.lysator.liu.se/ alla/dia) のような svg エディタで更なる編集も行 なえますし、 OpenOffice.org (OO.o Draw プリミティブへの変換によって) の中に 取り込むこともできます。 ・ PostScript や PDF 出力は、Adobe Illustrator や Acrobat のようなツールで直接 編集できますし、 pstoedit パッケージで他の色々な編集可能なベクトル形式に変 換することも可能です。 pstoedit は http://www.pstoedit.net にあります。 ・ mif 出力形式は FrameMaker で編集できる文書を生成します。 ・ DXF 出力形式は AutoCAD の書式で、他のいくつかのアプリケーションでも編集でき ます。 ・ ビットマップ形式の画像 (png, jpeg, pbm 等) は ImageMagick や Gimp の様なツ ールで編集することができます。一般に、ベクトルグラフィック形式の後処理を行 なうにはベクトルグラフィックプログラム (ドロー系ツール) を、ピクセル画像に はピクセル画像系のプログラム (ペイント系ツール) を使う必要があります。 3.5 どうやったら記号の大きさや線の太さなどを変更できますか gnuplot は、例えば色や太さや点の形などの、線や点の色々な属性を設定するための様 々なコマンドを提供しています。コマンド test は、現在選択されている出力形式用の 、利用可能な定義済みの色、サイズ、形などの組合せを示すテストページを出力します 。 3.6 どうやったら GIF フォーマットの画像を作れますか GIF のサポートは外部のライブラリである libgd (http://www.libgd.org) で与えられ ています。古いバージョンの gd (バージョン 1.2 から 1.4 まで) は GIF 出力のみ生 成していましたが、バージョン 1.6 から 2.0.27 までは特許の問題で GIF 出力をサポ ートしていませんでした。しかし、バージョン 1.6 以降は PNG 出力をサポートし、 1.7 以降は JPEG 出力もサポートしています。 Boutell の gd ライブラリのバージョン 2.0.28 では GIF 出力を復活し、 2.0.29 では GIF アニメーションのサポートも追加さ れました。あなたの使用している gnuplot が gd ライブラリをリンクして作られたもの ならば、その版の gd ではいずれの形式 (GIF, PNG, JPEG) も含まれているので、それ らはいずれもサポートされています。 いずれにせよ、ある画像形式から他の形式へ変換するのも面倒ではありません。例えば PNG 出力を GIF に変換するには、コマンドラインから (例えば convert f.png f.gif や nconvert -out gif f.png など) でも、適当な GUI ツールからでもできるでしょう 。他にも、postscript (EPS) 画像として出力させ、それを ghostscript によって、例 えば convert -density 150 f.eps f.gif のようにして、あるいは gsview, gv, kghostview などの ghostscript ベースの GUI ツールによって GIF や PNG に変換する という手があります。 3.7 グラフをアニメーション化できますか 最初に、gnuplot の demo ディレクトリにある animate.dem を見てください。基本的に グラフのアニメーションは、適当なフォーマットの複数の描画の列で表現されます。 あなたの gnuplot が gd 2.0.29 以降 (直前の項参照) をリンクして作られたものであ れば、 gif 出力形式で直接アニメーション GIF 画像を作成できます。 そうでなければ、http://www.danbbs.dk/ dino/whirlgif にある whirlgif 3.04 という ツールを入手してください。それはランレングス圧縮された複数の GIF ファイルを読ん で、それらを最小のアニメーションファイルにまとめます。マニュアルや例は、その Web ページで参照できます。 また、小さなスクリプトを書いて gnuplot に複数の GIF ファイルを生成させることも できます。そして gifsicle (http://www.lcdf.org/ eddietwo/gifsicle) や gifmerge (http://the-labs.com/GIFMerge) のような他のアニメーション作成ツールを使うことも できます。 mpeg_encode を使えば mpeg フォーマットの動画像にまとめることもできるでしょう。 3.8 どうやったら陰関数のグラフが書けますか gnuplot では陰関数のグラフや曲線は直接は描画できません。しかし、次善の策はあり ます。 gnuplot> # 例: 次の行を適当な定義に置き換えてください。 gnuplot> f(x,y) = y - x**2 / tan(y) gnuplot> set contour base gnuplot> set cntrparam levels discrete 0.0 gnuplot> unset surface gnuplot> set table 'curve.dat' gnuplot> splot f(x,y) gnuplot> unset table gnuplot> plot 'curve.dat' w l その仕掛けは、曲面 z=f(x,y) の 1 本の等高線 z=0 を描き、その等高線のデータをフ ァイルにセーブすることにあります。 3.9 2 つの曲線間の領域を塗りつぶすには 2 つの与えられた曲線の間を塗りつぶす描画は、 parametric モードでの filledcurves closed による plot で行なえます。以下の例は、2 つの曲線 f(x) と g(x) に対する " 折り畳まれた (folded)" トリッキーなパラメータ t によるデモです: set parametric f(x)=cos(x) g(x)=sin(x) xmax=pi/4 set xrange [0:xmax] set trange [0:2*xmax] path(t) = ( t<= xmax ? f(t) : g(2*xmax-t) ) fold(t) = (t <=xmax ? t : 2*xmax - t) plot fold(t),path(t) with filledcurves closed 注意してもらいたいのですが、上の例は 2 つの曲線の間の領域を塗りつぶすものであっ て、不等式 g(x) splot " set pm3d explicit gnuplot> splot x with pm3d, x*y with points 3.13 黒の等高線描画、またはラベルつきの等高線を描画するには えっと、見つけるのは難しいかもしれませんが、それは実に簡単: unset clabel set contour both; set cntr levels 100 unset clabel unset surface splot x*y with line lt -1 pause -1 splot x*y with line palette 他のやり方としては、等高線を table 出力形式を利用して一時ファイルに書き出す手が あります: set contour base; set cntrparam levels 15; unset surface; set view map splot x*x+y*y; pause -1 set table 'contour.dat' replot unset table この後で、2 次元描画するには次のようにします。 reset plot 'contour.dat' with line -1 3 次元描画する場合は次のようにします。 reset # 1 行の空行を 2 行の空行に変換 !awk "NF<2{printf\"\n\"}{print}" contour1.dat splot 'contour1.dat' with line -1 質問 "pm3d 色地図/曲面グラフに等高線を重ねるには" も参照してください。 z の値による等高線のラベルは、適当な set label コマンドを自動的に生成してくれる 適当なスクリプトで実現できるでしょう。そのような一つが gnuplot スクリプトのペー ジ http://gnuplot.sourceforge.net/scripts/index.html#tricks-here にあります。 3.14 pm3d 色地図/曲面グラフに等高線を重ねるには これは、等高線を table 出力形式を利用して一時ファイルに書き出し、そしてそれを set contours を使わずに描画する必要があります。次の例は色地図グラフのデモですが 、曲面グラフの場合は set pm3d map を削除して set ticslevel 0 を入れます。 # 関数 x*x-y*y の等高線を一時ファイルに書き出す set contour base; set cntrparam level 20 unset surface set table 'contour.dat' splot x*x-y*y unset table # 1 行の空行を 2 行の空行に変換 !awk "NF<2{printf\"\n\"}{print}" contour1.dat # グラフの描画 reset set palette gray set palette gamma 2.5 set pm3d map set pm3d explicit splot x*x+y*y with pm3d, 'contour1.dat' with line lt -1 !rm contour.dat contour1.dat 最後のコマンドは 2 つの一時ファイルを削除します。 3.15 pm3d による色つきの多面体描画は 3 次元物体の面に色をつけて描画するには、ファイルを以下のような形式で作成すれば 可能です。 # 三角形 1 x0 y0 z0 x1 y1 z1 x2 y2 z2 x2 y2 z2 # 三角形 2 x y z ... 1 行の空行と 2 行の空行の位置に注意してください。 はオプションの色指定です 。 これを以下のようにして描画します (どちらかの splot で): set pm3d set style data pm3d splot 'facets.dat' splot 'facets_with_color.dat' using 1:2:3:4 曲面の線は、 set style data pm3d か、splot ... with pm3d で無効にできることに注 意してください。 上の例では、pm3d は三角形をそれぞれ独立な曲面として描画します。それらは、データ ファイル中に他のものが見つかったときにその後で一つの曲面に描かれます。重なる部 分は 2 次元射影では重なって描画されてしまいます gnuplot は 3 次元モデリングプログラムではなく、隠線処理ルーチンは点、線には適用 されますが、面には適用されません。面の集まりとしてのデータの処理なしには、影に 隠れる面を作ることはできません。 'hidden3d' アルゴリズムは、入力データを 2 つの 方法で使って実行されています: 一つは、曲面を構成する三角形 (格子点の四角形から 作られる) の集まりをセットアップすること、もう一つは端の集まりです。そしてその すべての端に対して、どの部分が他の面の後ろに隠れないのかをチェックし、そしてそ れらを描画しています。 結果として、 gnuplot は曲面や 3 次元の物体を仮想現実としては描画しません。これ は set pm3d map に対してはちゃんと働きますが、本当の 3 次元にしたいなら、多面体 データを VRML ファイルに変換するソフトを書く方がいいかもしれません。 3.16 色地図をモノクロのプリンタでもちゃんと印字するようなパレットは 例えば次のものがそれに該当すると思います: set palette rgbformulae -25,-24,-32 誰か検証してもらえませんか ? 4 欲しい機能 (Wanted features) 4.1 gnuplot 3.7, 4.0, 4.2 等で新しくなったことは ここに記すには多すぎます。ソース配布物に含まれるファイル NEWS、あるいは gnuplot のヘルプドキュメントの "New features" のセクションを参照してください。 4.2 gnuplot は画像フォーマット用のドライバをサポートしていますか インストール済の gnuplot が使用できるグラフィックドライバの一覧を見るには、 set term とタイプしてください。 通常の配布物には含まれていても、デフォルトでは使えないようになっているグラフィ ックドライバもあります。それらが使いたければ、gnuplot/src/term.h を修正してコン パイルし直す必要があります。 4.3 gnuplot は隠線処理できますか ええ。 4.4 gnuplot は棒グラフ/ヒストグラム/箱型グラフが書けますか gnuplot version 4.2 では、横並び型 (clustered) と積み上げ型 (stacked) のヒスト グラムスタイルが、別々のスタイル型としてサポートされています。 古いバージョンの gnuplot では棒グラフ用に with boxes スタイルが利用できます。棒 を塗りつぶすには、set style fill を使用してください。 Bernhard Reiter は fig 出 力形式の後処理用の AWK スクリプトを書きました。これは、古い版の gnuplot では有 用でしょう。 http://www.usf.uni-osnabrueck.de/ breiter/tools/gnuplot/ barchart.en.html を見てください。 4.5 gnuplot は円グラフが書けますか gnuplot ではそれはできません。しかし、以下を見てください。 http:// www.usf.uni-osnabrueck.de/ breiter/tools/piechart/piecharts.en.html 4.6 gnuplot は四半期チャートが書けますか gnuplot ではそれはできません。しかし、以下を見てください。 http:// ricardo.ecn.wfu.edu/ cottrell/qplot そのファイル qplot.zip は gnuplot の配布サ イトの contrib ディレクトリから取得できます。 4.7 一つのページに複数のグラフが書けますか はい。set multiplot としてください。 postscript terminal を使っていて、 1 ページに 1 つのグラフを出力している場合は mpage というプログラム (http://www.mesa.nl/pub/mpage) を使って複数の論理ページ を物理ページ 1 ページにまとめることが可能です。同様のプログラムに、psutils パッ ケージ内の psnup があります。そのパッケージは CTAN のミラーサイトにあります。 4.8 gnuplot は一つのグラフで複数の y 軸を使えますか はい。1 つの描画に対して 2 つの x 軸、2 つの y 軸が使えます。そのそれぞれの 2 つ目の軸は x2, y2 軸と呼ばれます。 help plot を参照してください。 4.9 一つのファイルに gnuplot のコマンドとデータの両方を書けますか これは plot "-" という新しい機能を使えば可能です。 plot "-" コマンドは描画する データを標準入力、または現在のバッチジョブから読み込みます。 gnuplot> plot "-" 1 1 2 4 3 9 e 4.10 ラベルにギリシャ文字や上/下付きの文字を使えますか いくつかの出力形式 (現在は、postscript, プレゼンテーションマネージャ (pm)、png, pdf, x11) の enhanced オプションで上付き下付きの文字が扱えます。その場合、暗に 使用しているあなたのシステムのフォントライブラリのサポートする範囲内で、ギリシ ャ文字や、symbol フォントの記号文字も扱えます。 2.0.15 までの版の libgd (png, jpeg 用に必要) では、 symbol フォントを使うためにはパッチが必要です。 L^ATEX 出力を行なう出力形式を使って "\\alpha_{3}" や '\alpha_{3}' のようにして みてください。 gnuplot のグラフを L^ATEX の文書に張り込む場合には、 L^ATEX パッ ケージの psfrag を使えばグラフ内で任意の文字を使うことができます。 もう一つの可能性は MetaPost 出力です。それは TEX の表記法をサポートし、 mpost によって encapsulated PostScript (EPS) に変換します。 4.11 どうしたらアクセント付きの文字を出力できますか u: (u ウムラウト; u の上に点 2 つのアクセント) や n のような文字をラベルに含め るには、適切なエンコードオプションを設定し、 8bit 文字コードを使用しなければい けません。例えば次のようにします。 gnuplot> set encoding iso_8859_1 gnuplot> set title "M\374nchner Bierverbrauch \374ber die Jahre" gnuplot> plot "bier.dat" u 1:2 これにより、適切な set encoding により、チェコ語、仏語、ハンガリー語、露語など のラベルを打ち出すことができます。しかし、2 種類のエンコード (例えば西ラテンエ ンコードと東ラテンエンコード) を一つのファイルに混ぜることはできません。 UTF-8 エンコーディングフォントを使うためのより一般的なやり方は、 gnuplot 内で直 接 UTF-8 の文字を入力することです。これは多くの出力形式で動作しますが、残念なが ら PostScript ではだめです。 4.12 縦と横の軸を 1:1 にできますか set size square を使ってください。 4.13 異なるサイズのテキストを一つのグラフで出力できますか 可能な出力形式もありますし、そうでないものもあります。描画全体のフォントサイズ を選択できるようなものもあります。 "enhanced text" モードをサポートしている出力 形式 (postscript, pm, x11, png, pdf など) では描画内でテキストサイズとフォント の変更が行なえます。それぞれの出力形式のヘルプを参照してください。 4.14 どうしたらデータ点をスキップできますか 以下のようにデータ値として ? を指定すればできます。 1 2 2 3 3 ? 4 5 set missing も参照してください。データファイルのコメント文字を指定するには、 set datafile commentschars を参照してください。 4.15 どうしたら n 点毎にデータを扱えますか これは、例えば plot 'a.dat' every 2 のように、 plot コマンドに色々なオプション を指定することでできます。 4.16 どうしたら鉛直線を書けますか 状況によりますが、主な方法は以下の通りです: ・ set arrow .... .... nohead この場合、矢の正確な開始点と終了点の位置を計算し ておく必要があります。 ・ データ点を作って (インラインでの指定も可) それを描画 ・ パラメータモードにする 4.17 どうしたらデータファイルを描画できますか 簡単です。コマンド plot 'a.dat' でできます。 3 次元描画の場合は splot 'a.dat' です。ただし、2 つのつながっている線 (孤立線) を分離するのに空行を出力するのを 忘れないでください。さもないと、データが格子状 (grid) でないというエラーが出る かも知れません。質問 3.10 も参照してください。データが格子状でない場合は、 set dgrid3d {色んなオプション} を使用してください。 4.18 どうしたら multiplot の描画を replot できますか 直接はできません: gnuplot は replot コマンドはサポートしてますが、 remultiplot コマンドはありません。よって、スクリプトファイル内に set multiplot から unset multiplot までのすべてのコマンド列を書く必要があります。そのスクリプトを gnuplot に load してやれば、必要な回数だけ、異なる出力形式、異なる出力ファイル に replot できます。 5 その他 5.1 バグを見つけたのですがどうしたら良いですか 最初に、それが本当にバグなのか、それともある set-command で翻すことができる特徴 なのかを見極めてください。 次に、あなたが使っている gnuplot が古い版ではないか確かめてください。もしそうな ら、より新しい版ではその新しいバグは取り除かれている可能性があります。 現在の版までに報告されたバグの修正は、gnuplot の配布サイトの patches ディレクト リに保持されています。質問にあるバグが既に修正されていないかチェックしてみてく ださい。 これらをチェックした後でなおそれがバグであると確信したなら、以下に進んでくださ い。もしあなたが公正で普遍的な種類のバグレポートを作ったならば、多分ニュースグ ループ ~comp.graphics.apps.gnuplot への投稿が取るべき道でしょう。もし問題の詳細 な調査結果があるならば、特にその問題を修正する差分 (context diff かまたは unified diff) があるならば、 gnuplot-bug@lists.sourceforge.net へメールでレポー トを送ってください。 bug-gnuplot メーリングリストはバグ修正のレポートとその収集のためのもので、ニュ ースグループ ~comp.graphics.apps.gnuplot は gnuplot に関する問題に対する回避策 を見つける、あるいはそれを実際に解決する手助けのためのものです。もしバグリポー トを送るときは、show version long コマンドで見れる gnuplot のバージョン (パッチ レベルも含めて)、出力形式のドライバ名 (terminal driver)、オペレーティングシステ ム、バグの正確な記述とバグを再現するための入力、これらを確認しレポートに入れて ください。これらの詳細が示されていなければ、その問題の解を与えることはほとんど 不可能です。そして、最新の公式版の gnuplot に対して当てた差分 (context diff) も 、可能ならばすべて引用すべきです。 5.2 私のプログラムで gnuplot のルーチンを利用できますか パイプをサポートしているシステムでは、他のプログラムからパイプ経由で gnuplot に コマンドを渡すことができます。 Octave (http://www.octave.org) のように、 gnuplot をグラフィックエンジンとして使用している多くのアプリケーションがこの方 法を使用しています。これは、form ベースの Web ページから gnuplot を起動する cgi スクリプトでも利用できます。 John Campbell (jdc@nauvax.ucc.nau.edu) は、かなり前の版 (3.5) の gnuplot を改良 して、 C プログラムから呼び出せる C のサブルーチンライブラリに作り上げました。 gnuplot はその後劇的に変化しましたが、現在の版に基づく同様のライブラリを作成す るような計画は我々は知りません。 5.3 どう追加や拡張がなされていますか、それはどう手に入れられますか たくさんの拡張やパッチが、gnuplot の開発サイト http://sourceforge.net/tracker/? group_id=2055&atid=302055 の "Patches" ページにあります。最新の開発版は、 gnuplot の今後の正式リリースに含ませるためのデバッグをしながら、だいたいこれら のいくつかを含んでいきます。 現在の版では動くかどうか分かりませんが、古い拡張は ftp.ucc.ie の /pub/gnuplot/ contrib/ にあります (訳注: 現在 (03/14 2005) はそこにはないようです)。 現在以下のような拡張がなされています: ・ date-errorbar: エラーバーの上下の場所に日付データを使える ・ perltk: perl/tk キャンバス用ウィジェット ・ polyg.patch: 多角形描画スタイルの実装 ・ xgfe: Qt ウィジェットを用いたグラフィカルフロントエンド http://www.tug.org/ tex-archive/graphics/gnuplot/contrib/. ・ Gnuplot.py: Python 内でグラフを生成するための Python パッケージ。詳しくは以 下を参照: http://gnuplot-py.sourceforge.net. 5.4 積分や FFT や IIR フィルタなどが欲しいのですが gnuplot は今までも、そして現在も描画プログラムであり、データ処理や数式処理プロ グラムではありません。よってそのようなことはできません。積分の基本的な実装につ いては demo の "bivariat.dem" を見てください。 より高級なデータ処理については次のセクションを読んでください。 5.5 "heavy-duty" データを gnuplot で使えますか、または gnuplot に変わるものはな いですか gnuplot 単独ではあまりそれには適していません。 fudgit を試してみるといいでしょ う。これは Martin-D.Lacasse (isaac@frodo.physics.mcgill.ca) によって書かれた対 話型多目的曲線当てはめプログラムです。これは背後でグラフィック出力のために gnuplot を用います。 ftp.physics.mcgill.ca の /pub/Fudgit/fudgit_2.33.tar.Z が それです。または、主な Linux サイトである tsx-11.mit.edu の /pub/linux/sources/ usr.bin/fudgit-2.33.tar.z にもあります。 AIX, Data General, HP-UX, IRIX 4, Linux, NeXT, Sun3, Sun4, Ultrix, OS/2, MS-DOS の各 OS で動作し、 DOS 版は simtel20 のミラーサイト (simtel20 自身は閉鎖されました) の "math" ディレクトリ に fudg_231.zip として置いてあります。 Carsten Grammes が書いた当てはめプログラムは gnuplot 3.7 に取り込まれました。 Michael Courtney は lsqrft と呼ばれるプログラムを書きました。これはデータを関数 に当てはめるのに Levenberg-Marquardt アルゴリズムを使用します。 Unix でコンパイ ル可能なソース、そして MS-DOS, OS/2 用の実行バイナリは hobbes.nmsu.edu の /pub/ os2/apps/analysis/lsqrft15.zip にあります。 OS/2 プレゼンテーションマネージャに 対するインターフェースもあります。 NCSA (National Center for Supercomputing Applications) の STG (Software Tools Group) によって開発されたアプリケーションが見たければ、詳細は ftp.ncsa.uiuc.edu に ftp して、README.BROCHURE を取得してください。 pgperl を試してもいいでしょう。これは Perl 5 によって PGPLOT プロットパッケージ を統合したものです。これに関する情報は http://www.ast.cam.ac.uk/AAO/local/www/ kgb/pgperl で見つかりますし、ソースは ftp.ast.cam.ac.uk の /pub/kgb/pgperl/、ま たは linux.nrao.edu の /pub/packages/pgperl/ にあります。 他の方法として Octave があります。README を引用します: Octave は高水準言語で、 主に数値計算用です。 Octave は GPL ライセンスに従い、原則的にフリーな Matlab ク ローンです。線形や非線形の問題を数値的に解くのに便利なコマンドラインインターフ ェースを備えています。 Octave の最新版は常に http://www.octave.org にあります。 ところで、octave は gnuplot を描画エンジンとして使いますので、 gnuplot に追加す るデータ処理プログラムを手に入れることになります。 最後に、scilab も http://www-rocq.inria.fr/scilab/ にあります。これは matlab と ほぼ同様に動作します。これもフリーですが著作権は放棄されていない (GPL ではない) ソフトウェアです。 5.6 私の対話型ターミナルではマウスが効きません マウスが効かない場合、その対話型ターミナルで 'm' を打ってみてください。これはマ ウス機能の On/Off を行ないます。サポートしている対話型ターミナルの一覧について は以下を参照してください。 それでもまだ動作しない場合、 gnuplot がマウス機能をサポートするように configure されなかったかコンパイルされなかったか、ちゃんとインストールしなかったか、ある いは gnuplot の古いバージョンを使っているか (あなたの PATH をチェックしてみてく ださい) でしょう。 gnuplot が X11 上の Octave の描画エンジンとして動作している場合は、あなたの $HOME/.gnuplot の中に set mouse と入れてください ($HOME/.octaverc の中に gset mouse とするよりいいでしょう)。以下は gnuplot 4.0 にのみ関することですが、その help x11_mouse によれば、x11 上でパイプを通して gnuplot が起動している場合は x11 描画ウィンドウが起動する前に set mouse を実行する必要があるようです。 5.7 私の対話型ターミナルでどのようにホットキーを使えばいいですか 対話型ターミナルではいくつかのホットキーが有効になっています。現在は次の対話型 ターミナルがホットキーとマウス機能をサポートしています: OS/2 プレゼンテーション マネージャ (pm), X11, Windows, WX, GGI。 'h' をそのターミナルの中で打つと、ホッ トキーの一覧が表示されます。マウス機能やホットキーに関する概要は、 help new-features やドキュメントの Features introduced in version 4.0 セクションを参 照してください。さらに、 help mouse や help bind からも情報が得られるでしょう。 5.8 gnuplot を他のシステムに移植、またはパッチを作りました。どうしたらいいです か そのパッチが小さければ、そのパッチが何をしようとするのか、どの版の gnuplot が対 象かなどの詳しい説明をつけて gnuplot-beta@lists.sourceforge.net へメールしてく ださい。できるだけ、常に最新の開発版の gnuplot 用に作ってください (上の 'cvs' も参照してください)。 現在は、投稿よりもむしろ、 http://www.sourceforge.net/projects/gnuplot/ の 'Patches' セクションを通してコメントするかパッチを更新する方が望ましいです。 gnuplot-beta@lists.sourceforge.net は、より活発な議論のための論点を送って頂ける とありがたいです。 5.9 gnuplot の次期バージョンの開発について知りたいのですがどうしたらいいですか gnuplot のベータテストメーリングリストに入ってください。メール本文 (メールタイ トルではなく) に subscribe gnuplot-beta と書いてメールを Majordomo@lists.sourceforge.net に送ってください。 または http://sourceforge.net/projects/gnuplot に開発ベータ版の最新ソースがあり ますのでチェックしてください。 5.10 FAQ に含まれるような未解決の質問は ? その質問を (回答と一緒に) gnuplot-beta@lists.sourceforge.net へ送ってください。 6 うまく扱うには (Making life easier) 6.1 どうしたら 2 つの関数を重ならないように書けますか パラメータ (parametric) を用いて描画すればいいでしょう。例: gnuplot> set parametric gnuplot> a=1 gnuplot> b=3 gnuplot> c=2 gnuplot> d=4 gnuplot> x1(t) = a+(b-a)*t gnuplot> x2(t) = c+(d-c)*t gnuplot> f1(x) = sin(x) gnuplot> f2(x) = x**2/8 gnuplot> plot [t=0:1] x1(t),f1(x1(t)) title "f1", x2(t), f2(x2(t)) title "f2" gnuplot の、数学的に定義されない数式を無視する機能を使うこともできます。 1/0 と いう数式は黙って無視しますので、例えば gnuplot> set xran [-10:10] gnuplot> plot (abs(x)>0.5?1/0: x**2) のようにすると 2 乗の関数を |x| < 0.5 の範囲でのみ描画します。 6.2 どうしたら描画前にデータにフィルタをかけられますか そのシステムが、Unix のように popen() 関数をサポートしているなら、他のプロセス の出力を使って実行することが可能です。例えば、次のような awk の短いプログラムが 使えます: gnuplot> plot "< awk ' { print $1, $3/$2 } ' file.in" plot コマンドはとても強力で、データファイルに対するある種の代数処理も可能です。 help plot を参照してください。 上のフィルタは、Unix やその互換 OS、OS/2 ではスムーズに動作します。 MS Windows でも同様に動作はしますが、経験を積んだユーザ向けです: (A) gnuplot が cygwin で 、unix 相当の sh で、 'windows' terminal ではなく X11 terminal で ./configure; make とコンパイルされた場合。この場合は X-サーバ上でこれを実行する必要がありま す。この手続きは通常のユーザにとっては知識の範囲を越えますが、その他の人にとっ てはとても強力です。 (B) makefile.mgw か makefile.cyg の中で PIPES=1 とセットし て、これで gnuplot を自分自身でコンパイルした場合。この場合の欠点は、個々の wgnuplot.exe が不格好なシェルボックスを伴うことです。 6.3 どうしたら gnuplot の画像を楽に L^ATEX で扱えますか L^ATEX とともに gnuplot を使う場合、それを楽にしてくれるような L^ATEX のマクロ とシェルスクリプトのセットがあります。そのパッケージは David Kotz によるもので 、 ftp.dartmouth.edu の pub/gnuplot/latex.shar にあります。 (訳注: 現在 (03/14 2005) はそこにはないようです。 archie で gnuplot-latex.shar というファイルを探 してみてください) 例えば "plotskel" は gnuplot の出力するファイル plot.tex から 骨組みのファイル skel.tex を生成します。それは元のグラフと同じサイズですが、何 も描画部分を持ちません。その骨組みは適切なマクロと共に L^ATEX コンパイルのテス トで使うことができ、それは後に行なうグラフをちゃんと含んだコンパイルの準備に役 立ち、本来コンパイルにかかる多くの時間を節約してくれます。 6.4 どうしたら設定を保存/再利用できますか それにはsave とload のコマンドを使ってください。詳細はhelp save とhelp load を 参照してください。 set term push と set term pop を使えば、ファイルシステムを触ることなくそれぞれ 現在の出力形式の保存とその後の復帰ができます。 6.5 どうしたら splot で曲線 (格子でない) を書けますか splot のデータファイルのデータがいずれも同じ数のデータ点を持つように (区切りは いつものように空行で) 揃えられている場合、 splot はデータを格子で描画します。単 に曲線だけで書きたいならば、データエントリの個数が異なるように (例えば最後の点 だけ同じものを 2 つつけるとか) してください。もちろん、set parametric をセット することを忘れないでください。 6.6 どうしたら x-y 平面上で他の関数に制限されている f(x,y) のグラフを書けますか 例: gnuplot> f(x,y) = x**2 + y **2 gnuplot> x(u) = 3*u gnuplot> yu(x) = x**2 gnuplot> yl(x) = -x**2 gnuplot> set parametric gnuplot> set cont gnuplot> splot [0:1] [0:1] u,yl(x(u))+(yu(x(u)) - yl(x(u)))*v,\ > f(x(u), (yu(x(u)) - yl(x(u)))*v) 6.7 どうしたら描画の設定を無効にできますか たいていの gnuplot の機能は、対応する set/unset コマンドで制御できます。デフォ ルトで有効になっている機能、あるいは set で有効にした機能は、それを set no で無効にできます。ただ、version 4.0 からはその書式はむしろ unset とすべきです。 6.8 どうしたらプログラムから gnuplot を呼び出せますか unix 互換システム上ならば、gnuplot へのコマンドを標準入力 (stdin) からパイプで 渡せます。 gnuplot からの print コマンドは、名前つきパイプで読み出すことができ ます。 M$ Windows プラットフォームでは、GUI プログラムの標準入力 (stdin) が使え ないため、 pgnuplot というヘルパープログラムを使う必要があります。これはお使い の M$W 用の gnuplot 配布パッケージに含まれているでしょう。 gnuplot の出力を読み 出すことは多分できません。 6.9 Planck 定数 (h に横線) が必要なときはどうしたらいいですか 最も自然な方法は、UTF-8 フォントを使い、文字 $\hbar$ (Unicode コードポイント # x210F) を直接入力することです。 しかし、これは PostScript ではうまくいきませんので、例えば次のような次善の策を 用いる必要があります: @{/=56 -} {/=24 h} または {/=8 @{/Symbol=24 -} _{/=14 h}} 後者では 24pt (ポイント) の "-" (/Symbol フォントの中の長いハイフン) がスペース なしで使われます。 14pt の "h" は 8pt のスペース ("_" の前にあるスペース) だけ ずらされて置かれますが、それは下付き文字として書かれるので小さい文字になります 。しかしそれらは通常我々が使用するプランク定数の記号とは違っていて、横線は斜線 ではなく水平線になります。アクセント記号なども使ってみましたが (iso-latin-1 エ ンコーディングの文字 264 など)、その大きさと位置を正しくする方法を見つけること はできませんでした。もう一つの方法は {/=14 @^{/Symbol=10 -}{/=14 h}} とすること です。 AMS-LaTeX の PostScript フォント(http://www.ams.org/tex/amsfonts.html にあり、 そして多くの LaTeX 配布にも含まれています) を使えば、とても簡単に小さい Planck 定数をセットすることができますが、gnuplot ( fontpath に関するヘルプを見てくださ い) と、 PostScript インタープリタ (通常 Ghostscript) がファイル msbm10.pfb (ま たは msbm10.pfa) がどこにあるかを知る必要があります。"h" に傾斜のついた横棒を重 ねた \hslash を生成するには {/MSBM10 \175} を使ってください。通常の \hbar (水平 の横棒) は 8 進数の 176 です。ただし、水平の横棒はイタリック体としてしか存在し ないことに注意してください。 6.10 太陽のような数学記号 (丸に点) が必要なときはどうしたらいいですか Planck 定数と同様、最も自然な方法は UTF-8 フォントを使い、文字 $\odot$ (Unicode コードポイント #2299) を直接入力することです。 6.11 全く何もないページを出力するには うーん、多分それは全く何も出力したくないわけではなくて、タイトルだけのものを出 力したいじゃないでしょうか (multiplot のページの他のグラフに重ねるような): reset; unset xtics; unset ytics unset border; unset key set title 'Title on an empty page' plot [][0:1] 2 7 共通の問題 7.1 助けて! 私のフォントが使えない。 gnuplot は、それ自身ではフォント処理を行いませんので、それは必然的に個々のデバ イスをサポートするライブラリに任せることになります。残念ながらこれは、フォント の検出においては、異なる出力形式には異なる説明が必要だということを意味しますの で、ここでは、簡単なヒントをいくつか上げておきます。詳しい情報については、あな たが問題にしている出力形式用の gnuplot のドキュメントを参照してください。 png/jpeg/gif これらの出力形式は、libgd というサポートライブラリを使用し、これは環境変数 GDFONTPATH で与えられるディレクトリ内にフォントを探します。そのように libgd のフォントパスを設定すると、今度は gnuplot のデフォルトフォントを設定したい かもしれません。例: setenv GNUPLOT_DEFAULT_GDFONT verdana pdf このサポートライブラリ libpdf は、関連するフォント設定ファイルを参照します 。通常それは /usr/local/share/pdflib.upr としてインストールされます。環境変 数 PDFLIBRESOURCE は、このファイルの位置を示します。 post PostScript フォント名は、その文書が印刷されるまで参照されませんから、あなた のプリンタでどのフォントが有効であるかを gnuplot は知りません。よって、どん なフォント名でも指定することができます。しかし、gnuplot の出力にフォントを 埋め込むことは可能です。それについては、 gnuplot の内部コマンド ``help set term post fontfile'' で得られる指示を参照してください。 svg フォント処理は、ビューワ依存です。 x11 x11 出力形式は、通常の x11 フォントサーバ機構を使用しますが、少しだけトリッ キーな点があり、マルチバイトフォントを使用するためには、明示的に以下のよう に指定する必要があります: set term x11 font "mbfont:sazanami mincho,vera,20" win コントロールウィンドウ内で右ボタンをクリックし、プルダウンメニューから "Choose font" を選択します。 wxt Linux システムでは、wxt 出力形式は fontconfig で管理されているフォントを見 つけることができます。 7.2 X11 で gnuplot がどんな点も描画しません。どうしたらいいですか VMS 上ではいくつかの記号を作らなければいけません: $ gnuplot_x11 :== $disk:[directory]gnuplot_x11 $ gnuplot :== $disk:[directory]gnuplot.exe $ def/job GNUPLOT$HELP disk:[directory]gnuplot.hlb そして gnuplot をコマンドラインから起動し、 set term x11 としてください。 Unix 上で gnuplot を動かす場合は、最新の gnuplot_x11 が検索パスの最初に現われて いるか確認してください。コマンド which gnuplot_x11 が参考になるでしょう。 7.3 なぜ gnuplot はとても小さい数字のデータを無視するのですか gnuplot はデフォルトでは 1e-08 より小さい全ての数を 0 として扱います。よってと ても小さい数の集まりを描画しようとするとそれらは 0 として描画されてしまいます。 対数軸で描画する場合は、もっとひどいことにそれらは目盛りからはずれてしまいます 。また、全ての数が "0" である場合、範囲は空であるとみなされます (訳注: gnuplot 3.6 以前の仕様): gnuplot> plot 'test1' Warning: empty y range [4.047e-19:3e-11], adjusting to [-1:1] gnuplot> set yrange [4e-19:3e-11] gnuplot> plot 'test1' ^ y range is less than `zero` その対策は gnuplot の "zero" の概念を変更することです。 gnuplot> set zero 1e-20 より詳しい情報については help set zero を参照してください。 7.4 コマンドラインから 'gnuplot filename.gp' としても何も表示してくれません それはちゃんと描いているんですが (スクリプトファイルにエラーがなければ)、スクリ プトが完了したときに描画がすぐに消えている、ということは明白です。 解 1: ファイルの、plot コマンドの下に pause -1 を追加してください。 解 2: gnuplot filename.gp - (そう、ダッシュを最後の引数にします) を使ってくださ い。これにより、スクリプトが完了したら対話型モードに移行します。 解 3A: X-Window System ならば、 gnuplot の -persist オプションを使うこともでき ます。その場合、X11 の描画ウィンドウは開いたままになります。そのウィンドウを閉 じるにはその上にフォーカスを持って行って "q" をタイプしてください。 解 3B: M$ Windows では、-persist オプション、あるいは /noend オプションが使えま す。 解 4: OS/2 PM 出力形式では、set term pm persist、または set term pm server を使 用してください。 X11 出力形式では set term x11 persist としてみてください。 7.5 書いた式 (1/3 など) が意味のない結果を出力してしまいます gnuplot は整数の式の場合、実数演算ではなく整数演算を行ないます。例えば式 1/3 は 0 と評価されます。もし実数の値が欲しいならば、その数の後にドット "." をつけてく ださい。例: gnuplot> print 1/3 0 gnuplot> print 1./3. 0.333333 整数の式をこのようにして評価するやり方は C や Fortran でも行なわれています。 7.6 set output 'ファイル名' が何も出力してくれません set output によって出力をクローズして、たまっている出力を吐き出させる必要がある かも知れません。 7.7 L^ATEX-terminal の出力は L^ATEX の実行でエラーが出ます 裸の L^ATEX2[e] は今はコマンド "\Diamond" も "\Box" も持っておらず、それらは今 は latexsym パッケージに入っています。また、amssymb パッケージの他の記号も使い ます。これらはいずれも L^ATEX の基本配布物には含まれていて、よって任意の L^ATEX システムには含まれています。これらのパッケージをあなたの文書に入れることを忘れ ないでください。 7.8 ドキュメントにある URL にはデモやサンプルが見つかりません 古いドキュメントに書かれている NASA のサイトからはサンプルは削除されました。現 在は version 4.0 用のサンプルが http://gnuplot.sourceforge.net/demo にあります 。 version 4.2 用のサンプルは http://gnuplot.sourceforge.net/demo_4.2 にありま す。 7.9 パイプで gnuplot を呼び出したり gnuplot スクリプトを使ってグラフが書けませ ん 次のような短い Perl スクリプトを使って gnuplot を呼び出せます: #!/usr/local/bin/perl -w open (GP, "|/usr/local/bin/gnuplot -persist") or die "no gnuplot"; # force buffer to flush after each write use FileHandle; GP->autoflush(1); print GP,"set term x11;plot '/tmp/data.dat' with lines\n"; close GP gnuplot は終了時にその描画ウィンドウを閉じます。 close GP コマンドが実行される と、描画ウインドウを目にする前でさえも閉じられてしまいます。 それに対する対処は 3 つあります: 1 つ目は、gnuplot 内で pause -1 コマンドを、パ イプを閉じる前に使用すること、 2 つ目は、gnuplot と描画ウィンドウが不要になった ときにのみパイプを閉じるようにすること、 3 つ目はコマンドラインオプション -persist を使うことです。このオプションは X-Window System に描画ウィンドウを開 いたまま残します。 8 帰属 gnuplot 3.7 の主な寄与者は (アルファベット順で)、 Hans-Bernhard Broeker, John Campbell, Robert Cunningham, David Denholm, Gershon Elber, Roger Fearick, Carsten Grammes, Lucas Hart, Lars Hecking, Thomas Koenig, David Kotz, Ed Kubaitis, Russell Lang, Alexander Lehmann, Alexander Mai, Carsten Steger, Tom Tkacik, Jos Van der Woude, James R. Van Zandt, Alex Woo です。さらに version 4.0 への重要な寄与者として、 include Ethan Merritt, Petr Mikuli'k, Johannes Zellner がいます。 このリストは Russell Lang, John Campbell, David Kotz, Rob Cunningham, Daniel Lewart, Alex Woo の寄与を John Fletcher が最初にまとめたものです。そして、Alex Woo の草案により、 Alex Woo, John Campbell, Russell Lang, David Kotz らの修正と 追加、 Daniel Lewart による多くの修正が Thomas Koenig によりまとめ直されました 。そして、gnuplot 3.7 用に再び Lars Hecking, Hans-Bernhard Broecker およびその 他の人々による修正が Alexander Mai と Juergen v.Hagen によりまとめ直されました 。 gnuplot 4.0 用の修正は、 Petr Mikuli'k と Ethan Merritt により行なわれました 。 gnuplot 4.2 用の修正は、 Petr Mikuli'k と Ethan Merritt により行なわれました 。 (訳注: 日本語訳は Shigeharu TAKENO (shige@iee.niit.ac.jp) により行なわれました 。) この文書について... Gnuplot FAQ この文書はLaTeX2HTML 翻訳プログラム Version 2002-2-1 (1.71) Copyright (C) 1993, 1994, 1995, 1996, Nikos Drakos, Computer Based Learning Unit, University of Leeds, Copyright (C) 1997, 1998, 1999, Ross Moore, Mathematics Department, Macquarie University, Sydney. を日本語化したもの( 2002-2-1 (1.71) JA patch-2.1beta1.7 版) Copyright (C) 1998, 1999, Kenshi Muto, Debian Project. Copyright (C) 2001, 2002, 2003, 2004, 2005, 2006, Shige TAKENO, Niigata Inst.Tech. を用いて生成されました。 コマンド行は以下の通りでした。: latex2html -image_type gif -split 0 -show_section_numbers -html_version 4.0 -nonavigation faq-ja-20070809.tex. 翻訳は竹野茂治によって 2007年8月13日に実行されました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 竹野茂治@新潟工科大学 2007年8月13日