2 三角関数のグラフ

[1] では、1 辺が $2\pi$ の正方形を丸めて円柱にしたときの、 元の正方形の対角線の射影が $y=\sin x$ のグラフとなることを利用したが、 今回はまた別な形の $y=\sin x$ のグラフを利用する。

まず、底面が半径 1 の円で、高さ 1 の円柱を考え、 その底面を $xy$ 平面に置き、中心を原点に合わせる。 なお、曲面の実体としてはその側面 $S$ だけあればよい (図 1)。

図 1: 円柱 $S$
\includegraphics[height=0.2\textheight]{sinar-cylind1.eps}
図 2: $C$$S_1$
\includegraphics[height=0.2\textheight]{sinar-cylind2-c.eps}

$S$ $S=\{(x,y,z): x^2+y^2=1, 0\leq z\leq 1\}$ と表される。

次に、この側面 $S$ を、原点を通り $xy$ 平面と $45^\circ$ の角を なす平面 $H=\{(x,y,z): y=z\}$ で切り、 その切り口の曲線を $C$, $S$$C$ より下の部分を $S_1$ と する (図 2)。

\begin{displaymath}
\begin{array}{ll}
C &= H\cap S = \{(x,y,z): x^2+y^2=1, y...
...\
S_1 &= \{(x,y,z): x^2+y^2=1, 0\leq z\leq y\}
\end{array}\end{displaymath} (1)

$C$ は、(1) よりわかるように、 $y$ 軸の負の方向から見れば $x^2+z^2=1$ の円の 上半分になる (図 3)。

図 3: $S_1$$xz$ 平面への射影
\includegraphics[height=0.2\textheight]{sinar-circxz.eps}

さて、$H$ によって切り取られた下の部分である $S_1$ を平らな 面に展開すると、$C$ の切り口の部分は $\sin x$ のグラフの形 になることを示す (図 4)。

図 4: 円柱を上から見た図と $S_1$ の展開図
\includegraphics[height=0.2\textheight]{sinar-s1ext.eps}

元の円柱を真上から見たとき、切り口 $C$ 上の点 P は、単位円周上にあるが、 その中心角を $\theta$ とすると、P の座標 ($x$, $y$, $z$) は、$y=z$ より

\begin{displaymath}
(x,y,z) = (\cos\theta, \sin\theta, \sin\theta)
\end{displaymath}

となる。 一方、$S_1$ を展開したときの端からの横座標 $x'$ は、 元の円柱底面の円の弧長、すなわち $\theta$ であり、 よって展開した図での P に対応する切り口の点 P' の座標 ($x'$, $y'$) は
\begin{displaymath}
(x', y') = (\theta, \sin\theta)
\end{displaymath}

となり、よって $y'=\sin x'$ ( $0\leq x'\leq \pi$) となる。 ここから、$S_1$ の展開図の切り口は $\sin$ のグラフになることがわかり、 そして $A$ はこの $S_1$ の面積に等しいことがわかる。

竹野茂治@新潟工科大学
2017年12月13日