4.3 例 3

(6) の応用例を一つ紹介する。

$n$ 次正方行列 $A = [\mbox{\boldmath$a$}_1\ \mbox{\boldmath$a$}_2\ \cdots \mbox{\boldmath$a$}_n]$ が 表す一次変換は、 $n$ 次元数ベクトル $\mbox{\boldmath$x$}$ $A\mbox{\boldmath$x$}$ に移すが、 それは (6) により、

$\displaystyle A\mbox{\boldmath$x$}
=
[\mbox{\boldmath$a$}_1\ \mbox{\boldmath$a$...
...2}\\ \vdots\\ {x_n}
\end{array}\right]
=
\sum_{k=1}^nx_k\mbox{\boldmath$a$}_k
$

のように、$A$ の列ベクトルの、 $\mbox{\boldmath$x$}$ の成分を係数とする線形結合 として書けることになる。

すなわち、$A$ は、基本ベクトル $\mbox{\boldmath$e$}_k$ $\mbox{\boldmath$a$}_k$ ( $k=1,2,\ldots n$) に変換する一次変換だということがわかる。

竹野茂治@新潟工科大学
2021-09-10