3 対数関数

対数関数の導関数の公式
$\displaystyle (\log_e x)'$ $\textstyle =$ $\displaystyle \frac{1}{x}$ (10)
$\displaystyle (\log_a x)'$ $\textstyle =$ $\displaystyle \frac{1}{x\log_e a}\hspace{0.5zw}(a>0, a\neq 1)$ (11)

にも 2 節と同様のスケール変換による説明は可能であるが、 ここでは 2 節の結果と逆関数の微分を利用する。

$y=\log_a x$$x=a^y$ という関係と同じであり、 よって $y=f(x)=\log_a x$ のグラフの横軸と縦軸を入れかえると $x=g(y)=a^y$ のグラフになる。 よって、$x=g(y)$$(x,y)=(q,p)$ での傾き $g'(q)$ は、 $y=f(x)$ のグラフ上の点 $(x,y)=(p,q)$ での傾き $f'(p)$ の逆数に 等しいことがわかる (図 2)。

図 2: $y=f(x)$$x=g(y)$ のグラフと傾き
\includegraphics[height=0.3\textheight]{nlm-log1.eps}

よって $p=g(q)=a^q$、および (3) により、

\begin{displaymath}
f'(p)
= \frac{1}{g'(q)}
= \frac{1}{a^q\log_e a}
= \frac{1}{p\log_e a}
\end{displaymath}

となり、よって (11) が得られる。 また、この式で $a=e$ とすれば (10) も得られる。

竹野茂治@新潟工科大学
2017年4月11日