4 最後に

2 節の方法は、何回計算してもうんざりするくらい単調で長く、 実際本稿を書くにあたっても数カ所計算間違いをしたほどであり、 2.5 節の最後に書いたように 昔からもっと楽な方法はないものかと思っていたが、 これまで特にそれをかえりみることはなかった。

それが、先日 3 次元のある微分方程式の極座標変換の計算をしているときに、 たまたま 3 節の方法を思いつき、 そして本稿をまとめるにあたって ベクトル解析の講義で使用している教科書 [1] をよく見たら、 より一般性のある証明がちゃんと書いてあった、というのが実情である。

そのベクトル解析の講義では例年そこまでは進まないので、 教科書のその辺りはちゃんと読んでいなかったが、 ベクトル解析はありがたいものだという認識を新たにした次第である。 是非 [1] のより一般的な命題とその証明 (6.1-6.3 節) も 参照していただきたい。

竹野茂治@新潟工科大学
2009年2月2日