6 3 進法を利用した数当て

ここまでは、原理的に 2 進法を利用した数当ての考察をしてきたが、 今度は 3 進法を利用することについて考えてみたい。

3 進法なら 2 桁で 0 から 8 まで、 3 桁で 0 から 26 までの数字を表現できるので、 より少ないカード (回数) で多くの数から一つを選び出すことができる可能性がある。

しかし、各桁が 0, 1, 2 の数で分類してそれぞれでカードを作ってしまうと、 むしろ 2 進法の場合よりカードが増えてしまい、 カードに書かれる数字の個数も少なくなるのでおもしろくないものになる。 例えば、1 から 8 の数は 3 進法 2 桁で書けるが、

の 6 枚のカードを使うとすると、 各カードに書かれている数字が少ないので、 そこから数字を絞りこむことは容易であるように見えてしまうので、 驚きを持たれにくくなり、「数当て」としては成立しなくなってしまう。

これを解消するには例えば、カードは下の桁で 1 枚、上の桁で 1 枚とし、

のように各カードにすべての数字を書いて、 その桁の数字によってそのカード内で区別ができるようにする。 実際には色分けして、例えば太字の数字は赤、下線の数字は青、 その他の数字は黒、のようにするといいだろう。

そして、答えてもらうときは、覚えた数字が何色で書いてあるかを答えてもらう。 そして、それぞれのカードのその色の一番小さい数字を足せばいいわけである。 例えば 5 の数字を考える場合、 1 枚目のカードでは下線 (青) なので、 その一番小さい数字の 2、 2 枚目のカードでは太字 (赤) なので、 その一番小さい数字の 3、 その 2 つを足して 5 となるわけである。

もちろん規則性がわからないようにランダムに配置した方がよいだろうが、 これで 1 枚のカードに書かれている数は多くなったが、 やはりそれぞれの種類の数がそれほど多くないので、 3 桁、4 桁のような多い数でやらないと効果はあがりにくいだろう。

元々このような数当てが驚きを与えるのは、

客側が提示したいくつかの条件から、 客側にとってはそれを満たす数を探し出すのが一見難しいのに、 それを即座に言い当てる
からであるが、 1 から 8 くらいであると、1 枚目が下線 (青) で、 2 枚目が太字 (赤) であるものを見つけるのは 全然難しくはないので、 これくらいの数の範囲では数当てとしては意味がないことになる。

極端な話、1 から 8 の数は 9 進法で 1 桁になるので、 それを 8 通りの色に塗り分けてしまえば 1 枚のカードで済むことになるが、 それで何色かと聞くのは、どの数字かと聞いていることと全く同じで、 「数当て」にはなってない。

このように、数当ての原理を 3 進法、 より一般に n 進法に拡張することもできるが、 その場合は確かに使うカードは 2 進法の場合よりも 少なくできるかもれないが、 数当てとして意味があるようなものにするためには かなり多くの選択の範囲を用意する必要があり、 そうなると例えば客がカードから数字を探すのに時間がかかるなど、 実際の数当ての作業がかなり大変になってしまうので、 あまりよくはなさそうである。

この 3 進法の数当ては、 ポピュラーな数当ての原理を知っている人には多少新鮮味はあるかもしれないが、 上のように考えてみると、 数当てとしてはやはり 2 進法のものの方が妥当なようにも思える。

竹野茂治@新潟工科大学
2008年4月10日