2 基本的な数当てゲームとその仕組み

本稿で扱う数当てゲームとは、例えば以下のようなものである。
  1. 1 から 15 までの数字を一つ選んで覚えてもらう。
  2. 以下の数字が書かれた 4 枚のカードを順に見せ、 覚えた数字がそのカードに書かれているかどうかを答えてもらう:
  3. その回答により、覚えてもらった数字を即座に言い当てる

2. のカードの数字は、 一見して多少の規則性があることがわかるが、 逆に実際のカードを作るときは、 この規則性がわからないようにランダムな順番に書き並べた方が効果は上がる。

例えば、9 を選んだ場合、1 枚目と 4 枚目のカードに含まれることになるが、 これは、1 枚目と 4 枚目のカードの それぞれ最小の数字 1 と 8 の和に等しくなっている。

実は 1 から 15 までのすべての数字がそうなっているのであるが、 これは 2 進法で簡単に説明できる。

今、2 進法の数字を 101(2) のように後に (2) をつけて書くことにすると、 15 以下の数字は 2 進法で最高 4 桁の数字であり、 書き上げると以下のようになる:

1 = 0001(2), 6 = 0110(2), 11 = 1011(2),
2 = 0010(2), 7 = 0111(2), 12 = 1100(2),
3 = 0011(2), 8 = 1000(2), 13 = 1101(2),
4 = 0100(2), 9 = 1001(2), 14 = 1110(2),
5 = 0101(2), 10 = 1010(2), 15 = 1111(2)

例えば、9=0101(2) であるが、これは、

9 = 0100(2) + 0001(2) = 8 + 1

のように書くこともできる。

実は、上の表を見るとわかるが、

j 枚目のカードには、下から j 桁目が 1 である数字が書かれている
になっていることがわかる。

だから 9 の場合、一番下の桁と下から 3 桁目が 1 なので 9 は 1 枚目と 3 枚目のカードに含まれていて、 そのそれぞれのカードの一番小さい数というのは、 その桁が 1 でそれ以外の桁は全部 0 の数、 つまり 0001(2) と 0100(2) であるから、 これらを足せば丁度元の数字に戻るわけである。

これを、小さい子供にもわかるように説明するとすれば、 例えば、

1 から 15 までの数は、1,2,4,8 のうちのいくつかの数の足し算で表される:
1 = 1, 6 = 2+4, 11 = 1+2+8,
2 = 2, 7 = 1+2+4, 12 = 4+8,
3 = 1+2, 8 = 8, 13 = 1+4+8,
4 = 4, 9 = 1+8, 14 = 2+4+8,
5 = 1+4, 10 = 2+8, 15 = 1+2+4+8
よって、右辺に 1 が入っている数字を 1 枚目のカードに書き、 2 が入っている数字を 2 枚目、 4 が入っている数字を 3 枚目、 8 が入っている数字を 4 枚目のカードにそれぞれ書くようにすれば、 カードの中にあると言われたカードの一番小さい数 (1,2,4,8) を全部足せば 元の数になることが納得してもらえるのではないかと思う。

竹野茂治@新潟工科大学
2008年4月10日