情報電子工学概論 1 のアンケート no.3 (04/24 2008)


目次


はじめに

3 回目の講義で課したアンケート項目は以下のものでした。

  1. 使ったことがあるプログラミング言語をすべてあげよ
  2. 使ったことはないが、聞いたことがあるプログラミング言語をすべてあげよ
  3. どんなソフトがあったらいいと思うか

その他、この講義に関して何かあれば自由に書いてもらいました。 回答数は 64 名でした。

今回も「プログラミング言語」という言葉については あえて説明はせずに書いてもらいました。


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集計結果


使った/聞いたことがある プログラミング言語

複数の回答も多かったのですが、それらもすべて数え上げました。 多いもの順に上げます。

「なし」「わからない」およびプログラミング言語以外のものを上げた割合は、 例年と比べて高いわけでも低いわけでもありません。 特に、春先に取った 2 年前の結果と比較すると、 「使ったことがある/聞いたことがある」に「わからない」等だったのが それぞれ 60.0%/64.6% だったのに対し、 今年は 37.5%/40.6% ですからだいぶ減っていると見ることもできます。 しかも、10 月に取った昨年の 1 年生のアンケートよりも減っています (52.7%/45.5%) から、これは多少プログラミングの経験がある、 または深く興味を持っている人の割合が増えてきていることを意味していると思います。

個々の回答では、例年同様 Basic, C, C++, Java などが多いようですが、 BASIC, C を 1/3 強の学生が使ったことがある、 というのは何やら心強いですね。 ただ、上げられている言語のバリエーションが 例年に比べてやや少ないような気はします。

また、今年はなぜか COBOL を上げた人も多かったように思います。 COBOL は、昔ビジネス用途のソフトを記述のによく使われた言語で、 今は多分あまり使われていないと思いますので、 なぜ今年これだけあるのかがやや不思議です。

Java は、Sun が開発した、 インタプリタ形式とコンパイラ形式の中間のような、割と新しい言語で、 ある意味でどんな動作環境でも動くことを目指して作られています。 WWW や、携帯電話のアプリケーションの作成にも使われたりしているそうです。 Java と JavaScript は名前は似ていますが全く別物で、 JavaScript の方は、ブラウザに WWW 上の動的なコンテンツを実行させる スクリプト言語 (Netscape 社が開発) です。

アセンブリ言語は、CPU への命令を直接ひとつずつ書いていくもので、 CPU が直接理解するコードと 1 対 1 に対応し、 人間がわかりやすいもの、開発効率のいいものとは言えないので、 プログラミング言語とは言わない場合もあるようです。

また、HTML を上げた人もいましたが、 正確にはこれはプログラミング言語とは違い、 WWW ページを記述するマークアップ言語です。

その他の言語を簡単に見ますと、以下のようになっています。

例年、数が多いものを「わからない等」と共に表にまとめてみます (表内の数字は、(使ったことがある %)/(聞いたことがある %))。

2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年
BASIC 60.0%/ 13.3% 57.4%/ 3.3% 54.3%/ 17.3% 24.6%/ 10.8% 43.6%/ 1.8% 39.1%/ 6.3%
C 41.1%/ 48.9% 32.8%/ 41.0% 44.4%/ 35.8% 35.4%/ 20.0% 27.3%/ 36.4% 39.1%/ 39.1%
C++ 10.0%/ 6.7% 3.3%/ 13.1% 7.4%/ 12.3% 3.1%/ 6.2% 10.9%/ 10.9% 7.8%/ 9.4%
Java 2.2%/ 23.3% 6.6%/ 6.6% 34.6%/ 14.8% 6.2%/ 12.3% 5.5%/ 18.2% 6.3%/ 10.9%
JavaScript 2.2%/ 2.2% 4.9%/ 0.0% 11.1%/ 2.5% 0.0%/ 1.5% 1.8%/ 0.0% 1.6%/ 0.0%
アセンブラ 2.2%/ 14.4% 9.8%/ 19.7% 7.4%/ 8.6% 7.7%/ 3.1% 5.5%/ 7.3% 9.4%/ 9.4%
Fortran 1.1%/ 6.7% 0.0%/ 4.9% 0.0%/ 6.2% 0.0%/ 0.0% 0.0%/ 1.8% 0.0%/ 0.0%
わからない等 36.7%/ 46.7% 45.9%/ 34.4% 25.9%/ 34.6% 60.0%/ 64.6% 52.7%/ 45.5% 37.5%/ 40.6%

使ったことがあるコンピュータ言語の種類を個人毎に数えてみると 以下のようになりました。

4 種類以上というのはなかなかすごいような気がします。


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あったら良いと思うソフト

色んなものが書かれていましたが、おおまかに分類してみました。

無回答も多かったですし、以前よりも面白い意見が減っているように感じますが、 「簡単に」「わかりやすい」といったあいまいな表現がこれまで同様多いようです。

具体性のあるものについては、 既に存在するものもいくつかありますし、 あったら良さそうなものもあります。 大まかな形を紹介しているものも 例年良く見られる意見が多いようですが、 具体的にどう実現するか、何をやってくれるものにするのか、 ということを考えてみると面白いかもしれません。

「日本語でプログラミング」というのは既にいくつかありますし、 私の研究室の前のホワイトボードにそのコンテストの掲示もしていたので、 気がつかなかったでしょうか。 「簡単にプログラミング」というのも 各種スクリプト言語などがそれに相当するようにも思います。 「ゲームを簡単に」というのも HSP などが当てはまりそうです。

「複雑な数式を簡単に」というのは、数式処理ソフトがそれに相当するでしょうか。 「停電でも作業中のファイルを保護」は、UPS の利用や RAID など、 既に存在する技術だろうと思います。 「OS が違っても利用できるもの」というものもなくはないと思います。 複数の OS 環境で動作するソフトというのは実際にいくつもありますし、 Java のように OS に異存しない実行環境を与える、などという仕組みもあります。

「考えたことを実行してくれる」というのは割とよくある意見なのですが、 私はあまりそういうのが欲しいと思いません。 それは、逆に言えば考えたことが直接外部データとして保存できてしまう、 ということになると思うんですが、それはかなりイヤじゃないですか。

「プログラムを自動にする」や「お金が増える」などは意味がよくわかりません。 「ハードウェアの管理」も、実際 OS はハードウェアの管理をしているわけですし。 「1 枚の画像から動画」も、 何でもいいなら作れるんでしょうが (単にアニメーション化するだけとか)、 実際にそこであったこと、あるいはそこで起こりうることなどを動画像化するのは 難しいんじゃないでしょうか。

上の意見のなかでは、 「低画質の動画を高画質に変換」「対話形式のヘルプ」なんてのは それなりに面白そうに思いました。 深く考えてみると卒業研究のネタにもなりそうな気がします。


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その他

アンケートの 4 番目として「講義に関して質問や意見等あれば自由に」 とつけましたが、何か書いた人はいませんでした。


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作成日: 05/06 2008
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)