小テストのアンケートの意見に対する回答 (2006 年 前期)


はじめに

アンケートの意見に対する回答をこちらにまとめておきます。 なお、好意的な意見に対する回答、および回答が不要と思われる その他の意見に関する回答は省略します。

アンケート問題のページに戻る

目次

(Iic: 基礎数理 I (情報・物質)、 Ima: 基礎数理 I (機械・建築)、 III: 基礎数理 III (情報・物質))

先頭に戻る
アンケート問題のページに戻る

不満、要望


進度が速い

(基礎数理 I (機械・建築))

「大学の講義について」 にも書きましたが、 大学の講義は講義の内容が多いので、 高校などよりも進度は速いのです。 これでも以前の講義よりは進度を落していますし、 かなり限界に来ていると思いますので、逆にこの程度のスピードには ついて来て欲しいと思います。

それに速く進んでいるように感じるかも知れませんが、 深い内容を紹介しているわけではありませんので 分量はそう多くはありません。

それでも速いと思うなら、教科書は与えてありますし、 講義もほぼ教科書通りに進めているだけですから、 講義のペースに惑わされずに自分のペースで勉強したらいかがでしょうか。 元々大学の勉強というのはそういう物だと思います。
(06/19 2006)

目次に戻る

説明が速い

(基礎数理 I (機械・建築))

早口になるのは私の悪いクセなので気をつけたいと思います。 聞きとりにくければ、その場で質問してください。

なお、我々は講義中にすべてを理解できるように 講義はしていないつもりですから、 考えながら聞いていると早口に聞こえてしまうかもしれませんが、 それはある意味では仕方ありません。
(06/19 2006)

目次に戻る

もう少し進度は速くてもいい

(基礎数理 I (機械・建築))

私ももちろんそう思います (前はもっと速くしていました)。 しかし、過去のアンケートの結果、学生の成績などを考えると、 今のペース位がある意味で丁度いいのかもしれないと思います。

今回のアンケートでも「速い」という意見と、「もっと速く」、「丁度いい」、 と 3 通り (いずれも少数意見) でたわけですから、 今のペースを守りたいと思います。

ただ、私の講義のペースにとらわれることはありませんから、 もし遅いと思えば、自分でどんどん先のことを勉強してみてください。
(06/19 2006)

目次に戻る

難しい

(基礎数理 I (情報・物質)、基礎数理 I (機械・建築)、基礎数理 III (情報・物質))

基礎数理 I が難しい、という場合は、 多分大学の講義に慣れていないためにそう感じるのではないかと思います。 「大学の講義について」 にも書きましたが、 大学の講義は講義内容が多いので、 基礎数理に限らず講義時間にすべて理解するのは難しいのです。 だから、講義内容はとりあえずノートに取っておいて 自分で勉強するための助けとする、という形が正しい勉強方法だと思います。 高校の授業とは違いますので、早く大学の講義の形に慣れるべきだと思います。 また、新しい話が多く出てきますので、難しく感じるかもしれませんが、 実際にはそんなに深くはやっていませんので、 それほど難しくはないと思います。 宿題や例題を自分でちゃんとこなせば、それほど難しいものでもないと思います。

自分のレベルに合っていない、と書いた人もいましたが、 クラス分けの成績では問題はなく、 だから「レベルに合っていない」と感じている人は、 「自分が習っていないことを仮定して教えている」 と感じているのかもしれませんが、 それは多くの人が感じていると思います。 だから勉強する必要があるのです。 少なくとも今回のテストに関する内容は、 高校の教科書がなくても、今までの講義で全て提示していて、 それを教科書、ノートを見ながら宿題をこなしていれば問題なく解けたはずです。 解けなかったのだとすれば、その勉強を怠った結果だと思います。

以前、クラス分けの成績と 基礎数理 I の最終的な結果との相関を調べてみたことがありますが、 実はあまり相関はありませんでした。 つまり、元々知識があるかどうかはあまり関係がなくて、 結局は勉強する人が高得点を取り、勉強しなければ落ちる、 ということなんだと思います。同様の質問に対する 「2005 年度の回答」 も参考にしてみてください。

基礎数理 III が難しい、という場合は、 基礎数理 III は基礎数理 I の続きですが、 基礎数理 III では基礎数理 I のようなクラス分けを行なわないため 確かに難しいと感じる人は多いかも知れません。 基礎数理 III がクラス分けされず、ある程度難しい講義であるのは、

という理由によります。 このような講義について来れるよう頑張って勉強してください。 難しいと感じるのは多分理解するのに不足している知識があるからだと思います。 不足しているところがあれば、自分で補ってください。

また、大学の講義は確かに難しいかもしれませんが、 逆に考えれば難しいからわざわざ勉強する価値があるのだろうと思います。 難しくなければ大学に来なくても勉強できるでしょう。 その難しいものをクリアして、それを身につけ、 自分を少しずつパワーアップさせて行くんだと考えたらどうでしょうか。 そうすればむしろ難しい講義ほど必要だ、と考えることもできるでしょう。
(06/19 2006)

目次に戻る

重要な問題などをプリントで配って

(基礎数理 I (情報・物質))

私は、あまりプリントでの配布に賛成的ではありません。 プリントは、見るだけなので頭に入らないからです。

静止画像を見ただけで物を覚えられる人は少ないと思いますが、 それは人間の脳がそういう仕組みになっているからです。 もし見ただけで物を覚られるようになっていると、 毎日のすべての瞬間の画像が頭に残ることになって、 大量すぎるデータを脳が管理できません。

つまり人間が記憶を行なうには、 「見る」よりも強い経験が必要で、 自分で手を動かす、ちゃんと解答を見ずに自分で考えてみる、 という体験を通すことで初めて脳に記憶されることになります。

だから、

の方が効果的なのだと思います。 鍛えるための「効果的な方法」は、 必ずしも楽な方法ではありませんが、 先人が「幾何に王道なし」といった通り、 楽をして勉強が身につく方法はありません。

単にテスト対策、という意味なのだとしたら、 それは私がやることではなくて、あなたがたがやることだと思います。
(06/19 2006)

目次に戻る

宿題や例題は教科書から取って

(基礎数理 III (情報・物質))

現在はなるべくそうしているはずです。 教科書の問題番号は書かなかったかもしれませんが、 よく見てください。教科書の問題が多いはずです。

それ以外に教科書からではない問題を使っているのだとすれば、それは、

という理由があってそうしていると思います。

けど、私が説明しなかった教科書の例を知りたければ、 それは是非自分で勉強してみてください。
(06/19 2006)

目次に戻る

解説をもっと詳しく

(基礎数理 III (情報・物質))

これ以上詳しくすると、まるで進まなくなるので難しいです。 せめてこれ位にはついてきてください。

なお、我々は講義中にすべてを理解させようと思って 講義しているわけではありません。 行と行の間の式変形の意味 (「行間」といいます) は 自分で勉強して埋める必要があります。

また、もっと詳しい説明が必要、というのは、 この講義を受講するのに必要な学問が身についていない、 という可能性があります。 もしそうだとしたら、それは私ではなく、あなたが自分で補う必要があります。
(06/19 2006)

目次に戻る

テストの解答欄が狭い

(基礎数理 III (情報・物質))

解答欄が狭ければ、裏に書いても構いません。 それでも足りなければ試験中に言ってください。 もう一枚問題用紙をあげますので。
(06/19 2006)

目次に戻る

質問


微分積分が応用されている仕事は何があるか

(基礎数理 III (情報・物質))

例えば「九九を応用した仕事は」と聞かれて答えられるでしょうか。

この例でもわかると思いますが、数学は、 表面的にあらわれる現象とは違い、 それを解析するのに使われるずっと下の基礎の部分なので、 もちろん色んな分野、色んな場面で現われるのですが、 一々これがこう、と答えることはできません。

質問者は物質生物システムの学生だったので、 それ向きにただ一つだけお話しをすれば、 微分積分は、微分方程式を解くために作られた、とも言えるような学問で、 微分積分の応用のうち重要な一つが「微分方程式」です。 微分方程式は、多くの自然現象を記述する場面で現われます。 例えば、量子力学の波動現象を記述するシュレーディンガー方程式、 気体の運動を記述するオイラー方程式、 液体の運動を記述するナビヤ・ストークス方程式 などの有名なものもありますが、 他にも化学反応の反応速度を記述する微分方程式、 拡散現象を記述する拡散方程式、 などがあります。 研究所レベルではこれらを数学的、 あるいはコンピュータで解析しながら研究やものづくりが行われていて、 身の回りの多くのものを作るのに、実は微分方程式が利用されています。

企業が優秀な大学生を求めるのは、 そういう難しい理屈を理解している人が必要な場面があるからです。 頑張って勉強しましょう。
(06/19 2006)

目次に戻る
アンケート問題のページに戻る
作成日: 06/28 2011
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)