3 回転変換と直交行列の定義

直交行列と連動して、よく「回転行列」「回転変換」という言葉が使われるが、 本稿では以下のように定義しておく。 直交行列の半分は、「回転行列」と呼ばれることもあるのであるが、 本稿ではその用語は用いず、「軸方向の回転行列」という用語のみ 後で導入することにする。

回転変換の回転方向は、その回転の向きに右ねじを回すとねじが進む方向が 回転軸ベクトル $\mbox{\boldmath$n$}$ と一致するように考えることにする。 よって、回転軸ベクトル $\mbox{\boldmath$n$}$ に関する角 $\psi$ の回転と 回転軸ベクトル $-\mbox{\boldmath$n$}$ に関する角 $\psi$ の回転は逆向きで、 $-\mbox{\boldmath$n$}$ に関する $\psi$ の回転は、 $\mbox{\boldmath$n$}$ に関する $-\psi$ の回転と同じと考える。

座標軸が右手系であれば、回転軸ベクトル $\mbox{\boldmath$k$}$ に対する $\pi/2$ の回転は、 $\mbox{\boldmath$i$}$ $\mbox{\boldmath$j$}$ に一致させる回転に等しい。

竹野茂治@新潟工科大学
2021-09-01