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8 おわりに

工学部の学生から、理学部数学科ではどんな数学をやっているのですか、 と聞かれることがあるが、数学科ではもちろん計算もやるが、 むしろこのような基本的な定理を厳密に証明する訓練が主であり、 同じ分野を勉強しても、内容 (対象) は異なっていることが多いし、 数学科の講義は工学部の講義よりもむしろ進みにくい。 この文章がそのような質問に対する一つの回答にもなっていると思う。

また、$\varepsilon$ - $\delta$ 論法は、 実は理学部数学科の学生にとっても難しく、 初年度の微積分でこれで話を進められてしまい、 高校の微積分とのギャップの大きさにつまずく学生が多いのであるが、 [1] は、このようなギャップを埋める良書である。

私も $\varepsilon$ - $\delta$ 論法を 最初にちゃんと理解したのは [1] であるが、 この文書の内容は [1] の第 1 章の内容の一部分を 解説したようなものにもなっている。 [1] は、2 章以降も非常に丁寧に書かれていて、 語り口も軽妙で、今読んでもおもしろい。 工学部の学生でも、数学の理論面に関心の深い学生には おすすめの一冊である。


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竹野茂治@新潟工科大学
2006年3月31日