# $Id: README.win-jp,v 1.6 2017-04-11 18:32:16+09 shige Exp $ README.win-jp: MS-Windows 用の説明書 (for l2h-2016) Shigeharu TAKENO ■MS-Windows 用の説明書 日本語化パッチを当てた LaTeX2HTML の、MS-Windows へのインストール手順な どを説明します。 1. はじめに ----------- MS-Windows への LaTeX2HTML のインストールに関しては、以前は阿部@北教大 さんの Web ページ 「Windows に LaTeX2HTML をインストールしよう」 http://www.phys.asa.hokkyodai.ac.jp/osamu/latex2html/index.html が良く知られていましたが、最近はその Web ページは閉鎖されたのかつながら ないようです。 LaTeX2HTML は元々 MS-Windows へのインストールの手順もついていますので、 それを参考に日本語版の LaTeX2HTML の MS-Windows へのインストールに関す る説明や注意などをここに書いておきます。 TeX の環境は、現在日本語の LaTeX が使える典型的な以下の 2 つの環境を仮 定します。 (a) W32TeX + TeX インストーラ 3 (例えば TeX Wiki: https://texwiki.texjp.org/?W32TeX 参照) (b) TeX Live 2016 (例えば TeX Wiki: https://texwiki.texjp.org/?TeX%20Live 参照) 日本語コードは、とりあえず UTF-8 を仮定し、日本語コードの変換を行わない jp2.X 系の LaTeX2HTML 日本語化パッチを使用します。すなわち、UTF-8 のコ ードの LaTeX ファイルから UTF-8 の HTML ファイルを生成します。なお、 Shift_JIS に関しては、まだ動作を確認していませんので、調査ができしだい 報告したいと思います。 日本語化パッチの置き場所、または latex2html に関する情報は以下をご覧く ださい。 http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/ltx2html.html http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/l2h-win.html なお、latex2html-2008 から、latex2html 本体のライセンスが、独自ライセン スから GPL に変わりました。この日本語化パッチもそれに従います。ライセン スについては、配布物に含まれる LICENSE ファイルを参照してください。 日本語化パッチを当てることで利用できるにようなる機能や、追加されるオプ ションなどについては、付属文書の README.tech.jp をご覧ください。 2. インストール --------------- 2.1. LaTeX2HTML で必要なソフトの準備 ------------------------------------ LaTeX2HTML で必要なソフトの準備について説明します。基本的に必要なのは、 以下のソフトです。 ・perl ・TeX (pLaTeX) ・dvips (日本語が適切に処理できるもの) ・Ghostscript (日本語が適切に処理できるもの) ・netpbm 以下で、(a) W32TeX と (b) TeX Live のそれぞれで必要なものなどについて説 明します。 2.1.1. W32TeX + TeX インストーラ 3 の場合 ----------------------------------------- W32TeX には TeX、dvips, Ghostscript (gs) は当然含まれていますので、それ を使います。デフォルトでは TeX のバイナリは C:\w32tex\bin、gs は c:\gs\gs9.21\bin (9.21 の場合) などに置かれています。 なお、gs は 7.07 などの古いものを使う場合、CMap ファイルを手動でインス トールしないと、日本語の含まれる EPS ファイルの処理に問題が出る場合があ ります。詳しくは、例えば以下を参照してください。 ・TeX Wiki Ghostscript 7.07 https://texwiki.texjp.org/?Ghostscript%207.07 Perl と netpbm は別途インストールする必要があります。Perl は Active Perl をインストールすればいいでしょう。 ・Active Perl http://www.activestate.com/activeperl/downloads デフォルトでは C:\Perl\bin などにインストールされます。 gs, Perl のパスは、それぞれインストーラが自動的に設定してくれますので、 インストール後に再起動すれば、path を手動で設定する必要はありません。 netpbm のインストールについては、「2.2 netpbm の準備」で説明します。 2.1.2. TeX Live 2016 の場合 --------------------------- TeX Live には TeX、dvips は当然含まれていますので、それを使います。デフ ォルトでは TeX のバイナリは C:\texlive\2016\bin\win32 に置かれています。 Perl と Ghostscript (gs) は、TeX Live には既に含まれていますので、それ を利用することができます。Perl の実行バイナリは C:\texlive\2016\tlpkg\tlperl\bin に、gs は C:\texlive\2016\tlpkg\tlgs\bin にあるようです。ただし、これらには path が通っていませんので、 LaTeX2HTML でこれらを使うにはその path を設定する必要がありますが、 rungs.exe という gs のフロントエンド (TeX のバイナリと同じ場所にある) を使うならば gs の path を設定する必要がありませんので、今回はその設定 を紹介します。詳細は、「2.4.2. TeX Live 2016 の場合」で説明します。 また、TeX Live に含まれている gs は、通常の gs に含まれているファイルが 削ってあり、そのため元々の LaTeX2HTML でその gs を使おうとすると失敗し ますが (gs_init.ps がないと言われる)、日本語化パッチでは対処してありま す。 もちろん、TeX Live に含まれる perl, gs とは別に Active Perl や gs を自 前でインストールして、LaTeX2HTML でそれを使うことも可能です。 2.2 netpbm の準備 ----------------- W32TeX の場合も、TeX Live の場合も、共通に netpbm は含まれていませんの で、自分でインストールする必要があります。MS-Windows では、とりあえず以 下のものを使用します。 netpbm-10.18.4 https://sourceforge.net/projects/gnuwin32/files/netpbm/10.18.4/ (1) netpbm-10.18.4.exe を上記サイトからダウンロード (2) それを実行 とすれば、C:\Program Files (x86)\GnuWin32\bin に実行バイナリがインスト ールされます。 (3) エクスプローラで「C:\Program Files (x86)\GnuWin32\bin」を開いて、 bmptoppm, pnmfile, ppmtojpeg というファイルの名前を、それぞれ .exe の 拡張子のついた bmptoppm.exe, pnmfile.exe, ppmtojpeg.exe に変更する これは、拡張子を表示する設定になっていないと作業しづらいかもしれません し、また管理者権限が必要かもしれません。 なお、この (3) は、それらがなぜかそうなっていないため必要な作業で、ほか にもいくつか .exe がついていないものがあるのですが、.exe をつけるべき Win32 のバイナリと、つけてはいけない perl スクリプトなどが含まれていま すので、とりあえず必要な上の 3 つのファイルだけ作業をしておきます。 (4) コマンドプロンプトを立ち上げて、「dir /x C:\」とすることで、 「C:\Program Files (x86)」の簡略名を取得 「C:\Program Files (x86)」のような空白の含まれるパスは LaTeX2HTML のよ うな Unix 由来のツールは苦手なので、「dir /x」で表示される別名パス指定 を利用します。これについては、「dir /x」や「8.3形式」などで検索すると情 報が見つかると思います。例えばうちの場合はその別名は「C:\PROGRA~2」でし たので、netpbm のバイナリのディレクトリは「C:\PROGRA~2\GnuWin32\bin」の ように空白の含まれないパスで指定できることになります。 以上で、必要な外部プログラムはすべて揃ったことになります。 なお、 https://sourceforge.net/projects/gnuwin32/files/netpbm/ には、10.27 という少し上記のものより新しい netpbm が置かれているのです が、これは LaTeX2HTML で使うには少し問題がありますので、使用しないでく ださい。詳しくは、 http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/l2h-win.html をご覧ください。 2.3. LaTeX2HTML 配付ファイルの入手 ---------------------------------- l2h-2016-jpYYYYMMDD-win.zip: latex2html-2016 本体と日本語化パッチを当てたもののアーカイブ を入手します。これは以下にあります。 http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/l2h-win.html それをダウンロードして展開してください。 その後はコマンドプロンプトでの作業になりますので、コマンドプロンプトを 起動し、展開したディレクトリ内に移動してください。 2.4. LaTeX2HTML のインストール作業 ---------------------------------- インストール作業は、展開したディレクトリの中で、基本的には以下の作業を 行います。 (1) prefs.pm を編集 (2) config.bat を編集 (3) config.bat を実行 (4) test.bat を実行 (5) install.bat を実行 (6) ラッパーバッチと初期化ファイルを作成 まず、(1), (2) について、2 つの環境別に説明をします。 2.4.1. W32TeX + TeX インストーラ 3 の場合 ----------------------------------------- (1) prefs.pm を編集 まず編集する必要がある項目は、EXTRAPATH で、$prefs{'EXTRAPATH'} (126 行 目付近) に netpbm のパスと gs のパスを追加します。 $prefs{'EXTRAPATH'} = 'C:\PROGRA~2\GnuWin32\bin;C:\gs\gs9.21\bin'; のようにします。'' で囲むことに注意してください。 次はインストール先 PREFIX で、$prefs{'PREFIX'} の行 (132 行目付近) を修 正します。コメントにあるように、 $prefs{'PREFIX'} = 'C:\progs\latex2html'; とでもすればいいでしょう。 最後に、TEXPATH で、$prefs{'TEXPATH'} (207 行目付近) を $prefs{'TEXPATH'} = 'C:\w32tex\bin'; と修正します。 (2) の config.bat の編集は必要がありませんので、ここまで済んだら「2.4.3. config, test, install の作業」に進んでください。 2.4.2. TeX Live 2016 の場合 --------------------------- (1) prefs.pm の編集 まず編集する必要がある項目は、EXTRAPATH で、$prefs{'EXTRAPATH'} (126 行 目付近) に netpbm のパスを追加します。 $prefs{'EXTRAPATH'} = 'C:\PROGRA~2\GnuWin32\bin'; 次はインストール先 PREFIX で、$prefs{'PREFIX'} の行 (132 行目付近) を修 正します。コメントにあるように、 $prefs{'PREFIX'} = 'C:\progs\latex2html'; とでもすればいいでしょう。 また TEXPATH は、$prefs{'TEXPATH'} (207 行目付近) を $prefs{'TEXPATH'} = 'C:\texlive\2016\bin\win32'; と修正します。 最後に GS の設定で、 $prefs{'GS'} (263 行目付近) を、 $prefs{'GS'} = 'gswin32c'; から $prefs{'GS'} = 'rungs'; に変更します。 (2) config.bat の編集 こちらは、perl の path が通っていませんので、config.bat を実行するため に perl の path を設定しておきます。config.bat の 3 行目付近に、 path=%path%;c:\texlive\2016\tlpkg\tlperl\bin という行を入れてください。これで準備は終了です。 2.4.3. config, test, install ---------------------------- (3), (4), (5) の作業は、W32TeX, TeX Live の両者で共通です。 (3) config.bat を実行 コマンドプロンプトで config.bat で config.bat を実行します。必要な外部プログラムの検索などが行われ、そ の認証結果が出力されます。うまくいかない場合、特に ghostscript のバージ ョンの検出や、pnmcrop の検出に失敗している場合は、上の設定が間違えてい る可能性があります。見直してみてください。 (4) test.bat を実行 次はコマンドプロンプトで test.bat として test.bat を実行します。これは、特に前半はよくわからないメッセー ジを出力しますが、元々用意されている英語の LaTeX ファイルで latex2html.bat などの動作テストを行います。 それがうまくいけば、現在いるディレクトリの下に tests\l2htest というディ レクトリが作られていて、その中の index.html というファイルをブラウザで 見てみれば latex2html の変換がうまくいっているか確認できます。 なお、数式を画像化して表示するページで、画像の背景が灰色になっている場 合がありますが、これは後で解消するので、この時点では無視してもらって結 構です。 (5) install.bat を実行 最後に install.bat とすれば、上で設定した PREFIX の場所に latex2html 一式をインストールし、 スタイルファイルを LaTeX のインストール先にインストールします。ただし、 最後に mktexlsr を実行しますので、それにちょっと時間がかかります。 2.4.4. ラッパーバッチと初期化ファイルの作成 ------------------------------------------- 最後に (6) のラッパーバッチファイルと初期化ファイルを作成します。 ラッパーバッチファイルは、(5) のインストール先にパスを通して、 latex2html.bat を使うようにすれば特になくてもよいのですが、ラッパーバッ チを使えば、初期化ファイルの名前、置き場所を変更したり、環境変数 TRANSPARENT_COLOR の設定などに利用できます。 ラッパーバッチファイルは、l2h.bat として既にひな形がそこに置かれていま すので、その必要な箇所を編集してください。コメントに書かれているように 設定する必要があるのは、とりあえずは set l2hdir= の後ろの latex2html のパス (PREFIX と設定したもので '' では囲まない) と set L2HINIT_NAME= の後の初期化ファイル名の名前です。それぞれ set l2hdir=c:\progs\latex2html set L2HINIT_NAME=l2h-init-jp くらいでいいでしょう (もちろん変更も可能)。 さらに、環境変数 HOME をこのバッチファイルの中で一時的に変更することで 初期化ファイルの置き場所を変更することもできます。 初期化ファイルも、l2h-init-jp というひな形が既に用意されています。実は 使用する netpbm では、PNG 形式の変換プログラムの pnmtopng にバグがある ため、GIF 形式に変換する設定がされています。PNG 形式に変換したい場合は それを編集してください。現在は、 ・$LOCAL_ICONS ・「&do_require_package("japanese");」による日本語化 ・「$IMAGE_TYPE = "gif";」による GIF 形式への変換 ・$HTML_VERSION くらいしか設定していません。なお、これは perl スクリプトなので、# で始 まる行はコメント行です。 必要なものを編集したら、l2h-init-jp のファイルを環境変数 HOME の場所に コピーし、l2h.bat をパスの通っている場所、あるいは l2h の変換作業を行う 場所などにコピーしてください。 latex2html の実行は、コマンドプロンプトで l2h file.tex のようにして実行します。latex2html が受け付けるオプションを l2h -image_type png file.tex のように指定することもできます。 テスト用の日本語 LaTeX ファイル ((4) のテストファイルを日本語化して画像 ファイルを追加したもの) を、 http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/l2h-win.html に置きますので、それをダウンロードして展開してテストしてみるといいでし ょう。詳しくは上記サイトをご覧ください。 3. その他 --------- 本パッチは無保証です。しかし色々な不具合は、対応できるものは行う予定で すので、不具合の報告、意見などは歓迎します。報告等は下記メールアドレス へお願い致します。また、バグリポート等、各種情報は、順次下記 WWW page に掲載する予定です。 e-mail: shige@iee.niit.ac.jp WWW page: http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/ltx2html.html http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/l2h-win.html 配付ライセンスは、武藤@Debian プロジェクト さんによる 99.1 用のパッチ 同様、オリジナルの LaTeX2HTML のライセンスに従うものとしたいと思います。 そして、latex2html-2008 より、latex2html 本体のライセンスが GPL となり ましたので、この日本語化パッチも それに従います。詳しくは配布物に含まれ る LICENSE ファイルを参照してください。 4. 目次 ------- 1. はじめに 2. インストール 2.1. LaTeX2HTML で必要なソフトの準備 2.1.1. W32TeX + TeX インストーラ 3 の場合 2.1.2. TeX Live 2016 の場合 2.2 netpbm の準備 2.3. LaTeX2HTML 配付ファイルの入手 2.4. LaTeX2HTML のインストール作業 2.4.1. W32TeX + TeX インストーラ 3 の場合 2.4.2. TeX Live 2016 の場合 2.4.3. config, test, install 2.4.4. ラッパーバッチと初期化ファイルの作成 3. その他 4. 目次 +=================================================+ 竹野茂治 〒945-1195 新潟工科大学 情報電子工学科 shige@iee.niit.ac.jp TEL(&FAX): 0257-22-8161 +=================================================+