竹の 03/23 2003
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latex2html-99.1 用の日本語化パッチ (武藤@Debian プロジェクト さ
ん作) を、latex2html-2002-2-1 に当たるようにしたもの (日本語化パ
ッチ jp1.7) を公開します。
1. introduction
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latex2html の日本語化は 98.1, 99.1 用には武藤@Debian プロジェク
ト さんの作られた日本語化パッチがありますが、その後の版用のものは
ないようでしたので、その日本語化パッチを、現在の latex2html の最
新版である latex2html-2002-2-1 に当たるようにしました。
あまり新たな機能は付け加えてはおらず、単にパッチが当たるようにし
ただけです。よって、バージョン間の違いによる若干の不具合がある可
能性があります。
なお、latex2html-2002, 2002-1, 2002-2 などの版は、99.1 以来の正式
リリース版で、99.2, 2K.1 版というのがありますが、これらはいずれも
alpha, beta リリースのみです。99.1 の頃よりインストールはかなり整
備され (configure base になった)、また、99.1 ではそのまま通らず、
latex2html 用に修正が必要だった LaTeX のファイルがすんなり通るよ
うになっていたり、いくつかのパッケージが新たにサポートされたり、
と間違いなく機能は上がっています。よって、このような暫定的なパッ
チでも意義はあると考え、公開することとしました。
パッチの置き場所、または latex2html に関する情報は以下をご覧くだ
さい。
http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/ltx2html.html
なお、現在日本語化パッチは 2 種類あり、
・jp1.X: nkf で漢字コードの変換を行う従来のパッチ
・jp2.X: nkf での漢字コードの変換をやめた新たなパッチ
のようになっています。従来通り ISO-2022-JP の HTML ファイルを生成
したい場合は jp1.X の方をお使い下さい。jp2.X の方は、EUC-JP (また
は Shift_JIS) の HTML を生成します。詳しくは、jp2.X のパッチ付属
のドキュメント、または上記 WWW ページをご覧下さい。
2. インストール
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2.1. 動作環境
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基本的に 99.1 と同等の環境で動作します。本パッチを当てた後に作ら
れる、99.1 の日本語化パッチ用の武藤@Debian プロジェクト さんのド
キュメント README.patch-99.1jp をご覧ください。ただし、少し注意が
必要です。
・netpbm のバージョン
latex2html が使用する netpbm というソフトには、古いもの
(netpbm-1-Mar-1994) と新しめのもの (netpbm-9.X,10.X) があります。
新しめの netpbm を使う場合、以下に注意してください。
1) pnmtopng はその中に含まれているので、別にインストールする必要
はない
2) 新しめの netpbm は 9.12 以降のものを使わないと数式の画像が変に
なる
例えば FreeBSD の ports/package install では、FreeBSD のバージョ
ンによっては丁度 latex2html には都合の悪いバージョンの netpbm が
インストールされる場合もありますので注意してください。netpbm のバ
ージョンは例えば
% pnmcrop -version
とすれば確認できます。古いものは
pnmcrop: Version: Netpbm 1 March 1994
...
新しいものは
pnmcrop: Using libpbm from Netpbm Version: Netpbm 9.20
...
のように表示されます。なるべく新しいもの、例えば netpbm-9.20 以降
のものなどを使うことをお勧めします (cf.「3. 注意 [1]」) が、古い
netpbm (netpbm-1-Mar-1994) でも正常に動作します。
なお、都合の悪い版の netpbm を使おうとすると configure の時に警告
が出ると思います。
・Perl
Perl は 5.00305 以上が必要ですが、jperl である必要はありません。
2.2. 配付ファイルの入手
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latex2html-2002-2-1.tar.gz : latex2html-2002-2-1 本体
l2h-2002-2-1+jp1.7.patch.gz: 本パッチファイル
を入手します。latex2html-2002-2-1.tar.gz は、各地の CTAN サイトや
FreeBSD や NetBSD などのミラーサイトなどにあるようです。例えば国
内では現在 (03/23 2003) 以下のサイトなどにあります。
ftp.ics.es.osaka-u.ac.jp/mirrors/FreeBSD/ports/distfiles/
ftp.riken.go.jp/pub/NetBSD/packages/distfiles/
ftp.riken.go.jp/pub/tex-archive/support/latex2html/
また、1. で紹介した WWW ページに置いてありますし、またはその WWW
ページでも紹介している最新版の置いてあるオリジナルサイト
http://saftsack.fs.uni-bayreuth.de/~latex2ht/
などを参照してください。
2.3. 展開とパッチ当て
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% gunzip -c latex2html-2002-2-1.tar.gz | tar xf -
% gunzip l2h-2002-2-1+jp1.7.patch.gz
% cd latex2html-2002-2-1
% patch -p1 < ../l2h-2002-2-1+jp1.7.patch
後は latex2html-2002-2-1 付属のインストールドキュメント INSTALL
にしたがってインストールすればいいのですが、一応インストール例を
以下に続けて書きます。
2.4. make
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必要な外部ソフトにパスが通っていれば
% ./configure --prefix=/usr/local
% make
で OK です。prefix= の後ろはインストール先です。上のようにやると
/usr/local/bin, /usr/local/lib/latex2html にインストールされます
が、これらは変更できます。これらの詳しいこと、および configure の
他のオプションについては ./configure --help を見てください。
なお、通常は --prefix=[prefix] とすると
[prefix]/bin : 実行バイナリ
[prefix]/lib/latex2html : latex2html が必要とするファイル群
のようにインストールされるのですが、[prefix] のパスに 'l2h' や
'latex2html' という文字列が含まれていると (大文字でも)
[prefix]/bin : 実行バイナリ
[prefix]/ : latex2html が必要とするファイル群
のようになるので注意が必要です。
2.5. install
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root になって
# make install
で OK です。
2.6. wrapper script
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latex2html は、日本語環境と英語の環境が切替えられるのですが、残念
ながらあまり簡単には (綺麗には) 切替えられません。詳しい話は
http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/ltx2html.html
注意、その他 (07/17 2001)
http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/ltx2html.html
注意、その他 (04/30 2002)
の辺りをご覧ください。そして、そこに書いてありますが、私のところ
ではその切替えを、wrapper script (csh のスクリプト) でごまかして
います。あまり綺麗な方法ではありませんが、その方法をここで紹介し
ます。
注: 以前のパッチ l2h-2002+jp1.5.patch では、この wrapper script
は GIF/PNG の切り替えもやっていましたが、現在の latex2html では
それがちゃんとできますので、その機能は外しました。GIF/PNG の切
り替えは、標準オプションの -image_type (gif/png) を使用してくだ
さい。
インストールは
# ./mkwrapper [prefix]
だけで OK です。wrapper script である [prefix]/bin/l2h と、2 種類
の l2hconf.pm がインストールされます。[prefix] は configure の時
に指定した物と同じ [prefix] を指定して下さい (必ず絶対パスで)。こ
の l2h を latex2html の代わりに使います。
l2h は、通常の latex2html のオプション以外に
-en : 英語の HTML を作る (-english も同じ)
-ja : 日本語の HTML を作る (-jp, -japanese も同じ: default)
の 2 種類のオプションを受け付けます。例えば
% l2h -en hoge.tex
で、英語 の HTML ができることになります。
なお、mkwrapper の中では、
[a] 日本語/英語用の l2hconf.pm (2 種類) を作る
[b] wrapper script にパスを埋め込む
[c] wrapper script をインストール
[d] 作成したファイルの削除
をやっています。
3. 注意
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いくつか注意を述べます。
[1] GIF を使う場合、netpbm の GIF への変換プログラムは例の Unisys
のライセンスへの抵触の問題があります。それに触れずに GIF を使いた
い場合は netpbm の 9.20 以降のものを入れて、pstoimg の
my $PPMTOGIF = '/usr/local/bin/netpbm/ppmtogif';
を
my $PPMTOGIF = '/usr/local/bin/netpbm/ppmtogif -nolzw';
とする (-nolzw は netpbm 9.20 以降のみ使用可) といいでしょう。た
だし、画像ファイルのサイズが多少大きくなります。また、もしかする
と GIF のナビゲーションアイコンを LZW を利用しないものに変換する
必要もあるのかもしれません (良くは知りません)。
% mkdir icons.gif
% mv icons/*.gif icons.gif
% foreach i ( icons.gif/*.gif )
% giftopnm $i | ppmtogif -nolzw > icons/`basename $i`
% end
もちろん PNG を使う方が無難だと思います。
[2] パッチを当てた後に出来る styles/japanese.perl に、日本語用の
設定が行われています。この中の sub japanese_titles には、例えば
styles/american.perl を見れば分かりますがまだ日本語用にはカスタマ
イズされていない項目がたくさんあります。この辺も好みによって書き
換えて見るといいでしょう。例えば
$next_name = "次へ";
$up_name = "上へ";
$prev_name = "前へ";
てな具合です。
[3] root になれない場合は、個人のホームディレクトリにインストール
して使いたい、ということもあるでしょうが、その場合は configure の
ときに --with-texpath=[path] をつけて、適当なインストール先を指定
するのを忘れないようにしてください。
そうでないと、latex2html 用のスタイルファイルが、システムの TeX
のディレクトリ (/usr/local/share/texmf/tex/latex/html など) にイ
ンストールされてしまいます。
[4] 日本語 pLaTeX ではマクロの名前を日本語 (全角文字) にすること
もできますが、日本語名のマクロは latex2html はうまく処理してくれ
ないようです。半角のアルファベットのマクロ名に変えてください。
[5] 現在の版の latex2html は、LaTeX2.09 も一応は通るように作られ
ていますが、LaTeX2.09 の形式のファイルに対しては色々不具合が起こ
ります。LaTeX2e に移行できるならそうした方がいいでしょう。LaTeX
2.09 の LaTeX ファイルを HTML に変換する場合は、latex2html 97.1
以前のものを使わないといけないかもしれません。
[6] 数式を画像化したファイルを作成するのに /tmp/l2hXXXX (XXXX は
プロセス番号) という作業ディレクトリが作られて、通常は作業終了後
に消されるのですが、-debug オプションをつけて起動した場合にはその
ディレクトリは残ったままになるようです。知らずに何度も -debug オ
プションを実行していると /tmp を 使い尽くしてしまう可能性がありま
すので気をつけてください。(というか私がそうやってしまった (^^;)
[7] psfrag は現在の版ではおおむねうまくいくようです。ただし、端の
方の文字を変換する際は、文字がはみ出て切れてしまうことがあります
ので注意して下さい。
[8] \section, \caption に数式を入れる場合は注意が必要です。
\caption では、\sin などが .aux ファイルで展開されて図番号が正し
く割り当てられないことがあります。その場合 \protect でその展開を
抑制して
\caption{$\protect\sin\theta$ のグラフ}
のようにする必要があります。
\section のタイトルはページ上部のリンク先のタイトルとして使われま
すが、数式部分は抜けてしまいます。よって、
\usepackage{html}
として
\section{\latexhtml{$\sin x$}{sin x} の微分}
のようにするといいでしょう。
[9] LaTeX では、位置を左寄せ、右寄せ、中央寄せにするときは、
flushleft 環境、flushright 環境、center 環境を使うやり方と
\raggedright, \raggedleft, \centering の宣言を使うやり方がありま
すが、 宣言を使う方は LaTeX の出力と LaTeX2HTML の出力で異なる結
果になる場合があるようですので、宣言の方は使わないようにするのが
いいようです。
[10] \includegraphics{} で画像ファイルを回転させるオプション
angle を使うと LaTeX2HTML ではその画像は表示されなくなります
(dvips の問題)。よって、元の画像を回転しておいて angle を使わない
ようにするか、または
\usepackage{html}
として
\begin{figure}[h]
\latexhtml{\includegraphics[angle=270]{hoge.eps}}%
{\htmlimage{flip=r270}\includegraphics{hoge.eps}}
\end{figure}
のようにする必要があります。なお、この \htmlimage{} を使う方法は
figure 環境内でないと効かないようです。
[11] 奥村@松坂大 さんの jsarticle, jsbook スタイルにも対応しまし
た (by 高久さん)。
[12] jbook, j-book スタイルにも対応しました (by 児玉さん)。
[13] ブラウザによっては日本語と欧文アクセントを使った HTML 特殊文
字 (ö など) は同居できず表示されない (または文字化けする) 場
合があります。そのため、日本語化パッチ version 1.4 からは欧文アク
セントはすべて画像化できるようにしました。ただし、最近のブラウザ
はちゃんと同居することが出来るものもあるようですので、この機能は
l2hconf.pm 内の変数で切り替えられます (version 1.6 より)。
元々の latex2html は
・欧文アクセントに対応した HTML 特殊文字があれば [num]; に変換
する (charset に依存)
・無い場合は $ACCENT_IMAGES (起動時オプション -accent_images) が
設定してあれば画像に変換し、設定してなければアクセントを外す
(例えば \"{o} -> o という風に)
という形になっていますが、charset が iso-2022-jp (日本語化パッチ
を当てた場合の default) の場合、
・$ACCENT_IMAGES (起動時オプション -accent_images) が設定してあれ
ば常に画像に変換し、設定してなければ常にアクセントを外す
ということもできるようにしました。この機能を利用する場合は、
l2hconf.pm (または .latex2html-init ファイル) で $UNUSEACCENT=1
を定義してください。現在 (jp1.7) のデフォルトは $UNUSEACCENT=0、
つまり元の latex2html の仕様に合わせてあります (なお jp1.6 では
$UNUSEACCENT=1 がデフォルトでした)。
アクセントを全て画像化する場合は、$UNUSEACCENT=1 として、
% latex2html -accent_images textrm hoge.tex
のように実行して下さい (通常 textrm と指定するようです)。
欧文のみからなる文書を、アクセントが HTML 特殊文字になるように
latex2html で変換したい場合 (つまり latex2html の元の挙動にしたい
場合)、「2.6 wrapper script」で説明した wrapper script を使うのが
便利で、コマンドラインオプション -en でできます。
なお、'i' または 'j' にアクセントを付ける場合、LaTeX では上の点を
取ってからアクセントをつけることがありますが、その場合 LaTeX では
例えば "\'\i" と書いても "\'{\i}" と書いても同じ物と解釈されます
が、残念ながら latex2html ではこれを別なものと解釈し、後者は
"\'i" とみなしてしまいます。よってその場合は前者を使用するように
して下さい。
また、latex2html では、LaTeX ではサポートされていない、丸が上に付
くアクセント (Ex. オングストローム記号) もサポートされています。
LaTeX で使う場合は、例えば u の上に丸を付ける場合は \accent23u の
のように書きます。しかし、これを \accent23{u} と書くと LaTeX では
アクセントにならず丸と u が左右に分かれます (latex2html ではどち
らも OK です)。
[14] 例えば
\newcommand{\mymacro}[1]{\mbox{\rm #1}}
のようなマクロは latex2html ではうまく展開されないようです。場合
によって
\newcommand{\mymacro}[1]{{\rm #1}}
のようにするといいかもしれません。また、'\@' で始まる名前のマクロ
や、\gdef などもうまく展開されない可能性があるようです。
[15] tabbing 環境の変換は苦手のようで、tabular 環境に変えてくれ、
というメッセージが出ます。実際に tabbing 環境を変換したものは、ず
れた形で表示されるようですので、tabular 環境で書き直した方が良い
ようです。
[16] 2 重引用府 '"' を LaTeX で使う場合、「"a", ``a''」のような書
き方がありますが (もちろん LaTeX での表示は異なりますが)、
latex2html は、通常これらを 「"a", ``a''」のままにしか変換せず、
例えば 「"a", "a"」のようにはして。くれません
(日本語化パッチの問題ではなく、オリジナルの latex2html の仕様のよ
うです)。
[17] LaTeX の書き方、のような文書を LaTeX で作る場合、「\begin」
のような文字を出力するマクロを例えばむりやり
\newcommand{\macroA}{\texttt{\symbol{"5C}begin}}
のように書いてしまうとこれは latex2html では通りません。この場合
やや裏技的ですが、例えば
\newcommand{\macroA}{\latexhtml{\texttt{\symbol{"5C}begin}}%
{\verb+\begin+}}
のようにするとうまくいくようです。通常 \verb はマクロ内ではうまく
機能しませんが、この場合は LaTeX では \texttt{} の方 (\latexhtml
の第 1 引数の方) が展開されるので関係なく、また、latex2html では
第 2 引数の方が解釈され、それが \verb 内なので \begin 自身が特殊
な意味を持つ物と解釈されることもなくうまくいくようです。
[18] latex2html が生成する各ページ上部のリンク先の文字列には
section 名が用いられますが、この名前の文字数は l2hconf.pm や
~/.latex2html-init で定義されている
$WORDS_IN_NAVIGATION_PANEL_TITLES (デフォルトでは 4)
で決まりますが、これは単語数を数えているので 日本語のセクション名
に対してはあまり意味がありません。しかし、この値はデフォルトでは
4 と定義されていますが、セクション番号もそれにカウントされるので
実際には単語数は 3 で切られてしまいます。例えば、数字と日本語の間
などに半角の空白をはさんで
\section{0 の 0 乗ってなあに}
のようにしている場合は、見出し文字列が
1 0 の 0
とされてしまいます (1 はセクション番号)。これを避けるには、上記の
変数の値を負の値にする (1000 と指定したことと同じことになる) か、
あるいは LaTeX のファイルで空白の代わりに '~' を使って
\section{0~の~0~乗ってなあに}
とする、という手があります。これなら単語数は 1 と数えられますし、
'~' はちゃんと空白に変換されます。
[19] 画像ファイルに下線が残る、というのは latex2html と netpbm の
バージョンがうまく対応していない場合の典型的な症状なのですが、そ
れ以外にも起こる場合があるようです。その場合、l2hconf.pm の (また
は configure する前に prefs.pm の 220 行付近) DVIPSOPT の -Ppdf
を取り除いて -E だけにしてみてください。
[20] LaTeX の文書で URL を書く場合、latex2html に用意されている
html.sty を利用して、そこに用意されている \htmladdtonormallink 等
のマクロを利用すると便利です。その場合、'~' という記号は '\~{}'
などではなく、\textasciitilde を使います。
また、長い URL を書く場合は url.sty に用意されている \url を使う
と便利なようです。この中では '~' はそのまま書きます。ただしこの場
合は、latex2html で変換した HTML ファイルでは '~' は空白になって
しまいます。
[21] 画像ファイル等を includegraphics を使って読み込んでいる場合
\includegraphics{./file.eps}
\includegraphics{./subdir/file.eps}
のようにカレントディレクトリからの相対パスを "./" を入れて指定す
ると、latex2html が内部で呼び出す dvips によって 画像を生成すると
ころで失敗しますので、この場合は './' を取って
\includegraphics{file.eps}
\includegraphics{subdir/file.eps}
のようにするといいようです。
[22] オリジナルの latex2html は CJK パッケージ (英語版の LaTeX2e
で中日韓の文書を書くためのパッケージ) に対応していましたが、日本
語化パッチ jp1.X は、CJK パッケージを用いた日本語文書には対応して
いません。CJK パッケージと併用する場合は、日本語化パッチ jp2.X を
使って下さい。こちらは nkf を使用しておらず、CJK パッケージの日本
語文書にも対応しています。
[23] latex2html は数式等を画像化した部分の ALT 属性として、元の
LaTeX の数式表記を利用していますが、長い数式では
ALT = "数式の頭の部分 ... 数式の最後の部分"
のようにその一部を切り出して使用しており、その数式に日本語が含ま
れている場合、2 バイト文字を 1 バイト目と 2 バイト目の切れ目で切
り離してしまって文字化けを起こしてしまうことがあります。
今のところ適当な所にスペースを挟んでみるとか、取ってみるとか、表
現をかえてみる、といった回避策しか残念ながらわかっていません。
[24] equation 環境内の \label コマンドは、その位置によって不具合
が出ることがあります。それは latex2html 内で \label コマンドが削
除された latex ファイルをコンパイルするからで、例えば
\begin{equation}
\label{test1}
\int_0^1\sin x dx
\end{equation}
のように書いた場合、equation 環境内に空行ができることになってしま
います (数式モード中の空行は LaTeX ではエラーです)。よって
\begin{equation}\label{test1}
\int_0^1\sin x dx
\end{equation}
や
\begin{equation}
\int_0^1\sin x dx\label{test1}
\end{equation}
のように書いて、\label のみの行を作らないようにして下さい。
その他の細かい情報、最新の情報などに関しては
http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/ltx2html.html
の「注意、その他」をご覧下さい。
4. その他
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本パッチは無保証です。しかし色々な不具合は、対応できるものは行う
予定ですので、不具合の報告、意見などは歓迎します。報告等は下記メ
ールアドレスへお願い致します。また、バグリポート等、各種情報は、
順次下記 WWW page に掲載する予定です。
e-mail: shige@iee.niit.ac.jp
WWW page:
http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/TeX/latex2html/ltx2html.html
配付ライセンスは、武藤@Debian プロジェクト さんによる 99.1 用の
パッチ同様、オリジナルの LaTeX2HTML のライセンスに従うものとした
いと思います。
latex2html 97.1 の頃より、武藤@Debian プロジェクト さんの日本語
化パッチをありがたく使わせて頂いています。また、色々な助言を頂い
たり、今回のパッチの公開にも快く応じて頂きました。この場を借りて
お礼申し上げます。どうもありがとうございました。
高久 雅生 (masao@ulis.ac.jp) さんから、footnote の文字化けの修正
と jsarticle, jsbook スタイルへの対応に関するパッチを頂きました。
どうもありがとうございました。
児玉@神戸高専 さんから j-article, j-report に対する不具合の報告
と jbook, j-book, ascmac スタイルへの対応に関するパッチを頂きまし
た。どうもありがとうございました。
kawafuji@msk.minolta.co.jp さんから latex2html-2K.1beta の
revision に関する不具合の報告と自作のスタイルファイルに関する不具
合の報告を頂きました。どうもありがとうございました。
山縣@ぶらっとホーム (yamagata@plathome.co.jp) さんから latex2html
-2002 に対する日本語化パッチの報告とその不具合に対するパッチ、Red
Hat Linux での日本語化パッチの採用の報告、Slackware Linux 用の日
本語パッケージに関する情報、 および latex2html-2002-2 に関する動
作の報告を頂きました。どうもありがとうございました。
Vine Linux の開発メンバーから、この日本語化パッチのサポートページ
にある Q and A の Q.2 に関して、Vine Linux の開発 tree に含まれ
る latex2html-2002 の rpm に関する情報を頂きました。どうもありが
とうございました。
鈴見咲君高 (suzumizaki@excite.co.jp) さんから、日本語化パッチの
WWW ページの間違いや HTML 4.01 への対応に関する報告、HTML4 におけ
る文字コードの扱いに関する情報、ご自身で公開されている WWW ページ
に関する情報などを頂きました。 どうもありがとうございました。
研究室の山岡薫さんとの共同作業で、latex2html の日本語化パッチと
CJK package との問題点に関する情報が得られました。 どうもありがと
うございました。
SUGIMOTO Sadahiro (ixtl@utmc.or.jp) さんから、日本語版の
latex2html の FreeBSD の新しいパッケージに関する情報を頂きました。
どうもありがとうございました。
今後、この日本語化パッチは、jp2.X では、styles/japanese.perl 等の
日本語専用ファイル以外での修正をできるだけ少くして、最終的には
latex2html のオリジナル配布物にその日本語対応が取り込まれるように
する方向で更新し、jp1.X は不具合などの修正のみの更新、としていき
たいと考えています。
5. 変更履歴
-----------
03/23 2003 ver.1.7
・latex2html-2002-2-1 用に修正
・versions/{html2_2,table}.pl の 'undefined' keyword への対処
(l2h-2K2-2-1-undefined.patch の取り込み)
・styles/j{article,report}.perl の b4paper,a4j,a5j,b4j,b5j オプシ
ョンへの対応
・$UNUSEACCENT のデフォルトを 0 に変更
・付属ドキュメントの上記に対する部分や注意 [13] の修正、jp2.X に
関する注意や [19],[20],[21],[22],[23],[24] の追加
08/24 2002 ver.1.6
・latex2html-2002-2 (rev.1.70) 用に修正
・accent に関する修正
・wrapper script から GIF/PNG 切り替え部分を削除
・付属ドキュメントの上記の部分の修正と注意 [18] の追加
04/06 2002 ver.1.5
・latex2html-2002 用に修正
・GIF/PNG, 日本語/英語 切り替え用の wrapper script の追加
・付属ドキュメントの上記に対応する部分や注意 [1],[13] の修正、
[14] の削除と [14],[15],[16],[17] の追加
01/14 2002 ver.1.4
・accent に関する修正とこのドキュメントの注意 [13] の修正
01/13 2002 ver.1.3b
・ascmac.perl の追加 (by 児玉さん)
01/08 2002 ver.1.3
・jbook,j-book の追加 (by 児玉さん)
・このドキュメントに revision に関する注意と注意 [12],[13],[14]
を追加
11/01 2001 ver.1.2c
・j-article, j-report の不具合の対応
10/30 2001 ver.1.2b
・jsbook の不具合の対応 (by 高久さん)
10/30 2001 ver.1.2
・footnote の文字化けの fix (by 高久さん)
・jsarticle, jsbook への対応 (by 高久さん)
・このドキュメントの注意 [9] [10] [11] の追加
09/25 2001 ver.1.1
・fleqn に関する部分の修正
・psfrag に関する部分の修正
・このドキュメントの注意 [1] の修正、[6],[7],[8] の追加
07/03 2001 ver.1.0
・最初のバージョン
6. 目次
-------
1. introduction
2. インストール
2.1. 動作環境
2.2. 配付ファイルの入手
2.3. 展開とパッチ当て
2.4. make
2.5. install
2.6. wrapper script
3. 注意
4. その他
5. 変更履歴
6. 目次
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竹野茂治 〒945-1195 新潟工科大学 情報電子工学科
shige@iee.niit.ac.jp TEL(&FAX): 0257-22-8161
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