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21.3.1 Statistical overview

非線形最小自乗法 (Non-Linear Least-Squares; NLLS) の理論は、誤差の正規 分布の点から一般的に記述されています。すなわち、入力データは与えられた 平均とその平均に対する与えられた標準偏差を持つガウス (正規) 分布に従う 母集団からの標本と仮定されます。十分大きい標本、そして母集団の標準偏差 を知ることに対しては、χ自乗分布統計を用いて、通常「χ自乗」と呼ばれる 値を調べることにより「当てはめの良さ」を述べることができます。減らされ た自由度のχ自乗 (χ自乗の自由度は、データ点の数から当てはめられるパラ メータの個数だけ引いた数) が 1.0 である場合は、データ点と当てはめられた 関数との偏差の重みつき自乗和が、現在のパラメータ値に対する関数と与えら れた標準偏差によって特徴付けられた母集団の、ランダムなサンプルに対する 自乗和とが全く同じであることを意味します。

分散 = 総計である数え上げ統計学同様、母集団の標準偏差が定数でない場合、 各点は観測される偏差の和と期待される偏差の和を比較するときに個別に重み づけされるべきです。

最終段階で fit は 'stdfit'、すなわち残差の RMS (自乗平均平方根) で求 められる当てはめの標準偏差と、データ点が重みづけられている場合に '減ら されたχ自乗' とも呼ばれる残差の分散をレポートします。自由度 (データ点 の数から当てはめパラメータの数を引いたもの) はこれらの評価で使用されま す。なぜなら、データ点の残差の計算で使われるパラメータは同じデータから 得られるものだからです。

パラメータに関する信頼レベルを評価することで、当てはめから得られる最小 のχ自乗と、要求する信頼レベルのχ自乗の値を決定するためのχ自乗の統計 を用いることが出来ます。しかし、そのような値を生成するパラメータの組を 決定するには、相当のさらなる計算が必要となるでしょう。

fit は信頼区間の決定よりむしろ、最後の反復後の分散-共分散行列から直 ちに得られるパラメータの誤差評価を報告します。これらの評価は、標準偏差 として計算される量の指定に関する統計上の条件が、一般には非線形最小自乗 問題では保証されないのですが、線形最小自乗問題での標準誤差 (各パラメー タの標準偏差) と同じ方法で計算されます。そしてそのため慣例により、これ らは "標準誤差" とか "漸近標準誤差" と呼ばれています。漸近標準誤差は一 般に楽観過ぎ、信頼レベルの決定には使うべきではありませんが、定性的な指 標としては役に立つでしょう。

最終的な解は相関行列も生成します。それは解の範囲におけるパラメータの相 関の表示を与えてくれます:もし一つのパラメータが変更されると、χ自乗の 増加が、他の補正の変更を行なう ? 主対角成分、すなわち自己相関はすべて 1 で、もし全てのパラメータが独立ならば他の成分はすべて 0 に近い値にな ります。完全に他を補いあう 2 つ変数は、大きさが 1 で、関係が正の相関か 負の相関かによって正か負になる符号を持つ非対角成分を持ちます。非対角要 素の大きさが小さいほど、各パラメータの標準偏差の評価は、漸近標準誤差に 近くなります。


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Shigeharu TAKENO
2003年 10月 21日