112.63 グラフ位置の調整 (offsets)

自動縮尺は、x 軸と y 軸の範囲を描画されるデータの座標に合わせます。オ フセットは、この範囲を広げる仕組みを提供し、それによりデータと描画範囲 の境界の間に隙間を作るようにします。そうすると、自動縮尺機能は、それが set autoscale noextendset xrange noextend によって抑えられてい ない場合は、軸の次の目盛りに達っするまでさらにそれぞれの範囲を拡張しま す。以下参照: noextend (112.3.1)。 オフセットは、x1, y1 軸の縮尺にのみ影響を与えます。

書式:


     set offsets <left>, <right>, <top>, <bottom>
     unset offsets
     show offsets

各オフセットは定数、または数式が使え、それらのデフォルトの値は 0 です。 デフォルトでは、左右のオフセットは x1 軸と同じ単位で指定し、上下のオフ セットは y1 軸と同じ単位で指定しますが、キーワード "graph" を用いるこ とで全グラフサイズに対する割合としてオフセットを指定することもできます。 非線形軸 (nonlinear axes) に対しては、"graph" によるオフセットのみ可能 です。

正のオフセットの値は、軸の範囲を指定された方向へ伸ばします。例えば正の 下方向のオフセットは y の最小値をより小さな値にします。負のオフセット 値は、自動縮尺とクリッピングに対して悪く影響します。

例:


     set autoscale noextend
     set offsets graph 0.05, 0, 2, 2
     plot sin(x)

この sin(x) のグラフの y の範囲は [-3:3] になります。それは、関数の y の範囲は [-1:1] に自動縮尺されますが、垂直方向のオフセットが端にそれぞ れ 2 を追加するためです。x の範囲は [-11:10] になりますが、これはデフ ォルトが [-10:10] で、左に全範囲の 0.05 の割合分広げられるためです。

竹野茂治@新潟工科大学
2024-05-24