112.53 マウス (mouse)

コマンド set mouse は、現在の対話型出力形式に対してマウス機能を有効 にします。これがデフォルトです。

マウスモードは 2 種類用意されています。2 次元モードは、plot コマンド と splot の 2 次元射影 (すなわち、z の回転角が 0, 90, 180, 270, 360 度の set view、および set view map) で動作します。このモードでは、 マウス位置が追跡され、マウスボタンや矢印キーを使って拡大したり視点移動 したりできます。グラフに対応する凡例のタイトルや別なウィジェットアイコ ンなどをクリックすることで、個々のグラフの描画をオン/オフに切り替える ことをサポートする出力形式もあります。

splot による 3 次元グラフに対しては、グラフの視方向 (view) と縮尺の 変更が、それぞれマウスボタン 1 と 2 (によるドラッグ) で行えます。ボタ ン 2 の垂直方向のドラッグを shift キーと同時に行うと、z 軸の一番下の位 置 (xyplane) を上下します。これらのボタンにさらに <ctrl> キーを押す と、座標軸は表示されますが、データの表示は消えます。これは大きなデータ に対して有用でしょう。マウスボタン 3 は、z 軸の向き (azimuth) を制御し ます (以下参照: set view azimuth (112.104.1))。

書式:


     set mouse {doubleclick <ms>} {nodoubleclick}
               {{no}zoomcoordinates}
               {zoomfactors <xmultiplier>, <ymultiplier>}
               {noruler | ruler {at x,y}}
               {polardistance{deg|tan} | nopolardistance}
               {format <string>}
               {mouseformat <int> | <string> | function <f(x,y)>}
               {{no}labels {"labeloptions"}}
               {{no}zoomjump} {{no}verbose}
     unset mouse

オプション norulerruler は、定規 (ruler) 機能を off, on にしま す。ruler には座標を与えて原点を設定することもできます。ruler が on の間、ruler の原点からマウスまでのユーザ単位での距離が連続的に表示 されます。デフォルトでは、ruler のトグルスイッチは 'r' にキー割り当て されています。

オプション polardistance は、マウスカーソルから定規 (ruler) までの距 離を極座標でも表示 (距離、および角度または傾き) するかどうかを決定しま す。これはデフォルトのキー割り当て '5' に対応します。

ボタン 2 の gnuplot の永続的なラベルを定義するには、オプション labels を使用します。デフォルトは nolabels で、ボタン 2 は単に一時 的なラベルをマウス位置に描画します。ラベルは現在の mouseformat の設 定に従って書かれます。labeloptions 文字列は、コマンド set label コ マンドに渡されます。そのデフォルトは "point pointtype 1" で、これはラ ベル位置に小さいプラス (+) を描画します。一時的なラベルは、その次の replot、またはマウスズーム操作では現れません。永続的なラベルは、ラベ ルの点の上で Ctrl キーを押してボタン 2 をクリックすることで消すことが できます。実際のラベルの位置にどれ位近くでクリックしなければいけないか の閾値も pointsize で決定されます。

オプション verbose が ON の場合、実行時の報告コマンドが表示されます。 このオプションはドライバウィンドウ上で 6 を打つことで ON/OFF がスイ ッチできます。デフォルトでは verbose は OFF になっています。

ドライバウィンドウ上で 'h' を打つと、マウスとキー割り当ての説明を表示 します。これは、ユーザ定義のキー割り当て、すなわち bind コマンドによ る hotkeys も表示します。ユーザ定義のキー割り当てはデフォルトのキー 割り当てを無効にすることに注意してください。以下も参照: bind (22.1)


Subsections
竹野茂治@新潟工科大学
2024-04-25