現在は、多重描画グラフ (multiplot) の最初の生成時に実行したコマンドを、
データブロック $GPVAL_LAST_MULTIPLOT に保存します。そしてこれは、
新しいコマンド remultiplot で再実行できます。保存したコマンドのうち
再実行に問題があるコマンドは、再実行はされません。再生成した多重描画グ
ラフは、その間にグラフの設定 (軸の範囲や対数軸設定等) が変更されていれ
ば、元のものと完全に一致するとは限りません。
以下のコマンド列は、元のグラフの状態と multiplot コマンドの両方をスク
リプトファイルに保存し、後で再読み込みできるようにします。
save "my_multiplot.gp"
set multiplot
... (グラフ要素を生成するいくつかのコマンドが並ぶ) ...
unset multiplot
set print "my_multiplot.gp" append
print $GPVAL_LAST_MULTIPLOT
unset print
- コマンド replot は、直近の plot コマンドが完了済みの multiplot の
一部分であるかどうかをチェックします。もしそうなら、単一の plot コマ
ンドを実行する代わりに remultiplot を実行します。
- 試験段階: 表示されている multiplot グラフ上でのウィンドウイベント、
マウスイベント、またはホットキーが生成する replot の要求は、適切な場
合は remultiplot を呼び出します。これは、現在はスクリーン上に表示
中の multiplot グラフを、例えばリサイズ可能であることを意味します。
しかし、マウス座標の読み出し、拡大/視点移動の操作は、以前の gnuplot
の版でそうだったように、最後の plot 要素に対する軸設定にのみ基づいて
行われます。$GPVAL_LAST_MULTIPLOT に保存されるコマンドが、各 plot 要
素に対する適切なグラフ設定を再生成するには不十分である可能性があるた
め、multiplot でのマウス操作は、あなたが望むようなものにはならないか
もしれません。これは今後改善されるでしょう。
竹野茂治@新潟工科大学
2024-05-31