書式:
set terminal x11 {<n> | window "<string>"} {title "<string>"} {{no}enhanced} {font <fontspec>} {linewidth LW} {{no}persist} {{no}raise} {{no}ctrlq} {{no}replotonresize} {close} {size XX,YY} {position XX,YY} set terminal x11 {reset}
複数のグラフ描画ウィンドウをサポートしています。set terminal x11 <n> は番号 n の描画ウィンドウに出力します。n が 0 でなければ、タイトルが明 示的に指定されていなければその番号がウィンドウタイトルとしてつけられ、 アイコンには Gnuplot <n> とラベル付けされます。現在有効なウィンドウ はカーソル記号の変化で区別できます (デフォルトカーソルから十字カーソル へ)。
x11 出力形式は、外部のアプリケーションによって生成されている X のウィ ンドウの X ID (16 進表記) をオプション window の後に文字列として指定 することで、そのウィンドウと接続できます。X は複数のクライアントにイベ ント ButtonPress の選択を認めないため、gnuplot その外部ウィンドウをコン テナとして使用します。この方法により、gnuplot のマウス機能はとりこまれ た描画ウィンドウ内でも作動します。
set term x11 window "220001e"
x11 出力形式は、利用可能なフォントの元で拡張文字列処理モード (以下参照: enhanced) をサポートしています。文字列に埋め込まれ、様々な効果を与え るフォントサイズ命令のために、デフォルトの x11 フォントがスケーラブル フォントである必要があります。よって、以下の最初の例はうまくいくでしょ うが、2 番目のものはそうではないでしょう。
set term x11 enhanced font "arial,15" set title '{/=20 Big} Medium {/=5 Small}'
set term x11 enhanced font "terminal-14" set title '{/=20 Big} Medium {/=5 Small}'
gnuplot ドライバが別な出力ドライバに変更されても、描画ウィンドウは開 いたままになります。描画ウィンドウは、そのウィンドウにカーソルを置いて 文字 q を押すか、ウィンドウマネージャのメニューの close を選択すれば 閉じることができます。reset を実行すれば全てのウィンドウを一度に閉じ れます。それは実際にウィンドウを管理している子プロセスを終了します (も し -persist が指定されていなければ)。コマンド close は、個々の描画 ウィンドウを番号を指定して閉じるのに使うことができます。しかし、persist のために残っているような描画ウィンドウは close コマンドでは閉じること はできません。番号を省略して close した場合には現在有効な描画ウィンド ウを閉じます。
gnuplot の外にあるドライバ gnuplot_x11 は、プログラムのコンパイル時に 選択されたデフォルトの場所が検索されます。これは環境変数 GNUPLOT_DRIVER_DIR を異なる場所と定義することで変更できます。
描画ウィンドウは -persisit オプションが与えられていなければ、対話の 終了時に自動的に閉じられます。
オプション persist と raise はデフォルトでは設定されていませんが、 それは、デフォルトの値 (persist == no で raise == yes) か、コマンドラ インオプション -persist / -raise の指定か、または X のリソース値が使わ れる、ということを意味します。[no]persist か [no]raise が指定されると それはコマンドラインオプションや X リソースの設定よりも優先されます。 これらのオプションの設定は直ちに効力を持ちますので、既に起動しているド ライバの挙動は変更されます。ウィンドウを前面に出せない場合は、以下参照: raise。
オプション replotonresize (デフォルトで有効) は、描画ウィンドウのリ サイズ時にデータを再描画します。このオプションなしだと、アスペクト比の 変わらない拡大であっても、リサイズ後にウィンドウの一部分にしか描画され ない可能性があります。このオプションを使えば、gnuplot は各リサイズイベ ント毎に完全な再描画を行いますので、枠内をより綺麗に使ってくれます。リ サイズの間の再描画による潜在的な CPU への負荷が心配でない場合、このオ プションは普通は望ましいものです。再描画は、ホットキー 'e' や 'replot' コマンドで手動で実行することも可能です。
オプション title "<title name>" は現在の描画ウィンドウに、または番号 を指定すればその番号の描画ウィンドウに対するウィンドウタイトル名をつけ ます。そのタイトルが表示される場所、または表示されるかどうかは、使って いる X のウィンドウマネージャに依存します。
オプション size は、描画ウィンドウのサイズを設定するのに使用できます。 このオプションは、その後に生成するウィンドウのみに適用されます。
オプション position は、描画ウィンドウの位置を設定するのに使えます。 このオプションは、その後に生成するウィンドウのみに適用されます。
描画サイズとアスペクト比は、gnuplot のウィンドウをリサイズすることで も変更できます。
線の幅と点のサイズは gnuplot の set linestyle で変更可能です。
出力ドライバ x11 に関しては、gnuplot は (起動時に)、コマンドライン、 または設定ファイルから、geometry や font, name などの通常の X Toolkit オプションやリソースの指定を受け付けます。それらのオプションについては X(1) マニュアルページ (やそれと同等のもの) を参照してください。
他にも x11 出力形式用の多くの gnuplot のオプションがあります。これ
らは gnuplot を呼ぶときにコマンドラインオプションとして指定するか、
または設定ファイル ".Xdefaults" のリソースとして指定できます。これら
は起動時に設定されるので、gnuplot 実行時には変更できません
(persist と raise 以外は)。