書式:
set border {<integer>} {front | back | behind} {linestyle | ls <line_style>} {linetype | lt <line_type>} {linewidth | lw <line_width>} {linecolor | lc <colorspec>} {dashtype | dt <dashtype>} {polar} unset border show border
set view 56,103 のように任意の方向で表示されうる splot では、 x-y 平面上の 4 つの角は 手前 (front), 後ろ (back) , 左 (left), 右 (right) のように呼ばれます。もちろんこの同じ 4 つの角は天井の面にも あります。よって、例えば x-y 平面上の後ろと右の角をつなぐ境界を "底の右後ろ (bottom right back)" と言い、底と天井の手前の角をつなぐ境 界を "鉛直手前 (front vertical)" と呼ぶことにします (この命名法は、読 者が下の表を理解するためだけに使われます)。
枠は、12 ビットの整数に符号化されています: 下位 4 ビットは plot に対 する外枠、splot に対しては底面の外枠、次の 4 ビットは splot の鉛直 な外枠、そして上位 4 ビットは splot の天井面の外枠を制御します。よっ て外枠の設定は、次の表の対応する項目の数字の和になります:
グラフ境界の符号化 | ||
ビット | plot | splot |
1 | 下 | 底の左手前 |
2 | 左 | 底の左後ろ |
4 | 上 | 底の右手前 |
8 | 右 | 底の右後ろ |
16 | 効果なし | 鉛直左 |
32 | 効果なし | 鉛直後ろ |
64 | 効果なし | 鉛直右 |
128 | 効果なし | 鉛直の手前 |
256 | 効果なし | 天井の左後ろ |
512 | 効果なし | 天井の右後ろ |
1024 | 効果なし | 天井の左手前 |
2048 | 効果なし | 天井の右手前 |
4096 | 極座標系 | 効果なし |
デフォルトの設定値は 31 で、これは plot では 4 方向の外枠全て、 splot では底面の枠線全部と z 軸を描くことを意味します。
2 次元描画では境界はすべての描画要素の一番上に描かれます (front)。 もし境界を描画要素の下に描かせたい場合は、set border back としてくだ さい。
3 次元隠線処理 (hidden3d) 描画では、通常は境界を構成する線も描画要素と 同様に隠線処理の対象になります。set border behind とするとこのデフォ ルトの挙動が変わります。
<linestyle>, <linetype>, <linewidth>, <linecolor>, <dashtype> を指定し て、枠線の描画にそれらを反映させることができます (現在の出力装置がサポ ートするものに限定されます)。 さらに、軸の刻み (tics) を描画する際も、それらを境界線上で描画するか、 軸上で描画するかに関わらず、このラインスタイルを使用します。
plot では、第 2 軸を有効にすることで、下と左以外の境界に目盛りを描く ことができます。詳細は、以下参照: xtics。
"unset surface; set contour base" などによって splot で底面にのみ 描画する場合、鉛直線や天井はそれらが指定されていても描画されません。
set grid のオプション 'back', 'front', 'layerdefault' でも、描画出力 の境界線を書く順番を制御できます。
キーワード polar は、極座標グラフに円形の境界をつけます。
例:
以下は、デフォルトの枠線を描きます:
set border
以下は、plot では左と下、splot では底面の左手前と左後ろの枠線を描
きます:
set border 3
以下は、splot で周りに完全な箱を描きます:
set border 4095
以下は、手前の鉛直面と天井のない箱を描きます:
set border 127+256+512 # または set border 1023-128
以下は、plot に対して上と右枠線のみを描き、それらを軸として目盛りづ
けします:
unset xtics; unset ytics; set x2tics; set y2tics; set border 12
竹野茂治@新潟工科大学