99.61 図形オブジェクト (object)

コマンド set object は、その後のすべてのグラフに現れる単一のオブジェ クトを定義します。オブジェクトはいくつでも定義できます。オブジェクトの 型は、現在は rectangle (長方形)、circle (円)、ellipse (楕円) を サポートしています。長方形は、コマンド set style rectangle によって 設定されたスタイルの属性の組 (塗り潰し、色、境界) をデフォルトとして受 け継ぎますが、個々のオジェクトを別々のスタイル属性で描画することももち ろん可能です。円と楕円は、set style fill による塗り潰しスタイルを受 け継ぎます。2 次元グラフのオブジェクトは、軸座標、グラフ座標 (graph), 極座標、スクリーン座標 (screen) のいずれの組み合わせでも定義できます。

3 次元グラフのオブジェクト指定では、グラフ座標は使えません。3 次元の長 方形と楕円は、スクリーン座標だけに制限されています。

書式:

   set object <index>
       <object-type> <object-properties>
       {front|back|behind|depthorder}
       {clip|noclip}
       {fc|fillcolor <colorspec>} {fs <fillstyle>}
       {default} {lw|linewidth <width>} {dt|dashtype <dashtype>}
   unset object <index>

<object-type> は、rectangle, ellipse, circle, polygon のいずれ かです。個々のオブジェクトの型は、その型に特有の性質もいくつか持ってい ます。

オプション front, back, behind は、グラフ自身の描画の前、あるい は後のどちらに描くかを制御します。以下参照: layers (p. [*])front を指定すると、オブジェクトはすべての描画要素の前 (上) に描画さ れますが、front と指定されたラベルよりは後ろ (下) になります。back を指定すると、すべての描画要素、すべてのラベルの後ろに配置されます。 behind は、軸や back の長方形を含むすべてのものの後ろに配置されま す。よって、

   set object rectangle from screen 0,0 to screen 1,1 behind

は、グラフやページ全体の背景に色をつけるのに利用できます。

デフォルトでは、オブジェクトは、少なくとも 1 つの頂点がスクリーン座標 で与えられていない限り、グラフ境界でクリッピングされます。noclip と 設定すると、グラフ境界でのクリッピングは無効になりますが、スクリーンサ イズに対するクリッピングは行われます。

オブジェクトの塗り潰しの色は <colorspec> で指定します。fillcolorfc と省略できます。塗り潰しスタイルは <fillstyle> で指定します。詳細 は、以下参照: colorspec (p. [*]), fillstyle (p. [*])。キーワード default を指定す ると、これらの属性は描画が実際に行われるときのデフォルトの設定を受け継 ぎます。以下参照: set style rectangle (p. [*])


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竹野茂治@新潟工科大学
2020-12-08