99.123 軸主目盛り指定 (xtics)

x 軸の (見出しのつく) 大目盛りは コマンド set xtics で制御できます。 目盛りは unset xtics で消え、set xtics で (デフォルトの状態の) 目 盛りがつきます。y,z,x2,y2 軸の大目盛りの制御を行なう同様のコマンドがあ ります。

書式:

     set xtics {axis | border} {{no}mirror}
               {in | out} {scale {default | <major> {,<minor>}}}
               {{no}rotate {by <ang>}} {offset <offset> | nooffset}
               {left | right | center | autojustify}
               {add}
               {  autofreq
                | <incr>
                | <start>, <incr> {,<end>}
                | ({"<label>"} <pos> {<level>} {,{"<label>"}...) }
               {format "formatstring"} {font "name{,<size>}"} {{no}enhanced}
               { numeric | timedate | geographic }
               {{no}logscale}
               { rangelimited }
               { textcolor <colorspec> }
     unset xtics
     show xtics

同じ書式が ytics, ztics, x2tics, y2tics, cbtics にも適用され ます。

axisbordergnuplot に目盛り (目盛りの刻み自身とその見出し) を、それぞれ軸につけるのか、境界につけるのかを指示します。軸が境界にと ても近い場合、axis を使用すると目盛りの見出し文字を境界の外に出して しまうでしょう。この場合自動的なレイアウトアルゴリズムによる余白設定は 大抵よくないものとなってしまいます。

mirrorgnuplot に反対側の境界の同じ位置に、見出しのない目盛りを 出力するよう指示します。nomirror は、あなたが想像している通りのこと を行ないます。

inout は目盛りの刻みを内側に描くか外側に描くかを切り変えます。

目盛りの刻みのサイズは scale で調整できます。<minor> の指定が省略さ れた場合は、それは 0.5*<major> になります。デフォルトのサイズは、大目 盛りが 1.0 で小目盛りが 0.5 で、これは scale default で呼びだせます。

rotate は、文字列を 90 度回転させて出力させようとします。これは、文 字列の回転をサポートしている出力ドライバ (terminal) では実行されます。 norotate はこれをキャンセルします。rotate by <ang> は角度 <ang> の 回転を行ないますが、これはいくつかの出力形式 (terminal) でサポートされ ています。

x と y 軸の大目盛りのデフォルトは border mirror norotate で、x2, y2 軸は border nomirror norotate がデフォルトです。z 軸には、 {axis | border} オプションは無効で、デフォルトは nomirror です。z 軸の目盛りをミラー化したいなら、多分 set border でそのための空間をあ ける必要があるでしょう。

<offset> は x,y かまたは x,y,z の形式で指定しますが、それに座標系を選 択して、その前に first, second, graph, screen, character の いずれかをつけることもできます。<offset> は刻み文字のデフォルトの位置 からのずれを表し、デフォルトの座標系は character です。詳細は、以下参照: coordinates (p. [*])nooffset はずらしを無効にします。

例:

xtics をより描画に近づける:

     set xtics offset 0,graph 0.05

デフォルトでは見出しラベルは、美しい結果を生むように、軸と回転角に依存 した位置に自動的に揃えられますが、気にいらなければ、明示的に left, right, center のキーワードにより位置揃えを変更できます。 autojustify でデフォルトの挙動に復帰します。

オプションなしで set xtics を実行すると、目盛りが表示される状態であ れば、それはデフォルトの境界、または軸を復元し、そうでなければ何もしま せん。その前に指定した目盛りの間隔、位置 (と見出し) は保持されます。

目盛りの位置は、デフォルト、またはオプション autofreq が指定されてい れば自動的に計算されます。

目盛りの位置の列は、目盛りの間隔のみ、または開始位置と間隔と終りの位置、 のいずれかを指定することができます (以下参照: xtics series (p. [*]))。

明示的な位置のリストを与えることで、個々の目盛りの位置を個別に指定する こともできます。各位置には、それに対する見出しラベルを指定することもで きます。以下参照: xtics list (p. [*])

しかし指定しても、表示されるのはあくまで描画範囲のものだけです。

目盛りの見出しの書式 (または省略) は set format で制御されます。ただ しそれは set xtics (<label>) の形式の明示的な見出し文字列が含まれ ていない場合だけです。

(見出し付けされない) 小目盛りは、set mxtics コマンドで自動的に追加す るか、または位置を手動で set xtics ("" <pos> 1, ...) の形式で与える こともできます。

刻みの見た目 (線種、幅等) は、それを軸の上に描く場合であっても、境界線 によって決定されます (以下参照: set border (p. [*]))。


Subsections
竹野茂治@新潟工科大学
2020-07-21