106.66 Windows

出力形式 windows は、グラフ描画と文字列描画に Windows GDI を使用する 高速な対話型出力ドライバです。Windows では、複数の環境で動作する wxt 出力形式、qt 出力形式もサポートされています。

書式:

     set terminal windows {<n>}
                          {color | monochrome}
                          {solid | dashed}
                          {rounded | butt}
                          {enhanced | noenhanced}
                          {font <fontspec>}
                          {fontscale <scale>}
                          {linewdith <scale>}
                          {pointscale <scale>}
                          {background <rgb color>}
                          {title "Plot Window Title"}
                          {size <width>,<height>}
                          {position <x>,<y>}
                          {docked {layout <rows>,<cols>} | standalone}
                          {close}

複数のウィンドウ描画がサポートされています: set terminal win <n> で 出力が番号 n の描画ウィンドウに送られます。

color, monochrome は、カラー出力か白黒出力かの選択で、 dashedsolid は、点線と実線の選択です。color では solid が デフォルトで、monochrome では dashed がデフォルトです。 rounded は、線の端や接合部を丸くし、デフォルトの butt は尖った端と 角張った接合部を使用します。 enhanced は拡張文字列処理 (enhanced text mode) の機能 (上付、下付文字 やフォントの混在) を有効にします。詳細は以下参照: enhanced text (p. [*])<fontspec>"<fontface>,<fontsize>" の形式で、"<fontface>" は有 効な Windows のフォント名で、<fontsize> はポイント単位でのフォントの 大きさです。この両要素はいずれも省略可能です。 以前の版の gnuplot では、font キーワードは省略可能で、<fontsize> は引用符なしの数値で与えることができましたが、現在はその形式はサポートしていませんので注意してください。 linewidth, fontscale, pointscale で、線の幅、文字サイズ、点記号の 大きさを伸縮できます。 title は、グラフウィンドウのタイトルを変更します。 size はウィンドウ内の描画領域のピクセル単位での幅と高さを、wsize は ウィンドウ自身の実際のサイズを、position はウィンドウの原点、すなわち 左上角のスクリーン上のピクセル単位での位置を定義します。これらのオプシ ョンは、ファイル wgnuplot.ini のデフォルトの設定を上書きします。

docked は、グラフウィンドウを、wgnuplot のテキストウィンドウの中に埋 め込み、sizeposition のオプションを無視します。docked は、コ ンソール版の gnuplot では利用できないことに注意してください。このオプシ ョンを設定すると、新規のウィンドウに対してデフォルトの値を変更します。 最初のデフォルトは、standalone です。ドッキングモードでは、グラフの最 小列数、行数は追加オプション layout で保持できます。指定されたレイア ウト以上にグラフがある場合は、行を追加します。複数のグラフは、数値 ID でソートし、行方向に埋めていきます。

他のオプションもグラフメニューや初期化ファイル wgnuplot.ini で変更で きます。

Windows 版は、非対話型モードでは通常、コマンドラインから与えたファイル の最後に達すると直ちに終了しますが、コマンドラインの最後に - を指定 した場合は別です。また、このモードではテキストウィンドウは表示せず、グ ラフのみの表示となりますが、オプションとして -persist (x11 版の gnuplot と同じオプション; 従来の Windows のみのオプション /noend-noend を使うこともできます) を指定すると gnuplot は終了しなくなりま す。この場合他の OS での gnuplot の挙動とは異なり、-persist オプション 後も gnuplot の対話型コマンドラインを受け付けます。

コマンド set term で gnuplot の出力形式を変更した場合、描画ウィンドウ はそのまま残りますが、set term windows close で描画ウィンドウを閉じる ことができます。

gnuplot は、Windows 上での出力の生成のためのいくつかの方法をサポート しています。以下参照: windows printing (p. [*])。windows 出力形式は、クリップ ボードや EMF ファイルを通して他のプログラムとのデータの交換をサポートし ています。以下参照: graph-menu (p. [*])。EMF ファイルを生成するには、emf 出 力形式を使うこともできます。


Subsections
竹野茂治@新潟工科大学
2019-05-30