95.87 全軸目盛り制御 (tics)

コマンド set tics は、全ての軸の目盛りの刻みとラベルを一度に制御しま す。

目盛りは unset tics で消え、set tics で目盛りがつきます (デフォル ト)。個々の軸の目盛りは、これとは別のコマンド set xtics, set ztics などを使って制御できます。

書式:

     set tics {axis | border} {{no}mirror}
              {in | out} {front | back}
              {{no}rotate {by <ang>}} {offset <offset> | nooffset}
              {left | right | center | autojustify}
              {format "formatstring"} {font "name{,<size>}"} {{no}enhanced}
              { textcolor <colorspec> }
     set tics scale {default | <major> {,<minor>}}
     unset tics
     show tics

オプションは、個々の軸 (x, y, z, x2, y2, cb) にも適用できます。例:

     set xtics rotate by -90
     unset cbtics

軸の刻みの線属性は、すべてグラフの境界 (以下参照: set border (p. [*])) と同じ ものを使って描かれます。

tics の back または front の設定は、2D 描画 (splot は不可) にのみ すべての軸に 1 度適用されます。これは、目盛りと描画要素が重なった場合 に目盛りを描画要素の前面に出すか、奥に置くかを制御します。

axisbordergnuplot に目盛り (目盛りの刻み自身とその見出し) を、それぞれ軸につけるのか、境界につけるのかを指示します。軸が境界にと ても近い場合、axis を使用すると境界が表示されていれば (以下参照:set border (p. [*])) 目盛りの見出し文字を境界の外に出してしまうでしょう。この 場合自動的なレイアウトアルゴリズムによる余白設定は大抵よくないものとな ってしまいます。

mirrorgnuplot に反対側の境界の同じ位置に、見出しのない目盛りを 出力するよう指示します。nomirror は、あなたが想像している通りのこと を行ないます。

inout は目盛りの刻みを内側に描くか外側に描くかを切り変えます。

set tics scale は、目盛りの刻みの大きさを制御します。最初の <major> の値には、自動的に生成され、またユーザも指定できる大目盛り (レベル 0) を指定し、2 つ目の <minor> の値には、自動的に生成され、またユーザも指 定できる小目盛り (レベル 1) を指定します。<major> のデフォルトは 1.0 で、<minor> のデフォルトは <major>/2 です。さらに値を追加すれば、レベ ル 2, 3, ... の目盛りの大きさになります。set tics scale default でデ フォルトの目盛りの大きさに復帰します。

rotate は、文字列を 90 度回転させて出力させようとします。これは、文 字列の回転をサポートしている出力ドライバ (terminal) では実行されます。 norotate はこれをキャンセルします。rotate by <ang> は角度 <ang> の 回転を行ないますが、これはいくつかの出力形式 (terminal) でサポートされ ています。

x と y 軸の大目盛りのデフォルトは border mirror norotate で、x2, y2 軸は border nomirror norotate がデフォルトです。z 軸のデフォルトは nomirror です。

<offset> は x,y かまたは x,y,z の形式ですが、それに座標系を選択して、 その前に first, second, graph, screen, character のいずれか をつけることもできます。<offset> は、目盛りの見出し文字列のデフォルト の位置からのずらし位置で、そのデフォルトの単位系は character です。 詳細は、以下参照: coordinates (p. [*])nooffset は offset を OFF にします。

デフォルトでは見出しラベルは、美しい結果を生むように、軸と回転角に依存 した位置に自動的に揃えられますが、気にいらなければ、明示的に left, right, center のキーワードにより位置揃えを変更できます。 autojustify でデフォルトの挙動に復帰します。

オプションなしの set tics は、第 1 軸に対する鏡映 (mirror) と内側向 き目盛りの刻みをデフォルトの挙動に復帰しますが、その他の全てのオプショ ンは、直前の値を保持します。

大目盛り (ラベルのつく) の他の制御に関しては、以下参照: set xtics (p. [*])。 小目盛りの制御に関しては、以下参照: set mxtics (p. [*])。これらのコマンドは、 各軸の独立な制御を提供します。

竹野茂治@新潟工科大学
2019-05-30