fit は、解から遠くから始めると失敗するかも知れませんし、しばしばそれ は起こり得ます。遠くというのは、SSR が大きく、パラメータの変化に対して その変化が小さい、あるいは数値的に不安定な領域 (例えば数値が大きすぎて 浮動小数の桁あふれを起こす) に到達してしまって、その結果 "未定義値 (undefined value)" のメッセージか gnuplot の停止を引き起こしてしまう ような場合を意味します。
大域的な最適値を見つける可能性を改善するには、最初の値をその解に少なく ともほぼ近くに取るべきでしょう。例えば、もし可能ならば一桁分の大きさの 範囲内で。最初の値が解に近いほど不正な解で終了してしまう可能性は低くな ります。最初の値を見つける一つの方法は、データと当てはめ関数を同じグラ フの上に描画して適当な近さに達するまで、パラメータの値を変更して replot することを繰り返すことです。その描画は、不正な極小値を見つけ たことで当てはめが終了したかどうかをチェックするのにも有用です。
もちろん、見た目が良い当てはめが見つかっても、それは "それよりよい" 当 てはめ (ある改良された当てはめの良さの基準によって特徴付けられた統計学 的な意味で、あるいはそのモデルのより適切な解である、という物理的な意味 で) が存在しないことの証明にはなりません。問題によっては、各パラメータ の意味のある範囲をカバーするような様々な初期値の集合に対して fit す ることが望ましいかも知れません。
竹野茂治@新潟工科大学