15 環境変数 (Environment)

gnuplot は多くのシェル環境変数を認識します。必須のものはありませんが、 使えば便利になるかも知れません。

GNUTERM は、それが定義されていれば、起動時の出力形式を設定するのに使わ れます。バージョン 5.2 からは、GNUTERM の文字列全部が "set term" に渡 されるので、そこに terminal オプションを入れることもできます。例:

    GNUTERM="postscript eps color size 5in, 3in"

これは、~ /.gnuplot (またはそれに相当する) 初期化ファイル (以下参照:startup (26)) による指定や、もちろんその後の明示的な set term コマンド による指定で変更できます。

GNUHELP にヘルプファイル (gnuplot.gih) のパス名を定義しておくことがで きます。

VMS では、論理名 GNUPLOT$HELP を gnuplot のヘルプライブラリの名前と して定義します。gnuplot のヘルプは任意の VMS システムのヘルプライブ ラリに入れることができます。

Unix においては、カレントディレクトリに .gnuplot というファイルがない 場合には、HOME に定義されたディレクトリを探します。MS-DOS, Windows, OS/2 では GNUPLOT がその役割に使われます。Windows では、NT 専用の変数 USERPROFILE も参照されます。VMS では SYS$LOGIN です。help startup と打ってみてください。

Unix においては、PAGER がヘルプメッセージの出力用のフィルタとして使わ れます。

Unix では、SHELL が shell コマンドの際に使われます。MS-DOS, OS/2 で は COMSPEC が shell コマンドの際に使われます。

FIT_SCRIPT は、当てはめ (fit) が中断されたときに実行する gnuplot コマンドの指定に使われます。以下参照: fit (75)FIT_LOG は当てはめによ るログファイルのデフォルトのファイル名の指定に使われます。

GNUPLOT_LIB は、データやコマンドファイルの検索ディレクトリを追加定義す るのに使われます。その変数は、一つのディレクトリ名かまたは複数のディレ クトリ名を書くことができますが、ディレクトリの区切りはプラットホーム毎 に違います。例えば Unix では ':' で、MS-DOS, Windows, OS/2 では ';' で す。GNUPLOT_LIB の値は変数 loadpath に追加されますが、それは savesave set コマンドでは保存されません。

出力ドライバの中には gd ライブラリ経由で TrueType フォントを扱えるもの もいくつかあります。これらのドライバのフォント検索パスは、環境変数 GDFONTPATH で制御できます。さらに、それらのドライバでのデフォルトのフ ォントは環境変数 GNUPLOT_DEFAULT_GDFONT で制御できます。

postscript 出力ドライバは自分で持っているフォント検索パスを使いますが、 それは環境変数 GNUPLOT_FONTPATH で制御できます。書式は GNUPLOT_LIB と 同じです。GNUPLOT_FONTPATH の値は変数 fontpath に追加されますが、そ れは savesave set コマンドでは保存されません。

PostScript ドライバは、外部 (組み込まれていない) 定義ファイルを探すた めに環境変数 GNUPLOT_PS_DIR を利用します。インストール時の作業により、 gnuplot にはそれらのファイルのコピーが組み込まれているか、またはデフォ ルトのパスが埋め込まれています。この変数は、postscript 出力形式でデフ ォルトのファイルの代わりにカスタマイズした prologue ファイルを使用する のに利用できます。以下参照: postscript prologue (106.48.3)

竹野茂治@新潟工科大学
2018-05-09