106.22 Fig

fig ドライバは Fig グラフィック言語での出力を生成します。

書式:

     set terminal fig {monochrome | color}
                      {landscape | portrait}
                      {small | big | size <xsize> <ysize>}
                      {metric | inches}
                      {pointsmax <max_points>}
                      {solid | dashed}
                      {font "<fontname>{,<fontsize>}"}
                      {textnormal | {textspecial texthidden textrigid}}
                      {{thickness|linewidth} <units>}
                      {depth <layer>}
                      {version <number>}

monochromecolor は 画像を白黒にするか color にするかを決定し ます。smallbig は、デフォルトの landscape モードではグラフを 5x3 インチにするか 8x5 インチにするか、portrait モードでは 3x5 イン チにするか 5x8 インチにするかを決定します。size は描画範囲を < xsize> *< ysize> に設定 (変更) します。この場合の単位は、inchesmetric かの設定によってそれぞれインチかセンチメートルかになります。 この設定は "xfig" での編集に対するデフォルトの単位としても使われます。

pointsmax < max_points> は折れ線の最大点数を設定します。

solid は、実線 (solid) の linestyle が全部使われてしまった後で自動的 に使われる点線の使用を抑制し、別な形で表示します。

font は、テキストフォントフェース名を < fontname> に、フォントサイズを < fontsize> ポイントに設定します。textnormal はテキストフラグの設定を リセットして postscript フォントを選択し、textspecial はテキストフラ グを LaTeX special に設定し、texthidden, textrigid はそれぞれ無表示 のテキスト、スケーリングされないテキスト用のフラグを設定します。

depth は全ての線と文字列に対する、重なりに関するデフォルトの深さ (depth layer) を設定します。デフォルトの深さは 10 で、"xfig" でグラフ の上に何かを上書きするための余地を残しています。

version は生成される fig 出力の書式バージョンを設定します。現在は、 バージョン 3.1 と 3.2 のみがサポートされています。

thickness はデフォルトの線の太さを設定し、指定されなければ 1 になりま す。太さの変更は、plot コマンドの linetype の値に 100 倍の数を加え ることで実現できます。同様に、(デフォルトの深さに対する) 各描画要素の 深さの値は < linetype> に 1000 倍の数を加えることで制御できます。よって その深さは < layer> +< linetype> /1000 になり、線の太さは (< linetype> %1000) /100 となりますが、その値が 0 の場合はデフォルトの線の太さになります。 linewidththickness と同義です。

plot コマンドの point スタイルによる描画の際の記号を fig ドライ バで追加することもできます。記号の指定は (pointtype の値) % 100 の 50 以上の値が使われ、その塗りつぶしの濃さは < pointtype> % 5 の値で制御し、その輪郭は黒 (< pointtype> % 10 < 5 の場合) または現在の色で書かれ ます。利用可能な記号は以下の通りです。

       50 - 59:  円
       60 - 69:  正方形
       70 - 79:  ひし形
       80 - 89:  上向きの三角形
       90 - 99:  下向きの三角形

これらの記号の大きさはフォントの大きさと関係しています。デフォルトでは 記号の深さは、良いエラーバーを実現するために、線の深さより 1 だけ小さ い値になっています。< pointtype> が 1000 より大きい場合、深さは < layer> +< pointtype> /1000-1 になります。< pointtype> %1000 が 100 より大きい場合 塗りつぶし色は (< pointtype> %1000)/100-1 になります。

有効な塗りつぶし色 (1 から 9) は、黒、青、緑、水色、赤、紫、黄、白、暗 い青 (白黒モードでは 1 から 6 までは黒で 7 から 9 までは白) です。

< linetype> < pointtype> の詳細については、以下参照: plot with (84.12)

big オプションは以前のバージョンの bfig ドライバの代用品ですが、このドライバは今はもうサポートされていません。

例:

     set terminal fig monochrome small pointsmax 1000  # デフォルト


     plot 'file.dat' with points linetype 102 pointtype 759

は、黄色で塗りつぶされた円を生成し、それら輪郭は幅 1 の青い線です。


     plot 'file.dat' using 1:2:3 with err linetype 1 pointtype 554

は黒い線によるエラーバーと赤で塗りつぶされた円を生成します。この円は線 よりも 1 層だけ上になります (デフォルトでは深さは 9)。

円の上にエラーバーを書くには以下のようにしてください。

     plot 'file.dat' using 1:2:3 with err linetype 1 pointtype 2554

竹野茂治@新潟工科大学
2017年10月31日