gnuplot がバイナリファイルをどのように走査するか、ということと実際の描
画で見られる軸の方向との間の関係については多くの混乱が起こり得ます。そ
の混乱を減らすには、gnuplot はバイナリファイルを "常に" 点/線/面、また
は速い/普通/遅い、と走査すると考えるといいでしょう。このキーワードは
gnuplot に、その走査の方向を描画内のどの座標方向 (x/y/z) に割り当てる
かを指定します。指定は 2 つ、または 3 つの文字の並びで表現し、最初の文
字が点に、次の文字が線に、3 つ目の文字が面に対応します。例えば、
scan=yx は、最も速い走査 (点の選択) は y 方向に対応し、普通の速さの
走査 (線の選択) が x 方向に対応することを意味します。
描画モードが plot の場合、指定には x と y の 2 つの文字を使うことが
でき、splot に対しては x, y, z の 3 つの文字を使うことができます。
割り当てに関しては、点/線/面から直交座標方向へのみに制限する内部事情は
別にありません。この理由で、円柱座標への割り当てのための指定子も用意さ
れていて、それらは直交座標の x, y, z に類似した形で t (角度), r, z と
なっています。
竹野茂治@新潟工科大学
2017年10月31日