20.2 点線/破線種 (dashtype)

gnuplot バージョン 5 で、linecolorlinewidth と同様に、点線/破 線パターン (dashtype) が各曲線毎の属性として独立しました。従来のよう な、使用中の出力形式の点線を書くための特別なモードとして指定する必要は ありません。すなわち、set term < termname> {solid| dashed} のようなコ マンドは現在は無視されます。バージョン 4 用に書いた古いスクリプトへの 後方互換性が必要な場合は、以下のような書き方で代用できます:


    if (GPVAL_VERSION >= 5.0) set for [i=1:9] linetype i dashtype i
    if (GPVAL_VERSION < 5.0) set termoption dashed

すべての線は、ほかに指定しなければ、dashtype solid という属性を持ち ますが、このデフォルト値をコマンド set linetype で特定の線種に変更し その後のコマンドで使えるようにできます。または、plot や他のコマンド の一部分として使用したい点線/破線の型を指定できます。

書式:

     dashtype N          # 定義済み点線/破線型を番号で呼び出し
     dashtype "pattern"  # 点 (.) 横線 (-) 下線 (_) と空白の組み合わ
                         # せ文字列による指定
     dashtype (s1,e1,s2,e2,s3,e3,s4,e4)  # 1~4 個の <実線長>,<空白長>
                         # の組による点線/破線パターン指定

例:

     # 2 つの関数が線種 1 を使うが dashtype で区別
     plot f1(x) with lines lt 1 dt solid, f2(x) with lines lt 1 dt 3

いくつかの出力形式は、それが提供する定義済み点線/破線パターンに、ユー ザ定義パターンを追加することをサポートしています。

例:

    plot f(x) dt 3            # 出力形式の持つパターン 3 を使用
    plot f(x) dt ".. "        # 一時的なパターンを作成
    plot f(x) dt (2,5,2,15)   # 同じパターンを数値で表現
    set dashtype 11 (2,4,4,7) # 新パターンを番号で呼び出せるよう定義
    plot f(x) dt 11           # 新パターンを使って描画

点線/破線パターンを文字列で指定した場合、gnuplot はそれを < 実線長> , < 空白長> の組の列に変換します。その場合、コマンド show dashtype は、 元の文字列と変換後の数値の列の両方を表示します。

竹野茂治@新潟工科大学
2017年3月21日