87.72.7 線スタイル指定 (set style line)

出力装置にはおのおのデフォルトの線種と点種の集合があり、それらはコマン ド test で見ることができます。set style line は線種と線幅、点種と 点の大きさを、個々の呼び出しで、それらの情報を全部指定する代わりに、単 なる番号で参照できるようにあらかじめ定義するものです。

書式:

     set style line <index> default
     set style line <index> {{linetype  | lt} <line_type> | <colorspec>}
                            {{linecolor | lc} <colorspec>}
                            {{linewidth | lw} <line_width>}
                            {{pointtype | pt} <point_type>}
                            {{pointsize | ps} <point_size>}
                            {{pointinterval | pi} <interval>}
                            {palette}
     unset style line
     show style line

default は、全てのラインスタイルパラメータをそれと同じ index を持つ 線種 (linetype) に設定します。

< index> の linestyle が既に存在する場合、他の全ては保存されたまま、与 えられたパラメータのみが変更されます。< index> が存在しなければ、指定さ れなかった値はデフォルトの値になります。

このようにつくられるラインスタイルは、デフォルトの型 (線種, 点種) を 別なものに置き換えることはしないので、ラインスタイル、デフォルトの型、 どちらも使えます。ラインスタイルは一時的なもので、コマンド reset を 実行すればいつでもそれらは消え去ります。線種自体を再定義したい場合は、 以下参照: set linetype (87.36)

線種と点種は、その index 値をデフォルトとします。その index 値に対する 実際の記号の形は、出力形式によって異なり得ます。

線幅と点の大きさは、現在の出力形式のデフォルトの幅、大きさに対する乗数 です (しかし、ここでの < point_size> は、コマンド set pointsize で与 えられる乗数には影響を受けないことに注意してください)。

pointinterval は、スタイル linespoints でグラフ中に描かれる点の間 隔を制御します。デフォルトは 0 です (すべての点が描画される)。例えば、 set style line N pi 3 は、点種が N、点の大きさと線幅は現在の出力形式 のデフォルトで、with linespoints での描画では点は 3 番目毎に描画され るようなラインスタイルを定義します。その間隔を負の値にすると、それは間 隔は正の値の場合と同じですが、点の記号の下になる線を書かないようにしま す (出力形式によっては)。

全ての出力装置が linewidthpointsize をサポートしているわけでは ありません。もしサポートされていない場合はそれらのオプションは無視され ます。

出力形式に依存しない色を linecolor < colorspec> linetype < colorspec> (省略形は lc, lt) のいずれかを使って割り当てることができます。この 場合、色は RGB の 3 つ組で与えるか、gnuplot の持つパレットの色名、現在 のパレットに対する小数指定、または cbrange への現在のパレットの対応に 対する定数値、のいずれかで与えます。以下参照: colors (19), colorspec (19.1),set palette (87.60), colornames (87.15), cbrange (87.132)

set style line < n> linetype < lt> は、出力形式に依存した点線/破線のパ ターンと色の両方をセットします。set style line < n> linecolor < colorspec> set style line < n> linetype < colorspec> は、現在の点線/破線のパタ ーンを変更せずに新しい線色を設定します。

3 次元モード(splot コマンド) では、"linetype palette z" の省略形とし て特別にキーワード palette を使うことも許されています。その色の値は、 splot の z 座標 (高さ) に対応し、曲線、あるいは曲面に沿って滑らかに変 化します。

例: 以下では、番号 1, 2, 3 に対するデフォルトの線種をそれぞれ赤、緑、青とし、デフォルトの点の形をそれぞれ正方形、十字、三角形であるとします。このとき 以下のコマンド


     set style line 1 lt 2 lw 2 pt 3 ps 0.5

は、新しいラインスタイルとして、緑でデフォルトの 2 倍の幅の線、および 三角形で半分の幅の点を定義します。また、以下のコマンド


     set style function lines
     plot f(x) lt 3, g(x) ls 1

は、f(x) はデフォルトの青線で、g(x) はユーザの定義した緑の線で描画しま す。同様に、コマンド


     set style function linespoints
     plot p(x) lt 1 pt 3, q(x) ls 1

は、p(x) を赤い線で結ばれたデフォルトの三角形で、q(x) は緑の線で結ばれ た小さい三角形で描画します。


     splot sin(sqrt(x*x+y*y))/sqrt(x*x+y*y) w l pal

は、palette に従って滑らかな色を使って曲面を描画します。これはそれを サポートした出力形式でしかちゃんとは動作しないことに注意してください。 以下も参照: set palette (87.60), set pm3d (87.59)


     set style line 10 linetype 1 linecolor rgb "cyan"

は、RGB カラーをサポートするすべての出力形式で、ラインスタイル 10 に実 線の水色を割り当てます。

竹野茂治@新潟工科大学
2015年1月5日